アロマティカスは繁殖力が強く、初心者でも簡単に増やせる多肉質のハーブです。剪定で切り取った茎や葉を捨てずに使えば、新しい株をどんどん増やすことができます。
この記事では、アロマティカスの増やし方を「挿し木・水挿し・株分け・葉挿し」の4つの方法に分けて、手順や適期、発根までの日数まで詳しく解説します。
うまく発根しないときの原因と対策や、株をこんもり茂らせる摘心のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
アロマティカスの増やし方は主に4つ
アロマティカスを増やす方法は、主に以下の4つです。
- 挿し木(挿し芽)……切り取った茎を土に挿して発根させる、最も一般的な方法
- 水挿し(水耕)……茎を水に挿して発根させる方法。発根の様子が見えて初心者にもおすすめ
- 株分け……大きく育った株を分けて、複数の鉢に植え替える方法
- 葉挿し……葉を1枚使って発根させる方法。時間はかかるが少ない材料で増やせる
いずれの方法も難しい作業はなく、剪定や植え替えのついでに気軽に行えます。
なお、アロマティカスはシソ科では珍しく、めったに花を咲かせず種子もほとんどできません。そのため、種から増やすのは現実的ではなく、上記のように茎や葉、株を使って増やすのが基本になります。
アロマティカスを増やすのに適した時期
アロマティカスを増やすのに適した時期は、生育がさかんになる春から秋にかけての暖かい時期です。
特に気温が上がり始める春は、その後ぐんぐん生長するため発根や活着がスムーズで、最もおすすめの時期です。
剪定の適期とも重なるので、切り戻しで切り取った茎をそのまま挿し木や水挿しに使うと効率的です。
一方で、次の時期は失敗しやすいため避けましょう。
- 真夏:高温多湿で蒸れやすく、切り口が傷みやすい
- 冬:寒さに弱いアロマティカスは生長が止まり、発根しにくいうえ枯れやすい
梅雨どきも蒸れに注意が必要ですが、湿度があるぶん発根自体は進みやすい時期です。風通しのよい場所で管理すれば問題なく増やせます。
挿し木(挿し芽)で増やす方法
挿し木は、切り取った茎を土に挿して発根させる、最も一般的で確実な増やし方です。
剪定したばかりの元気な茎を使うと成功率が高まります。
挿し木で用意するもの
挿し木には、以下のものを用意します。
- 切れ味のよい清潔なハサミ
- 赤玉土(小粒)や挿し木用の土など、肥料の入っていない清潔な土
- 小さめの鉢やポット
- (あれば)発根促進剤
挿し木に使う土は、肥料分が入っていない清潔なものを選ぶのがポイントです。肥料が入った土だと、発根前の切り口が傷みやすくなります。
挿し木の手順
挿し木は、以下の手順で行います。
- 元気な茎の先端を5〜10cmほど切り取る。
- 下のほうの葉を取り除き、先端に3〜4枚ほど葉を残す。
- 切り口を斜めに切り直して、水を吸う面積を広げる。
- (発根促進剤を使う場合は、このとき切り口につける。)
- 土に割り箸などで穴をあけ、葉を取り除いた節の部分が埋まるように茎を挿す。
- たっぷりと水やりをして、直射日光の当たらない明るく風通しのよい場所に置く。
アロマティカスは茎の節から根を出すので、葉を落とした節を土に埋めるのが発根のコツです。
発根までの管理と日数
挿し木をしたあとは、土が乾かないように水やりをして管理します。
土に挿した場合は、おおむね1〜2週間で根が伸びてきます。新しい葉が動き出したら発根のサインです。
軽く引いてみて抵抗を感じるようになれば、根が張ってきた証拠なので、その後は通常の育て方に切り替えていきます。
水挿し(水耕)で増やす方法
水挿しは、茎を水に挿して発根させる方法です。根が伸びる様子が目で見えるので、初心者の方や、お子さんと一緒に楽しみたい方にもおすすめです。
水挿しで発根させてから土に植えることを「水挿し」と呼びますが、そのまま水耕栽培として育て続けることもできます。
水挿しの手順
水挿しは、以下の手順で行います。
- 元気な茎の先端を5cmほど切り取る。
- 水に浸かる部分の下葉を取り除く(葉が水に浸かると腐りやすいため)。
- コップや小瓶に水を入れ、茎の節が水に浸かるように挿す。
- 直射日光の当たらない明るい場所に置く。
水は清潔に保つことが大切なので、3〜5日に1回程度は新しい水に取り替えましょう。水が汚れると発根しにくくなったり、切り口が傷んだりします。
発根までの日数と発根後の管理
水挿しでは、うまくいけば1〜2週間ほどで根が出てきます。
根がある程度伸びたら、次のいずれかの方法で育てていきます。
- 土に植え替える:水はけのよい土に植え、通常の鉢植えとして育てる。
- ハイドロカルチャーにする:ハイドロボールやゼオライトなどの人工石を使って育てる。土を使わないので室内でも清潔。
- そのまま水耕で楽しむ:インテリアとして水に挿したまま育てる。根の3分の1〜2分の1ほどが水に浸かる水位を保つ。
発根促進剤を使うと発根しやすい
アロマティカスは生育期であれば水だけでも発根しますが、発根を早めたい場合や、太く丈夫な根を出したい場合は発根促進剤が役立ちます。
