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さかのぼり学習って どこまで戻るの?

つまずき・苦手

さかのぼり学習とは?つまずいた単元から今の授業へ戻る順番

塾や通信教育の案内で「さかのぼり学習」という言葉を目にして、気になっている親御さんもいるのではないでしょうか。

前の学年に戻ったら今の授業はどうなるんだろう。
子どもは嫌がらないかな。
家でやるとしても何から始めればいいのか分からない。

この記事では、次の3つをお伝えします。

  • さかのぼり学習とは何か
  • 分からなくなった単元を見つけたあとの進め方
  • 家で進めるときに親が気をつけたいこと

ブログ著者・志藤 学のプロフィールと著書の紹介

書いているのは、かつて個別指導塾の教室長として800人以上の子どもたちを指導し、家では2人の子どもの父親でもある志藤 学です。

さかのぼり学習とは前の学年の分からなくなったところから学び直すこと

さかのぼり学習とは、今の学年より前の単元まで戻り、分からなくなったところから学び直す学び方のことです。塾や教材の案内でよく使われている言葉で、決まった定義があるわけではありません。ただ、おおむねこの意味で使われています。

先取りとは向きが逆の学び方

先の学年の内容に進む「先取り学習」に対して、さかのぼり学習は前の学年の内容へ向かいます。目指すのは先へ進むことではなく、今の授業が分かるための土台を固めることです。

教室では「必要な復習」と呼んでいた

教室長だったころ、私は「さかのぼり学習」という言葉を使っていませんでした。教室では単純に「必要な復習」と話すことが多かったです。

ですから、特別な学習法と考えなくて大丈夫です。今の勉強に必要なところまでさかのぼって復習すること、と受け止めてもらえればと思います。

算数・数学や英語で必要になりやすい

算数・数学は、前に習ったことの上に次の内容が積み上がっていく教科です。九九があいまいなまま割り算に進むと、割り算の問題で手が止まりやすくなります。

教室でも、中学生は数学と英語で前の内容に戻ることがとくに多くありました。

今の単元だけ練習しても分からないわけ

つまずきのもとが前の単元にあることが多い

今の単元の問題が解けないとき、同じ単元の問題をくり返し解かせたくなるかもしれません。

でも、教室で一人ひとりの理解を確かめていくと、つまずきのもとはその単元より前にあることがよくありました。前の単元が分からないまま今の単元の練習を重ねても、どこが分からないのかは子ども自身にも見えにくいままです。

「わからなかった理由がやっとわかった」

学び直しを進める中で、子どもから言われた言葉があります。

「わからなかった理由がやっとわかった」

「前に勉強してたことって大事だったんだね」

今の問題が解けなかったのは、前のところが分かっていなかったからだった。そのことに、子ども自身が気づいた言葉だと思います。

さかのぼり学習の進め方

さかのぼり学習は、戻ったところで終わりではありません。そこから今の授業の単元まで、一段ずつ上がってくる学び方です。進め方は次の4つです。

  1. 分からなくなった単元を見つける
  2. 分かったら次の単元へ進む
  3. 手が止まったらその単元に時間をかける
  4. 今の授業の勉強と並べて毎日少しずつ進める

まず分からなくなった単元を見つける

最初にするのは、どこまで戻るかを決めることです。点数だけでは分からないので、子どもが問題を解いているところを見て手が止まるところや迷っているところを探します。気になったところは、手前の内容から易しい問題を出して確かめます。

見つけ方は学年ごとにくわしくまとめています。

小学生:勉強についていけない小学生はどこからやり直す?見つけ方と伝え方

中学生:中学の勉強についていけない子はどこまで戻る?小学校の復習と進め方

分かったら次の単元へ一段ずつ進む

戻る単元が決まったら、そこから学び直します。

教室では、その単元で学ぶ内容が理解できたら次の単元へ進んでいました。必要に応じて練習問題を少し解いてもらい、身についているかを確かめます。問題がなければ、次へ進みます。

こうして一段ずつ上がっていくと、やがて今の授業の単元に戻ってきます。教室では、前の内容は今の内容とつながっていて、そこを学び直すと今の内容も理解しやすくなると伝えていました。

手が止まったらその単元に時間をかける

学び直している途中で、手が止まることもあります。教室でもそういうことはありました。

そのときは急いで次へ進まず、まずその単元をじっくり学習します。それでも理解できないときは、原因を探りながら指導していました。

家で進める場合、親御さんが原因を探しきる必要はありません。分からないところは、学校の先生や塾など教える人に相談してかまいません。

小学生は家庭学習で復習を中心に・中学生は今の勉強に少し足す

小学生と中学生では、今の授業との並べ方が少し違います。

小学生は、学校の宿題はふだんどおりに続けながら、宿題とは別の家庭学習の時間で前の単元の復習を中心にします。教室でも、小学生は今の内容より復習を重点的に進めていました。小学校は中学校ほど授業の進み方が速くないので、小学生は復習を入れやすい時期だと考えています。

