「英語の授業についていけない…」「テストで全然点数が取れない…」「何から勉強すればいいのかわからない…」
そんな悩みを抱えている中学生は、実はあなただけではありません。実際に、中学生の約4割が英語を苦手科目として挙げているというデータもあります。
でも安心してください。英語が全くわからない状態からでも、正しい勉強法を実践すれば1ヶ月で確実に成績を上げることは可能です。
この記事では、1,500人以上の中学生を指導してきた経験をもとに、英語が苦手な中学生が短期間で成果を出すための具体的な勉強法をお伝えします。
ぜひ最後まで読んで、英語への苦手意識を克服し、得意科目に変えていきましょう!
英語が全くわからない中学生が急増している5つの理由
なぜ多くの中学生が英語でつまずいてしまうのでしょうか。その背景には、近年の英語教育の大きな変化があります。
ここでは代表的な5つの理由を解説します。
小学英語必修化による授業レベルの向上
2011年度から小学校で「外国語活動」が必修化され、2020年度からは「教科」として英語が導入されました。
その結果、中学校の英語授業は「小学校で基礎を学んでいる」前提で進められるようになっています。
しかし実際には、小学校で重視されるのは「聞く・話す」が中心で、「読む・書く」はあまり指導されていません。
そのため、中学校で文字として英語を学び始める段階で急についていけなくなる生徒が増えているのです。
覚える単語量の劇的な増加
現在の中学生が覚えるべき英単語数は、小学校と合わせておよそ2,500語にのぼります。これは親世代が学んだ量の約1.5倍にあたります。
この膨大な語彙量に圧倒され、「覚えきれない」と諦めてしまう生徒が少なくありません。
4技能の総合力が求められる
従来の「読む・書く」中心の授業から、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく伸ばす授業に変わりました。
特に「話す」活動では、人前で英語を話すことへの恥ずかしさや緊張感から、英語自体を嫌いになってしまうケースも見られます。
文法の複雑化
以前は高校で学んでいた現在完了形や難易度の高い文法事項が中学校の学習範囲に含まれるようになっています。
基礎が固まっていない段階で複雑な文法に触れることで、「英語は難しい」という印象を強く持ってしまう生徒が多いのです。
基礎土台の不足
アルファベットの書き方や基本的な単語の読み方など、本来小学校で身につけるべき基礎が不足している生徒も少なくありません。
土台がしっかりしていないまま応用学習に入るため、理解が追いつかず、どんどん英語がわからなくなってしまうのです。
【診断チェック】あなたの英語レベルはどこ?
効果的な勉強を始める前に、まずは自分の現在のレベルを把握することが大切です。
以下のチェックリストで確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、そのレベルに近いと判断できます。
レベル1:超基礎
英語学習の入り口にあたる段階です。アルファベットや基本のあいさつなど、ごく初歩的な内容が理解できているかをチェックしましょう。
- アルファベット26文字を正しく書ける
- 基本的な挨拶(Hello, Good morning など)がわかる
- 1〜10の数字を英語で言える
- I am, You are の意味がわかる
レベル2:基礎
英語の基礎が少しずつ固まり始める段階です。文の仕組みや簡単な単語を理解しているかどうかがポイントです。
- be動詞と一般動詞の違いがわかる
- 疑問文の作り方がわかる
- 中学1年レベルの単語300語程度知っている
- 簡単な自己紹介ができる
レベル3:中級
文法や語彙の幅が広がり、文章を読んだり話したりできるレベルです。中学2年程度の力が身についているかどうかを確認しましょう。
- 現在・過去・未来の時制がわかる
- 助動詞(can, must など)が使える
- 中学2年レベルの単語500語程度知っている
- 教科書の文章をスラスラ読める
診断結果による学習アプローチ
チェックが多かったレベルに応じて、次のような学習方法を取り入れてみましょう。
- レベル1中心: まずは「超基礎編」から丁寧に取り組みましょう
- レベル2中心: 「単語編」と「文法編」を並行して進めましょう
- レベル3中心: 「実践編」でアウトプットを増やしていきましょう
【超基礎編】アルファベットからやり直す勉強法
「今さらアルファベット?」と思うかもしれませんが、意外と正しく書けない中学生は多いものです。
基礎をしっかり固めることで、その後の学習がスムーズに進みます。
アルファベット完全マスター法
アルファベットは英語学習の第一歩です。正しい書き順や音を理解することで、単語や文法の学習が格段にやりやすくなります。
- ステップ1:正しい書き順で書く練習