液体タイプの植物活力素などを、水替えのときに加えると効果的です。発根促進剤は必須ではありませんが、初めてで失敗が不安な方は使っておくと安心です。
株分けで増やす方法
株分けは、大きく育った株を複数に分けてそれぞれを別の鉢に植え替える方法です。一度にしっかりした株を増やせるのがメリットです。
株分けの適期と手順
株分けは、植え替えと同時に行うのが効率的です。適期は植え替えと同じく、春か秋の暖かい時期です。
株分けは、以下の手順で行います。
- 株分けの前に水やりを控え、土を乾かし気味にしておくと作業しやすい。
- 鉢から株を抜き取り、根鉢を軽くほぐす。
- 茎と根が均等につくように、手で2〜3株に分ける。手で分けにくい場合は、清潔なハサミで切り分ける。
- それぞれを、新しい水はけのよい土を入れた鉢に植え付ける。
- たっぷりと水やりをして、しばらくは直射日光を避けた明るい場所で管理する。
株分けの注意点
株分けをするときは、株元が木質化して硬くなった古い部分は避け、新しい元気な茎と根がついた部分を選んで分けましょう。
木質化が進んだ株は、株分けよりも、柔らかい茎を使った挿し木で新しく仕立て直すほうがきれいに育ちます。
葉挿しで増やす方法
アロマティカスは、葉を1枚使う「葉挿し」でも増やすことができます。
剪定で出たわずかな葉も無駄にしたくない方や、少ない材料でじっくり増やしたい方におすすめの方法です。
葉挿しは、以下のように行います。
- 健康な葉を、付け根の部分から清潔なハサミで切り取る。
- 小さな器に水を入れ、葉の付け根が水に浸かるように挿す。
- 水は清潔に保ち、こまめに取り替える。
- 直射日光を避けた明るい場所で管理する。
葉挿しは、茎を使う挿し木や水挿しに比べて発根に時間がかかり、根が出るまで3〜4週間ほどかかることがあります。
すぐに確実に増やしたい場合は挿し木や水挿しのほうが向いていますが、葉挿しは少ない材料で楽しめるので、余った葉の活用法として試してみると良いでしょう。
摘心(てきしん)で株をこんもり茂らせる
「増やす」とは少し違いますが、株を充実させてボリュームを出したいときに役立つのが摘心(てきしん)です。
摘心とは、伸びてきた枝の先端の芽を摘み取る作業のことです。先端を摘むと、その下から脇芽が伸びて枝数が増え、こんもりとした株姿になります。
摘み取った先端の芽は、捨てずにそのまま挿し木や水挿しに使えるので、株を整えながら新しい株も増やせて一石二鳥です。植え付けのタイミングで摘心しておくのもおすすめです。
アロマティカスが増えない・発根しないときの原因と対策
挿し木や水挿しをしてもなかなか根が出ないときは、以下のような原因が考えられます。
- 時期が適切でない:真夏や冬に行うと発根しにくい。春〜秋の暖かい時期に行う。
- 使った茎や葉が弱っている:木質化した古い茎ではなく、元気な新しい茎を選ぶ。
- 水が汚れている:水挿しでは水をこまめに替えて清潔に保つ。
- 水位が高すぎる・葉が水に浸かっている:節だけが浸かるようにし、葉は水に入れない。
- 日照や置き場所が不適切:直射日光を避けつつ、明るく風通しのよい場所に置く。
これらを見直したうえで、発根が不安な場合は発根促進剤を使うと、根が出やすくなります。
また、発根を待つ間に切り口が黒く傷んでしまった場合は、その部分を清潔なハサミで切り直してから、新しい水や土でやり直すと良いでしょう。
増やしたあとの育て方・管理のポイント
発根して根付いたアロマティカスは、基本の育て方で管理していきます。ポイントは以下のとおりです。
- 日当たり:日光を好むので、明るい場所に置く。日照不足だと茎が伸びて徒長しやすい。
- 水やり:多肉質で乾燥に強いので、土が乾いたらたっぷり与える程度に控えめにする。
- 風通し:蒸れに弱いので、風通しのよい環境を保つ。茂りすぎたら剪定する。
- 寒さ対策:寒さに弱いので、冬は10℃以上を保てる室内で管理する。
土づくりや鉢の選び方、室内での育て方など、栽培の詳しい手順については別記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
なお、増やしているうちに株が増えすぎてしまった場合の対処法や、切り取った葉の活用法については、別記事でまとめています。こちらもあわせてご覧ください。
まとめ:アロマティカスの増やし方のポイント
アロマティカスの増やし方のポイントは、次のとおりです。
- 増やし方は「挿し木・水挿し・株分け・葉挿し」の4つ。種ではほぼ増やせない。
- 適期は春〜秋の暖かい時期。特に春がおすすめで、剪定した茎をそのまま使うと効率的。
- 挿し木・水挿しは、元気な茎の節を土や水に挿し、清潔に保つことが成功のコツ。
- 発根しないときは、時期・茎の状態・水の清潔さ・置き場所を見直す。
- 摘心を取り入れると、株をこんもり茂らせながら新しい株も増やせる。
アロマティカスは繁殖力が強く、コツさえつかめば失敗しにくい植物です。
剪定で出た茎や葉を活かして、爽やかな香りのアロマティカスをどんどん増やして楽しんでみてくださいね。