中学生は定期テストや部活があり、使える時間が限られます。宿題やテスト勉強は進めながら、前の単元の問題を毎日の勉強に少しだけ加える形が続けやすいと思います。教室でも、振り返りの問題を日々の宿題に足して対応していました。

どれくらいかかるかは子どもによって違う

戻る範囲も理解の進み方も、一人ひとり違います。何か月で今の授業に追いつく、とはお伝えできません。

教室の中学生も、必要な知識が身につくと理解度が上がり自信もついてきました。ただ、そこまでにはある程度の期間がかかりました。分かる単元が少しずつ増えていくうちに、徐々に自分から勉強するようになる子もいました。

焦らずに一段ずつ積み重ねてください。

家で進めるときに親が気をつけたいこと

前の内容をやっていることを悪く言わない

家で前の単元の問題に取り組んでいると、今の学年の内容がなかなか進まないように見えることがあります。周りの子と比べて焦る気持ちが出てくるのは、自然なことです。

それでも、教室長だったころに親御さんへお願いしていたことがあります。家で学び直しの一部をしてもらう場合は、今の内容が進まないことや前の内容をやっていることについてネガティブなことを言わないでほしい、ということです。前の単元に取り組んでいること自体が、今の授業に向かう一歩だからです。

問題集の学年は親から口にしない

分からなくなった単元を確かめたり学び直したりするには、前の学年の問題集が使いやすいと考えています。

表紙には学年が書いてありますが、親御さんのほうからそれをことさら口にしなくて大丈夫です。学年を聞いたとたん、こんなこともできないのかと自信をなくしてしまう子もいます。

その代わり、なぜ戻るのかは取りかかる前に話しておきます。前に習ったことが今の勉強につながっていること、そこが分かると今の内容も分かりやすくなることです。

教えるのは親でなくていい

さかのぼり学習を家で進めるとき、親御さんが先生役になる必要はありません。

親の役目は、分からなくなったところを一緒に確かめることと、できるようになったことを認めることです。教えるのは学校の先生や塾に任せてかまいません。

塾や教材のさかのぼりを使うとき

塾の中には、前の学年までさかのぼって指導するところがあります。通信教育やタブレット教材の中にも、学年をさかのぼって学習できるものがあります。

教室長として見てきた立場からいうと、さかのぼって学べる教材などはとてもよいものだと思います。ただ、大きなポイントになるのは必要なところまでさかのぼれるかどうかを判断できるかです。

教材を選ぶときも、どこでつまずいているかが分かっていると選びやすくなります。つまずいた単元から、子どもが無理なく解ける問題で始められるかを見てみてください。塾の場合は、体験のときに前の学年まで戻って見てくれるかを聞いてみるとよいと思います。

よくある疑問

Q. さかのぼると今の授業から遅れませんか?

学校の宿題や今の授業の勉強はそのまま続け、家庭学習の時間に前の単元を足す形で進めます。今の授業を止めるわけではありません。前の単元が分かってくると、今の授業の内容も理解しやすくなることがあります。

Q. どれくらい続ければいいですか?

戻る範囲と子どもの理解の進み方によって違うため、決まった期間はありません。「分かったら次の単元へ」をくり返し、今の授業の単元にたどりつくまでが一つの区切りです。

Q. 国語でもさかのぼり学習はできますか?

国語は算数のように単元を順にさかのぼるより、読む力のどこで止まっているかを見るほうが手がかりになります。漢字が読めるか。言葉の意味が分かるか。文の意味がつかめるか。文章の内容を読み取れるか。止まっているところまで戻って、そこから積み重ねます。

Q. 中学生になってから小学校の内容に戻ってもいいですか?

戻ってかまいません。中学生は戻る範囲が長くなることもありますが、進め方は同じです。教室でも、中学生が前の内容に戻って取り組むことはめずらしくありませんでした。今の勉強と並べて少しずつ進めてください。

まとめ

  • さかのぼり学習は前の学年の分からなくなったところから学び直す「必要な復習」
  • 分かったら次の単元へ一段ずつ進み、手が止まったらその単元に時間をかける
  • 家では前の内容に取り組んでいることを悪く言わず、教えるのは先生に任せていい

まずは、お子さんが今つまずいている問題を一つ選び、その手前の内容が分かっているかを一緒に確かめてみてください。

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志藤 学

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