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ラベンダーの地植えの注意点|植えてはいけない理由と枯らさないコツ

2024年6月12日

ラベンダーは、香り高く可愛らしい花を咲かせる人気のハーブです。

ガーデニングはもちろん、アロマテラピーやドライフラワーなど楽しみ方が幅広く、自宅の庭で育ててみたいという方は多いのではないでしょうか。

一方で「ラベンダーは地植えで植えてはいけない」と言われることもあり、難しそうと感じて踏み出せない方もいるかもしれません。しかし、ラベンダーが地植えで枯れてしまう原因のほとんどは、品種選び・土づくり・剪定のポイントを外していることにあります。逆に言えば、これらの注意点さえ押さえれば、初心者でも地植えで毎年花を楽しむことは十分に可能です。

この記事では、ラベンダーを地植えする際の注意点を、「植えてはいけない」と言われる理由・品種選び・土づくり・植え付け時期・剪定・夏越しと冬越し・病害虫対策まで、順を追って網羅的に解説します。

ラベンダーとは

ラベンダー畑

ラベンダーは、シソ科ラヴァンドゥラ属の常緑低木(多年草として扱われます)で、優雅な紫色の花穂と芳香で広く知られています。

原産地は地中海沿岸地域で、現在は世界中で観賞用や香料用に栽培されています。

その特徴的な香りはリラックスに役立つとされ、精油として抽出されるほか、ドライフラワーやポプリ、香り袋などにも利用されます。料理に使われることもあり、ラベンダーシュガーやハーブティーとして独特の風味を楽しむこともできます。

ラベンダーは日当たりと水はけのよい環境を好み、原産地の気候に近い乾燥した場所でよく育ちます。品種も豊富で、イングリッシュラベンダーやフレンチラベンダーなど、それぞれ耐寒性・耐暑性に違いがあります。日本で地植えする際は、この品種ごとの性質を理解することが成功の第一歩となります。

ラベンダーを「植えてはいけない」と言われる4つの理由

地植えしたラベンダー

ラベンダーが「植えてはいけない」と言われる主な理由は、次の4つです。

  1. 植え替えに弱く移植を嫌うから
  2. 木質化して株が傷みやすいから
  3. 日本の高温多湿に弱いから
  4. 他の植物の生育に影響することがあると言われるから

いずれも「正しく育てれば回避できる」性質です。それぞれ補足していきます。

植え替えに弱く移植を嫌うから

ラベンダーは直根性で根が深くまで伸びるため、植え替え時に根を傷つけてしまいがちです。

根が傷つくと回復しにくく、そのまま枯れてしまうこともあるため、一度植えたら動かさないのが基本です。「移植に弱い=後から場所を変えにくい」ことが、気軽に庭に植えてはいけないと言われる一因になっています。地植えにする際は、生長後の株のボリュームを見込んで、最初に植える場所をしっかり決めることが大切です。

木質化して株が傷みやすいから

木質化とは、茎が木のように硬くなり、その部分から新しい芽や葉が出にくくなる現象のことです。木質化が進むと花付きが悪くなり、株の中心が蒸れて枯れやすくなるため、観賞価値が下がってしまいます。

木質化は、剪定を怠ったり、風通しの悪い環境で育てたりすると進みやすくなります。定期的な剪定で防げるため、後述する剪定のポイントを押さえておきましょう。

日本の高温多湿に弱いから

地中海沿岸が原産のラベンダーは、乾燥した気候と水はけのよい土壌を好みます。

そのため、梅雨から夏にかけて高温多湿になる日本の気候は、ラベンダーにとって苦手な環境です。特に蒸れによる根腐れや株枯れが、地植え失敗の最も多い原因となります。これは品種選びと土づくり、剪定で対策できるため、難しい植物というより「環境を整えれば育つ植物」と捉えるとよいでしょう。

他の植物の生育に影響することがあると言われるから

ラベンダーは、根や葉から他の植物の生育に影響を与える成分を出す、いわゆるアレロパシー(他感作用)を持つ可能性が指摘されることがあります。

ただし、これはラベンダー栽培における主要な問題ではなく、影響の程度も明確に確立されているわけではありません。地植えで枯れる主な原因はあくまで高温多湿や水はけの悪さです。気になる場合は、近くに植える植物との間隔を十分にとるか、後述する相性の良いハーブと組み合わせるとよいでしょう。

ラベンダーの地植えで注意すべき3つのポイント

ラベンダーは、適切な環境と管理があれば地植えでも問題なく栽培できます。

地植えで失敗しないために、特に重要な注意点は次の3つです。

  1. 地域の気候に合った品種を選ぶ
  2. 水はけのよい土壌を用意する
  3. 日当たりと風通しのよい場所に植える

それぞれ詳しく見ていきます。

地域の気候に合った品種を選ぶ

ラベンダーを地植えで成功させる最大のコツは、お住まいの地域の気候に合った系統を選ぶことです。系統によって耐寒性・耐暑性が大きく異なるためです。

主な系統・品種 特徴と向いている地域
イングリッシュラベンダー(アングスティフォリア系) 香りの質が高く、耐寒性が強い。寒さに強い一方で高温多湿に弱いため、寒冷地〜中間地の地植えに向く。
ラバンディン系 イングリッシュとスパイクの交雑種。比較的丈夫で育てやすく、暑さにもやや強いため幅広い地域で栽培しやすい。
フレンチラベンダー(ストエカス系) 花の上に「うさぎの耳」のような苞を持つ。暑さに比較的強い反面、寒さにはやや弱いため、暖地での地植えに向く。
スパイクラベンダー(ラティフォリア系) 花穂が長く、比較的耐暑性がある。暖かい地域でも育てやすい。

