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パイナップルセージの使い方|料理・飲み物・香りの楽しみ方と「虫除け」の真偽

2024年6月1日

パイナップルセージは、葉を揉むとパイナップルのような甘くフルーティな香りが立つ、シソ科サルビア属のハーブです。正式には学名 Salvia elegans と呼ばれ、メキシコを原産とします。秋から晩秋にかけて鮮やかな赤い筒状の花を咲かせ、香りと花姿の両方を楽しめるのが魅力です。

香りを活かして料理や飲み物に使えるほか、赤い花は料理の彩りにもなり、庭やベランダでの観賞用としても親しまれています。

この記事では、パイナップルセージの使い方を、料理・飲み物・香りの楽しみ方・観賞の順にご紹介します。あわせて、「虫除けになる」と言われることについて、その真偽もできるだけ正直に整理します。寒冷地でハーブを育てている筆者の経験から、霜に弱いこのハーブの冬越しのコツもお伝えします。

パイナップルセージとは

パイナップルセージは、メキシコ原産のシソ科サルビア属の多年草です。学名の「elegans(エレガンス)」は「優雅な」という意味で、すらりと伸びた草姿と鮮やかな花にちなみます。

最大の特徴は、葉に触れたり揉んだりしたときに漂う、パイナップルを思わせる甘い香りです。この香りのもとは葉に含まれる精油で、酢酸エチルなどの芳香成分が主体とされています。実際のパイナップルとは香りの成分そのものは異なりますが、よく似た甘さを感じられるのが面白いところです。

草丈は1〜1.5mほどに育つ大型のハーブで、秋が深まる頃に真っ赤なチューブ状の花を穂状に咲かせます。葉がライム色になる品種もあり、春から夏は葉色と香りを、秋は花を、と長い期間楽しめます。

パイナップルセージの使い方

香りと彩りを活かして、料理から飲み物、香りの楽しみ方まで、さまざまな使い方ができます。

料理に使う

パイナップルセージの甘くフルーティな香りは、料理にさわやかなアクセントを添えてくれます。

刻んだ葉をサラダに散らすと、香りと彩りが楽しめます。フルーツとの相性がよく、フルーツポンチやヨーグルト、デザートに添えるのもおすすめです。肉料理や魚料理では、マリネやグリルにひとつまみ加えると、ほんのり甘い風味が味わいを引き立てます。刻んだ葉をバターやオリーブオイルに混ぜたハーブバター・ハーブオイルにすれば、パンに塗ったり料理にかけたりと使い道が広がります。

鮮やかな赤い花は、サラダやデザートの飾りとして食用に使えます。料理に華やかな彩りを添えたいときに重宝します。

なお、コモンセージのような強い苦みはありませんが、香りはしっかりしているので、まずは少量から加えて好みの量を見つけるとよいでしょう。

パイナップルセージのフルーツサラダ

材料:

  • パイナップルセージの葉 5〜6枚
  • お好みのフルーツ(パイナップル、オレンジ、ベリーなど) 適量
  • ヨーグルトまたはレモン汁 適量

作り方:

  1. フルーツを食べやすい大きさに切り、器に盛る。
  2. パイナップルセージの葉を細かく刻む。
  3. フルーツに刻んだ葉を散らし、ヨーグルトやレモン汁をかける。
  4. 仕上げに赤い花を飾ると彩りよく仕上がります。

パイナップルセージの甘い香りとフルーツがよく合う、さっぱりとした一品です。

パイナップルセージのチキンソテー

材料:

  • 鶏むね肉 200g
  • パイナップルセージの葉 8〜10枚
  • オリーブオイル 大さじ1
  • 塩・こしょう 適量

作り方:

  1. 鶏むね肉を食べやすい大きさに切り、塩・こしょうをふる。
  2. フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏むね肉を焼く。
  3. 火が通ってきたらパイナップルセージの葉を加え、さっと炒め合わせる。
  4. 器に盛り付けて完成です。

加熱すると香りがまろやかになり、鶏肉にほんのり甘い風味が移ります。

飲み物に使う

パイナップルセージは、香りを活かしてドリンクにも使えます。

人気なのが、シロップや果実酒への活用です。葉を砂糖と水で煮出してハーブシロップにすると、炭酸water割りやお菓子作りに使えます。ホワイトリカーなどに漬けて果実酒風にする楽しみ方もあります。生の葉や花を水に浮かべて、香りを移したフレーバーウォーターにするのも手軽です。

