アロマティカスは育てるのが簡単な植物ですが、生育が非常に旺盛なので、気づくと茎が伸びて株が大きく茂りすぎたり、徒長したりしてしまいがちです。
ですが、増えすぎても心配はいりません。アロマティカスは切り戻し(剪定)でいつでもコンパクトに仕立て直せますし、切り取った葉もハーブティーや料理、ポプリなどに無駄なく活用できます。
この記事では、アロマティカスが増えすぎた時の切り戻しの方法と、切った葉の活用法、そして増やしすぎないための育て方のコツをご紹介します。木質化を防ぐ方法や花の咲かせ方も解説しますので、アロマティカスの魅力を存分に楽しむために、ぜひ参考にしてください。
アロマティカスが増えすぎる理由
アロマティカスが増えすぎてしまうのは、主に以下の理由によるものです。
- 生育が非常に旺盛で茎がどんどん伸びるため
- 挿し木が簡単で増やしやすいため
- 地面に触れた茎から発根して横に広がるため
それぞれの理由についてもう少し詳しくお伝えしていきます。
生育が非常に旺盛で茎がどんどん伸びるため
アロマティカスはシソ科プレクトランサス属の多肉質なハーブで、暖かい時期は驚くほど勢いよく生長します。
茎が次々と伸びて葉を茂らせるため、放っておくとあっという間に株が大きくなり、鉢からあふれるように茂ってしまいます。
なお、アロマティカスはシソ科では珍しく、めったに花を咲かせず種子もほとんどできません。そのため「種が飛んで自然に発芽してあちこちに増える」ということは基本的にありません。増えすぎるのは、あくまで株自体が旺盛に茂るためです。
挿し木が簡単で増やしやすいため
アロマティカスは繁殖力が強く、伸びた茎を切って水や土に挿すだけで簡単に発根します。
剪定した茎を捨てずに挿し木していると、すぐに鉢がいっぱいになるほど増えていきます。育てやすく増やしやすい反面、「思ったより増えすぎた」という声が多いのはこのためです。
地面に触れた茎から発根して横に広がるため
アロマティカスは茎が這うように広がる性質(匍匐性)を持っています。
地植えにしたり、鉢から垂れた茎が地面や土に触れたりすると、その節から根を出して新しい株のように広がっていきます。
特に地植えにすると、こまめに管理しないとどんどん範囲が広がってしまうため、増えすぎを防ぎたい場合は鉢植えでの管理がおすすめです。
アロマティカスが増えすぎた時の対処法|切り戻し・剪定
アロマティカスが増えすぎてしまった時は、切り戻し(剪定)でコンパクトに仕立て直すのが最も確実な対処法です。
切り戻しには、茂りすぎた株姿を整えるだけでなく、風通しをよくして蒸れを防いだり、木質化した茎を更新して香りを保ったりする効果もあります。
切り戻し・剪定の適期
アロマティカスの切り戻しは、春から秋にかけての暖かい時期が適しています。
特に気温が上がり始める春は、その後の生長がさかんになるため、切り戻し後の回復もスムーズです。
一方、寒さに弱いアロマティカスは、冬に大きく切り戻すと回復が遅れたり、そのまま枯れてしまったりすることがあります。冬場は軽く整える程度にとどめましょう。
切り戻し・剪定の方法
切り戻し・剪定は、以下のような手順で行います。
- 剪定の数日前から水やりを控えて、土を乾かし気味にしておく。
- 切れ味のよい清潔なハサミを用意する。
- 伸びすぎた茎や木質化した茎を中心にカットする。
- カットするときは「新しい脇芽の少し上」で切るのがポイント。こうすると、その脇芽から新しい葉が伸びて、こんもりと茂りやすくなる。
- 脇芽が見当たらない場合は、根元の葉を数枚残して、その上をカットする。
- 剪定後は風通しと日当たりのよい場所に置き、水やりは土が乾いたらたっぷりと与える。
大胆に切り戻しても、適期であれば1か月ほどで再び葉が茂ってきます。思い切って整えても問題ありません。
増えすぎて切り取った葉の活用法・処分法
切り戻しで出た大量の葉や茎は、捨ててしまうのはもったいないので、ぜひ活用しましょう。アロマティカスはミントに似た爽やかさとオレガノのような風味を併せ持つので、さまざまな使い道があります。
ハーブティーにする
摘み取った葉を熱湯に入れるだけで、爽やかな香りのハーブティーが楽しめます。
はちみつを少し加えると飲みやすくなり、リラックスタイムにぴったりです。
料理の香りづけに使う
細かく刻んで肉や魚料理、スープ、豆料理などの香りづけに使えます。
ペーストにしてソースに加えたり、ドリンクやサラダに少量混ぜたりするのもおすすめです。葉に厚みがあり油分が多いので、乾燥には向きませんが、フレッシュなまま使うと風味が引き立ちます。
ポプリ・芳香剤にする
小皿に葉を乗せて部屋に置くだけで、自然な芳香剤になります。乾燥させてポプリにするのもよいでしょう。