大文字・小文字それぞれの正しい書き順を覚えましょう。特に小文字の「a, g, q」などは間違いやすいので注意が必要です。 - ステップ2:フォニックス学習
アルファベットの「音」を覚えることが重要です。例えば:
A(エー)→ ア(apple の「ア」)
B(ビー)→ ブ(book の「ブ」)
C(シー)→ ク(cat の「ク」) - ステップ3:単語との結びつけ
各アルファベットから始まる身近な単語を1つずつ覚えましょう。
基本単語100語の効率的暗記法
まずは中学英語の基盤となる重要単語100語を確実に覚えることが大切です。短期間で暗記し、繰り返し復習する習慣を身につけましょう。
- 1日10語ずつ、10日間で完了させる
- 毎日、前日分の復習も必ず行う
- 声に出して覚える(音読暗記)
- 書きながら覚える(手書き暗記)
音読練習の始め方
英語学習の基本は音読です。目と耳と口を同時に使うことで記憶に定着しやすくなります。最初は恥ずかしがらずに、大きな声で読むことから始めましょう。
- まずは意味を確認しながらゆっくり読む
- 慣れてきたらスピードを上げて読む
- 最終的には意味を考えながらスラスラ読めるようにする
【単語編】1ヶ月で600語覚える効率的暗記術
単語の暗記は英語学習の要です。しかし、やみくもに覚えようとしても効率が悪く、すぐに忘れてしまいます。
ここでは、科学的根拠に基づいた暗記術を紹介します。
分散学習法で効率的に記憶を定着させる
人間の脳は「忘却曲線」に従って情報を忘れていきます。この特性を利用した分散学習法を取り入れると、長期記憶に残りやすくなります。
- 1日目: 新しい単語20語を学習
- 2日目: 1日目の復習 + 新しい単語20語
- 4日目: 1日目の再復習 + 継続学習
- 7日目: 1日目の最終復習 + 継続学習
語呂合わせ・イメージ暗記法
記憶に残りやすい語呂合わせやイメージを使うと、難しい単語も楽しく覚えられます。
- difficult(難しい)→「字がかる」と難しい
- station(駅)→「捨てしょん」で駅のゴミ箱
- kitchen(台所)→「気になる」台所
スマホアプリの効果的活用法
移動時間や隙間時間を有効に使えるスマホアプリは、単語暗記の強力な味方です。シーンに合わせて使い分けましょう。
- 通学時間: リスニング機能で発音練習
- 休み時間: クイズ形式で復習
- 寝る前: その日覚えた単語の最終チェック
「見える化」テクニック
覚えにくい単語は、生活の中で自然に目に入るように工夫すると効果的です。
- 付箋に単語を書いて机周りに貼る
- スマホの壁紙に単語リストを設定
- トイレや洗面所にポスターを貼る
- 手帳やノートの表紙に重要単語を書く
【文法編】中学文法を短期間でマスターする方法
英文法は英語の「ルール」です。ルールを知らずに英語を使おうとするのは、ルールを知らずにスポーツをするようなもの。
基本ルールから順序立てて学習することが、確実に力をつける近道です。
be動詞と一般動詞の使い分けを理解する
中学英語の最初の大きな壁が「be動詞」と「一般動詞」の違いです。この区別を理解することがすべての基礎になります。
be動詞の基本パターン
- I am a student. (私は学生です)
- You are kind. (あなたは親切です)
- He is tall. (彼は背が高いです)
一般動詞の基本パターン
- I play tennis. (私はテニスをします)
- You study English. (あなたは英語を勉強します)
- He likes music. (彼は音楽が好きです)
見分け方のコツ
- be動詞:「〜です、〜である、〜にいる」の意味を表す
- 一般動詞:「〜する、〜します」の動作を表す
時制の理解(現在・過去・未来・現在完了)
時制は「いつ」の出来事かを示す大切なルールです。日本語との感覚の違いがあるので、例文を通してパターンで覚えましょう。
現在形:習慣や事実を表す
- I get up at seven. (私は7時に起きます)
- The sun rises in the east. (太陽は東から昇ります)
過去形:過去の出来事を表す
- I played tennis yesterday. (昨日テニスをしました)
- She was a teacher. (彼女は先生でした)
未来形:未来の予定や意志を表す
- I will go to Tokyo. (東京に行く予定です)
- It will be sunny tomorrow. (明日は晴れるでしょう)
疑問文・否定文の作り方
英文を自由に使いこなすには、肯定文だけでなく疑問文・否定文を作れることが重要です。ルールを押さえて幅広く表現できるようにしましょう。
be動詞の場合
- 肯定文:You are happy.