ハーブティーとして楽しむこともできますが、葉の香りが強いため、好みが分かれることもあります。気になる場合は、他のハーブとブレンドしたり、量を控えめにすると飲みやすくなります。

香りを楽しむ(ポプリ・サシェ)

乾燥させた葉や花は、ポプリやサシェ(香り袋)にして香りを楽しめます。

葉や花を日陰の風通しのよい場所でしっかり乾かし、ドライフラワーやシナモンスティック、乾燥させたオレンジの皮などと混ぜ合わせます。密閉容器にしばらく入れて香りをなじませれば完成です。お皿や瓶に盛って飾ったり、布袋に詰めてクローゼットに入れたりと、好きな香りを暮らしに取り入れられます。

ただし、パイナップルセージの葉の香りは乾燥すると弱まりやすいため、香りの主役というよりは、彩りや脇役として、香りの強い素材と組み合わせると楽しみやすいでしょう。

「虫除けになる」という説の真偽

パイナップルセージは「植えると虫除けになる」と紹介されることがあります。この点について、わかっている範囲を正直にお伝えします。

結論として、パイナップルセージ(Salvia elegans)そのものに虫除け効果があるという、信頼できる科学的な裏付けは確認できませんでした。香りの強いハーブが一般に「虫が寄りにくい」とイメージされることはありますが、それをこの植物に当てはめた確かな根拠は見当たりません。

むしろ、パイナップルセージの赤い筒状の花は、原産地ではハチドリが好む鳥媒花として知られ、日本でもチョウやハチなどの送粉者を引き寄せる蜜源植物です。つまり「虫を遠ざける」というより、花の時期にはむしろ虫が集まりやすい植物だと言えます。

このことから、確実な虫除けを目的にするのであれば、パイナップルセージに頼るのは現実的ではありません。防虫の用途には、その目的で使われる実績のあるハーブ(ゼラニウム、レモングラス、ユーカリなど)を検討することをおすすめします。パイナップルセージは、あくまで香りと花を楽しむハーブと考えるのがよいでしょう。

【寒冷地のハーブ栽培者より】パイナップルセージの冬越しのコツ

パイナップルセージは霜に弱く、寒冷地での冬越しには少しコツがいります。北海道でハーブを育てている筆者の経験から、寒い地域で枯らさずに冬を越すためのポイントをお伝えします。

地植えより「鉢植え+鉢上げ」が安心

パイナップルセージは霜や凍結に当たると傷んでしまいます。寒冷地では、はじめから鉢植えで育てておき、寒くなる前に室内へ取り込めるようにしておくのが安心です。筆者は、最低気温が一桁台になり始める頃を目安に、鉢を室内の日当たりのよい窓辺へ移しています。

取り込み前に切り戻しておく

大型に育つハーブなので、そのまま室内に入れると場所をとります。室内へ移す前に枝を半分ほどに切り戻しておくと、扱いやすく、株への負担も抑えられます。切り戻した枝は、挿し木にして翌年用の苗として残しておくこともできます。寒冷地では冬の屋外で枯れてしまうリスクがあるぶん、秋のうちに挿し木で予備の株を作っておくと安心です。

冬の室内では水やり控えめに

冬は生育がゆっくりになるので、水やりは控えめにします。土の表面が乾いてから与える程度で十分です。暖房の効いた室内は乾燥しやすいので、葉の様子を見ながら、乾きすぎない程度に管理しています。秋遅くに咲く花を、室内で長く楽しめることもあります。

まとめ:パイナップルセージは香りと花を楽しむハーブ

パイナップルセージ(Salvia elegans)は、甘くフルーティな香りの葉と、秋に咲く鮮やかな赤い花が魅力のハーブです。刻んだ葉を料理やデザートに、赤い花を彩りに、香りをシロップや果実酒に、と幅広く楽しめます。乾燥させてポプリやサシェにすれば、香りを暮らしに取り入れることもできます。

一方で、「虫除けになる」という効果については、信頼できる裏付けが確認できませんでした。むしろ花の時期には送粉者を引き寄せる植物なので、防虫を目的とするなら別のハーブを選ぶのが現実的です。

霜に弱いため寒冷地では鉢植えでの冬越しが安心です。香りと花姿を楽しみながら、暮らしのなかにこのトロピカルなハーブを取り入れてみてくださいね。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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