トイレやキッチンなど、においが気になる場所に置くと消臭効果も期待できます。
入浴剤にする
葉や茎をネットなどに入れて湯船に浮かべれば、爽やかな香りのリラックスできるバスタイムになります。
挿し木で増やして譲る
切り取った元気な茎は、挿し木にすれば簡単に新しい株になります。増えた株は、ハーブ好きの友人や知人に譲るのもおすすめです。
このように、増えすぎて切り取った葉や茎は、捨てずにさまざまな形で暮らしに活かすことができます。
アロマティカスを増やしすぎないための予防策
増えすぎてから対処するだけでなく、あらかじめ増やしすぎないように管理しておくと、こまめな切り戻しの手間が減ります。
地植えではなく鉢植えで育てる
アロマティカスは地植えにすると、這った茎が発根してどんどん範囲を広げてしまいます。
増えすぎを防ぎたい場合は、鉢植えやプランターで育てるのがおすすめです。鉢植えなら寒い季節に室内へ取り込みやすく、管理もしやすくなります。
こまめに収穫を兼ねて切り戻す
増えすぎてから一気に切るのではなく、ふだんから収穫を兼ねてこまめに切り戻しておくと、株がコンパクトに保てます。
葉が3〜4枚残る程度の位置で全体をカットし、収穫した葉を料理やお茶に使えば、株姿を整えながらアロマティカスを楽しめます。
アロマティカスを木質化させない方法
木質化とは、生長するにつれて株元の茎が茶色く硬化してしまうことを言いますが、アロマティカスも木質化を起こすハーブです。
木質化した部分は脇芽が出にくくなり香りも弱くなってしまうので、以下の対策を行って木質化を防いでおくと良いでしょう。
1.こまめに剪定する
剪定すると新しい葉や茎が出やすくなり、栄養分が分散されます。剪定した部分は挿し木で増やすこともできます。
2.日当たりのよい場所に置く
日光が不足すると茎が伸びて木質化しやすくなります。日当たりのよい室内の窓際やベランダなどが適しています。
3.水やりを控えめにする
水やりが多すぎると、根腐れの原因になります。土が乾いたらたっぷりと水を与える程度にしましょう。
4.肥料を与えすぎない
肥料を与えすぎると、葉が茂って木質化しやすくなります。基本的に肥料は少なめで十分で、あげる場合は液体肥料を2か月に1回程度与えましょう。
木質化したらどうするべきか
木質化してしまったアロマティカスは、挿し芽で増やして新しい株を作ると良いでしょう。
アロマティカスは挿し芽で簡単に増やせるので、定期的に株を新しくしていくのがおすすめです。
また、もしも木質化した部分をそのまま残したい場合は、根詰まりを起こしていないか確認しておくと良いです。根詰まりが疑われる場合は、暖かい時期に植え替えるか、挿し芽で育て直すとよいでしょう。
意図してアロマティカスを増やしたい場合は?
ここまで増えすぎたときの対処をお伝えしましたが、反対に意図してアロマティカスを増やしたい場合もあるでしょう。
アロマティカスはめったに種子をつけないため、種から増やすのは現実的ではなく、挿し芽(挿し木)と株分けで増やすのが基本です。切り戻しで切り取った元気な茎を使えば、簡単に新しい株を作ることができます。
挿し芽・株分けの具体的な手順や、水耕栽培での発根、根が出ないときの原因と対策などについては、別記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
アロマティカスの基本の育て方
アロマティカスの基本的な育て方は、日当たりと風通しのよい場所に置き、土が乾いたらたっぷり水を与えるのが基本です。乾燥には強い一方で蒸れと寒さに弱いため、夏は風通しに気をつけ、冬は10℃以上の室内で管理しましょう。
土づくりや鉢の選び方、室内での育て方、植え替え、水耕栽培、花の咲かせ方など、栽培の詳しい手順については別記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。
まとめ:アロマティカスが増えすぎた時の対処法と予防のポイント
アロマティカスが増えすぎてしまっても、慌てる必要はありません。ポイントは次のとおりです。
- 増えすぎたら、春〜秋の暖かい時期に切り戻し(剪定)で仕立て直す。
- 切るときは「新しい脇芽の少し上」で切ると、その後こんもり茂りやすい。
- 切り取った葉は、ハーブティー・料理・ポプリ・入浴剤などに活用できる。
- 増やしすぎたくない場合は、地植えを避けて鉢植えで管理し、こまめに収穫を兼ねて切り戻す。
アロマティカスを育てるのはそれほど難しくありませんが、増えすぎたときの対処だけでなく、木質化を防ぐ方法や冬越しの方法などもご紹介しました。これからアロマティカスを育ててみたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
