チェリーセージは、赤やピンク、白などの小さな花を長く咲かせるシソ科のハーブです。葉や花を軽くもむと、サクランボのような甘い香りがするのが名前の由来とされています。
香りがよく花色も豊富なため、ドライフラワーやポプリにして飾ったり、食用に向く品種なら料理の彩りに添えたりと、暮らしのなかで楽しめます。
この記事では、チェリーセージの香りや花を活かす使い方を、作り方の手順とあわせて詳しくご紹介します。安全に楽しむための注意点もまとめているので、育てた花の活用に興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。
チェリーセージはどんなハーブ?
チェリーセージは、メキシコやアメリカ南部を原産とするシソ科アキギリ属(サルビア属)の植物です。「チェリーセージ」という名前は、サルビア・ミクロフィラ(Salvia microphylla)、サルビア・グレッギー(Salvia greggii)、およびその交雑種であるサルビア・ヤメンシス(Salvia jamensis)などをまとめて呼ぶ総称です。
初夏から晩秋までの長い期間咲き続け、丈夫で暑さに強いため、庭やベランダの彩りとして人気があります。‘ホットリップス’のように赤と白の2色咲きになる品種など、園芸品種も豊富です。
まず知っておきたいのは、チェリーセージは基本的に観賞用のハーブだということです。料理に使われる「コモンセージ(Salvia officinalis)」とは別の植物で、食用やお茶に向くのは一部の品種に限られます。この点をふまえたうえで、使い方を見ていきましょう。
チェリーセージのドライフラワーの作り方
香りと花色が魅力のチェリーセージは、ドライフラワーにすると、色や形、ほのかな香りを長く楽しむことができます。
主な作り方は、次の2つです。
- ハンギング法
- シリカゲル法
それぞれの手順を見ていきましょう。
ハンギング法
ハンギング法とは、チェリーセージの茎を束ねて逆さに吊るし、自然乾燥させる方法です。
手軽にできる反面、乾燥に時間がかかり、色があせやすいというデメリットがあります。きれいに仕上げるために、以下の点に注意しましょう。
- 花が開いた状態のものを切り取る
- 水に浸かっていた部分や余分な葉を取り除く
- 風通しがよく、日の当たらない場所に吊るす
- (可能であれば)扇風機やエアコンで風を当て、早く乾かす
ハンギング法で乾燥させたチェリーセージは、壁や天井に飾ったり、リースやポプリの材料にしたりして楽しめます。
シリカゲル法
シリカゲル法とは、チェリーセージの花をシリカゲル(乾燥剤)に埋めて乾燥させる方法です。花の立体感や鮮やかな色を保ちやすいのが特徴です。
ただし、シリカゲルは費用がかかり、再利用する場合は電子レンジなどで乾かして使う必要があります。
手順は以下のとおりです。
- 花首から2cmほど下で切り取る
- タッパーやガラス瓶などの密閉容器に、シリカゲルを1cmほど敷き詰める
- 花を置き、スプーンなどで優しくシリカゲルをかけて完全に埋める
- 容器を密閉し、3日から1週間ほど置く
- シリカゲルを取り除き、必要に応じて茎をワイヤーで補強する
シリカゲル法で仕上げたチェリーセージは、透明な容器やフレームに入れて飾ったり、ブーケやアレンジメントに使ったりするのに向いています。
色や香りが豊かなチェリーセージは、ドライフラワーにすればインテリアやちょっとしたギフトにもぴったりです。ぜひ挑戦してみてくださいね。
チェリーセージのポプリの作り方
チェリーセージは、ポプリとしても楽しめます。ポプリとは、乾燥させた花やハーブに香りを移して保存したもので、インテリアや空間の香りづけに使われます。
甘い香りを活かして、お部屋に癒しの雰囲気を添えてくれます。作り方は主に次の2種類です。
- ドライポプリ
- モイストポプリ
それぞれの特徴と手順を見ていきましょう。
ドライポプリ
ドライポプリとは、乾燥させた花や葉を、精油や保留剤と混ぜて熟成させる方法です。見た目が華やかに仕上がる一方、香りが飛びやすいというデメリットがあります。
作り方は以下のとおりです。
- 花が開いた状態のものを切り取る
- 水に浸かっていた部分や余分な葉を取り除く
- 風通しがよく日の当たらない場所に吊るし、自然乾燥させる
- 乾燥した花や葉を電子レンジに入れ、残った水分を飛ばす
- 保留剤(オリスルートやシナモンなど)を粉状にし、精油を加えて混ぜる
- 乾燥した花や葉と保留剤をボウルに入れ、まんべんなく混ぜる