- 疑問文:Are you happy?
- 否定文:You are not happy.
一般動詞の場合
- 肯定文:You play tennis.
- 疑問文:Do you play tennis?
- 否定文:You don't play tennis.
【実践編】インプット×アウトプット学習法
単語や文法を覚えただけでは英語は使えるようになりません。覚えた知識を「使う」練習が不可欠です。ここでは家庭でできるアウトプット練習法をご紹介します。
教科書音読のコツ
教科書の音読は最も手軽で効果的な練習法です。ただし、正しい方法で行うことで効果が格段に高まります。
- 意味理解: まず内容を完全に理解する
- 発音確認: わからない単語の発音をチェック
- ゆっくり音読: 意味を考えながら丁寧に読む
- スピードアップ: 徐々に自然なスピードで読む
- 暗唱に挑戦: 最終的には何も見ずに言えるようにする
毎日15分の音読を続けるだけで、1ヶ月後には劇的な変化を感じられるはずです。
英語日記の書き方
英語日記は「書く力」を鍛える最適な方法です。最初は1〜2文から始め、徐々に長くしていきましょう。
初心者向け英語日記の例:
- Today is Monday. (今日は月曜日です)
- I got up at seven. (7時に起きました)
- I had breakfast with my family. (家族と朝食を食べました)
- It was delicious. (それは美味しかったです)
日記を続けるコツ:
- 毎日同じ時間に書く習慣をつける
- 辞書を使って新しい表現を覚える
- 間違いを恐れずに書く
- 週末に1週間分を見直す
オンライン英会話の活用法
「話す練習」をしたいならオンライン英会話が効果的です。無料体験できるサービスも多いので、まずは気軽に試してみましょう。
初心者におすすめの活用法:
- 自己紹介を完璧に準備してから参加する
- わからない時は "Could you repeat?" を使う
- 間違いを恐れずにたくさん話す
- レッスン後は習った表現を復習する
家族との英会話練習
家族の協力を得て、日常生活の中で英語を使う機会を作ると、自然にアウトプットの習慣が身につきます。
家庭でできる英会話練習:
- 朝の挨拶を英語で行う
- 夕食時に今日の出来事を英語で話す
- 買い物リストを英語で作る
- 家族で英語クイズ大会を開く
【教材選び】英語が苦手な中学生におすすめの参考書・アプリ5選
適切な教材選びは学習効果を左右します。レベルや目的に応じて、最適な教材を選びましょう。
レベル別おすすめ参考書
【超基礎レベル】
教科書ワークシリーズ
- 学校の教科書に完全対応
- 基礎から応用まで段階的に学習可能
- 定期テスト対策にも最適
【基礎〜中級レベル】
中学英語レベル別問題集
- 自分のペースで学習を進められる
- 詳しい解説で理解が深まる
- CD付きで発音練習も可能
【総復習用】
中学3年間の英語を10時間で復習する本
- 短期間で全体像を把握
- 要点がコンパクトにまとまっている
- 受験前の総仕上げにも使える
無料・有料アプリの比較
【無料アプリ】
- Duolingo:ゲーム感覚で楽しく学習
- 英語物語:RPG要素で継続しやすい
- NHKゴガク:質の高い学習コンテンツ
【有料アプリ】
- スタディサプリ:プロ講師の授業が見放題
- 英単語アプリ mikan:効率的な単語暗記
- レシピー:AI搭載の個別指導
YouTube英語チャンネル活用法
無料で質の高い英語学習コンテンツを視聴できるYouTubeは強力なツールです。
学習効果を高める視聴のコツ
- 字幕機能を活用する
- 気に入った表現をメモする
- 同じ動画を繰り返し見る