- 密閉容器に入れ、暗い場所で1〜2か月熟成させる
- 好みの器に入れて飾る
ドライポプリは、瓶やガラス、お皿などに入れて飾ったり、布袋に入れてサシェとして楽しんだりできます。
モイストポプリ
モイストポプリとは、生の花や葉を塩と一緒に容器に入れて熟成させる方法です。香りが長持ちする反面、色があせやすいというデメリットがあります。
作り方は以下のとおりです。
- 花が開いた状態のものを切り取る
- 水に浸かっていた部分や余分な葉を取り除く
- 容器に塩を1〜2cm敷き、その上に花や葉を乗せる
- さらに塩を1〜2cmの層になるようにかぶせる
- 蓋をして、冷暗所で10日ほど寝かせる
- 全体を混ぜ、好みで副材料や保留剤を加え、蓋をして1か月ほど熟成させる
- 蓋をしたまま飾り、香りを楽しみたいときに蓋を開ける
モイストポプリは、瓶やジャーに入れて飾るほか、香り袋として使うのもおすすめです。
甘く爽やかな香りのチェリーセージは、ポプリにしてもインテリアやギフトにぴったりです。ぜひ試してみてくださいね。
食用に向く品種なら料理の彩りにも
チェリーセージは基本的に観賞用ですが、食用に向く品種であれば、花を料理の彩りとして少量楽しむこともできます。葉や花にサクランボのような甘い香りがあるため、エディブルフラワー(食用花)として飾りに使われることがあります。
| 使い方 | 補足 |
| サラダに彩りとして添える | 洗って水気を切った花を散らすだけ。色鮮やかな花がサラダを華やかにしてくれます。 |
| クッキーやケーキに飾る | 焼き上がったお菓子に飾ると、見た目のアクセントになります。 |
| ドリンクに浮かべる | 水やジュース、紅茶などに浮かべると、見た目が華やぎます。 |
【食用にする際の注意】
チェリーセージのなかで料理やお茶に使えるのは一部の品種に限られ、ほとんどは観賞用です。観賞用と食用では、栽培時に使われる薬剤が異なる場合があります。食用にしたい場合は、必ず「食用」と明記されたものや、無農薬で栽培されたと確認できるものを選び、自分で大量に使うことは避けましょう。初めて口にするときはごく少量から試し、体調に不安のある方や妊娠中の方は事前に医師に相談すると安心です。
香りや煙を暮らしに取り入れる
食用以外にも、チェリーセージの香りを暮らしに取り入れる楽しみ方があります。
- サシェ(香り袋)にする:乾燥させた花や葉を布袋に入れて結ぶだけ。引き出しやクローゼットに入れて香りを楽しめます。
- 浴室に吊るして香らせる:乾燥させた花束を浴室に飾ると、入浴時にほのかな香りが広がります。肌に直接使うのではなく、空間の香りづけとして楽しむのがおすすめです。
- 煙で浄化する(スマッジング):セージ類は、古くから道具や空間を清める目的で葉を焚く習慣があります。乾燥させた葉に火をつけてすぐ消し、立ちのぼる煙をパワーストーンなどにくぐらせる使い方が知られています。火の扱いには十分注意してください。
なお、肌に塗るオイルや、飲用・薬用としての利用は、安全性が品種や個人の体質によって左右されるため、この記事では積極的にはおすすめしていません。香りそのものを楽しむ使い方から始めるのが安心です。
チェリーセージを使うときに知っておきたいこと
最後に、安全に楽しむためのポイントを整理します。
- チェリーセージは基本的に観賞用のハーブで、料理のセージ(コモンセージ)とは別物です。
- 葉のハーブティーは独特の風味で、一般的な飲用には向かないとされます。
- 毒性を指摘する情報もあるため、食用にする場合は食用品種かどうかを必ず確認しましょう。
- ペットへの使用は安全性が確認されていないため、避けるのが無難です。
こうした点をふまえれば、ドライフラワーやポプリ、サシェなど「香りと見た目を楽しむ使い方」が、もっとも手軽で安心して取り入れられる活用法といえます。
まとめ:チェリーセージの使い方
この記事では、チェリーセージの使い方をご紹介しました。
チェリーセージは、ドライフラワーやポプリにすると色と香りを長く楽しめ、食用に向く品種なら料理の彩りにも使えるハーブです。一方で大半は観賞用なので、飲用や食用は品種を確認したうえで、まずは香りと見た目を楽しむ使い方から取り入れるのがおすすめです。
なお、チェリーセージは自宅でも比較的簡単に育てられるので、栽培して使うのも楽しいですよ。チェリーセージの育て方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。