- シャドーイング練習に使う
やってはいけない!英語学習の3つの失敗パターン
良かれと思って行っている学習法が、実は逆効果になっている場合があります。
ここではよくある失敗パターンを知り、効率的な学習を心がけましょう。
失敗パターン1:丸暗記だけに頼る
単語や文法をひたすら丸暗記するだけでは、使える英語力にはつながりません。
なぜダメなのか
- 応用が利かない
- 忘れやすい
- 理解不足で混乱を招く
改善方法
- 意味や文法的役割を理解してから覚える
- 例文の中で単語を覚える
- 関連語彙をまとめて覚える
失敗パターン2:長文読解から始める
基礎を固めないまま長文に挑戦すると、苦手意識を持ちやすく挫折の原因になります。
なぜダメなのか
- 基礎力不足で挫折しやすい
- 苦手意識が強くなる
- 効率が悪い
改善方法
- 単語・文法の基礎を先に固める
- 短い文から始めて徐々に長くする
- 内容理解より構造理解を重視する
失敗パターン3:完璧主義になりすぎる
「すべて理解してから次へ進みたい」という完璧主義は、学習の停滞を招きます。
なぜダメなのか
- 進歩が遅くなる
- ストレスで継続できない
- 実用的でない
改善方法
- 70%の理解で次に進む
- 間違いを恐れずに使ってみる
- 「完璧よりも継続」を心がける
まとめ:英語が全くわからなくても1ヶ月で変われる!
ここまで、英語が全くわからない中学生が短期間で成果を出すための具体的な方法をお伝えしてきました。
最後に重要なポイントを整理し、次の一歩につなげましょう。
重要ポイントの再確認
1ヶ月で成果を出すためには、次の5つのステップを意識することが大切です。
- 現在のレベルを正確に把握する
- 基礎から順序立てて学習する
- 効率的な暗記術を活用する
- インプットとアウトプットのバランスを取る
- 継続できる学習習慣を作る
学習継続のための心構え
学習を続けるコツは「完璧を求めず、小さな成功を積み重ね、楽しむこと」です。
- 完璧を求めすぎない: 最初は70%の理解で次に進みましょう。繰り返すことで理解は深まります。
- 小さな成果を積み重ねる: 「単語を5個覚えた」「昨日より音読が上手くなった」などの進歩を喜びましょう。
- 楽しみながら学ぶ: 好きな音楽や映画を英語で楽しむと、学習が自然に続けられます。
1ヶ月後の目標設定
具体的な目標を持つと、学習のモチベーションがぐっと高まります。レベルに応じて次のような目標を設定してみましょう。
- 超基礎レベル: 基本単語300語暗記、be動詞の完全理解
- 基礎レベル: 中学1年文法の完全マスター、音読スピード向上
- 中級レベル: 英語日記の習慣化、簡単な英会話の実現
最後に:英語学習は人生の財産
英語学習で得られるのは語学力だけではありません。日々の努力が人生に役立つ力を育てます。
- 論理的思考力: 文法構造を理解することで論理的な思考が鍛えられる
- 継続力: 毎日の積み重ねで継続する力が身につく
- 国際感覚: 異文化への理解と興味が育まれる
- 自信: 「できなかったことができるようになる」経験で自信がつく
英語が全くわからない状態からのスタートは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、これから大きく成長できる可能性に満ちています。
今すぐ始められるアクション
この記事を読み終えたら、今日からできることをすぐに始めましょう。小さな行動が未来を変えます。
- 自分のレベルをチェックする
- 基本単語100語のリストを作る
- 毎日15分の音読時間を決める
- 英語日記を始める
- 家族に学習計画を宣言する
今すぐ行動を始めれば、1ヶ月後には確実に「今とは違う自分」に出会えるはずです。