おおまかな目安として、寒冷地ではイングリッシュ系、暖地ではフレンチ系やラバンディン系を選ぶと夏越し・冬越しが安定しやすくなります。

水はけのよい土壌を用意する

ラベンダーは過湿を嫌うため、地植えでは水はけのよい土づくりが欠かせません。土づくりの詳しい方法は後述しますが、植え付け前の土壌改良が地植え成功の鍵を握ります。

日当たりと風通しのよい場所に植える

ラベンダーは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日照不足や蒸れは枯れる原因に直結するため、植える場所選びは慎重に行いましょう。

次の項では、避けるべき場所を具体的に解説します。

ラベンダーを地植えで植えてはいけない場所

ラベンダーは日当たりと風通しを好む植物です。そのため、以下のような場所に地植えすると生育不良を起こしやすくなります。

  • 日当たりの悪い場所
  • 湿気がこもりやすい場所
  • 風通しが悪い場所

それぞれ詳しく見ていきましょう。

日当たりの悪い場所

ラベンダーは日当たりのよい場所を好み、日照が不足すると光合成が十分に行われず、生育が遅れたり花付きが悪くなったりします。生育に適した日照時間は1日6時間以上が目安です。

また、日陰は湿気がこもりやすく蒸れの原因になります。ラベンダーは蒸れに弱く根腐れを起こしやすいため、その点からも日当たりの悪い場所は避けましょう。ただし、夏の西日が強すぎる地域では、真夏だけ半日陰になる落葉樹のそばなども選択肢になります。

湿気がこもりやすい場所

ラベンダーは乾燥を好み過湿に弱いため、水が溜まりやすい場所や湿度の高い場所への地植えは適しません。過湿は根腐れを招き、最悪の場合は株枯れにつながります。

特に日本の梅雨〜夏は高温多湿になるため注意が必要です。水はけの悪い土地では、土を盛って高く植える「高植え」にしたり、川砂や軽石で排水性を高めたりする工夫が有効です。

風通しが悪い場所

風通しが悪いと株が蒸れて病気にかかりやすくなります。特に水はけの悪い土壌では、風通しの悪さが根腐れのリスクをさらに高めます。

建物の壁際や他の植物が密集している場所、空気が滞りやすい場所は避けましょう。植え付けの際は株間を30cm以上あけ、風が通り抜けるようにすることが大切です。

失敗を防ぐ!ラベンダーの地植えの土づくり

ラベンダーの地植えで枯れる原因の多くは、土の水はけと酸度(pH)にあります。日本の土壌は雨が多く酸性に傾きがちなため、ラベンダーが好む環境に整える土壌改良が重要です。

土づくりのポイントは次の3つです。

  • 水はけをよくする
  • 酸性土壌を中和する
  • 高植えにする

水はけをよくする

植え付け前に土を深く耕し、川砂・パーライト・軽石などを混ぜ込んで排水性を高めます。粘土質で水が抜けにくい土地では、特に念入りに改良しておきましょう。

酸性土壌を中和する

ラベンダーは中性〜弱アルカリ性の土壌を好みます。日本の庭土は酸性に傾いていることが多いため、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜ込み、土を中和しておくと生育が安定します。

高植えにする

水はけをさらによくするために、周囲よりも土を高く盛って植える「高植え」がおすすめです。株元に水が溜まりにくくなり、蒸れや根腐れの予防になります。

なお、初めてラベンダーを育てる方や、梅雨の長雨が心配な地域の方は、気候に合わせて移動できる鉢植えから始めるのも一つの方法です。地植えと鉢植えの特性を踏まえて選ぶとよいでしょう。

ラベンダーの地植えの植え付け時期

ラベンダーの植え付けに適した時期は、春の4〜5月、または秋の10月ごろです。

春に植え付けると根が張ってから夏を迎えられるため、夏越しがしやすくおすすめです。暖地では、夏の暑さを避けて秋に植え付けるほうが安定して根づく場合もあります。お住まいの地域の気候に合わせて選びましょう。

真夏や真冬の植え付けは株に負担がかかるため避けるのが無難です。

ラベンダーの地植えで失敗しないための育て方4つのポイント

土づくりと植え付けが済んだら、日々の管理が大切になります。地植えのラベンダーを健康に保つポイントは次の4つです。

  • 水を与えすぎない
  • 相性のよい植物と組み合わせる
  • 適切な時期に剪定する
  • 夏越し・冬越しに備える

それぞれ補足していきます。

水を与えすぎない

ラベンダーは過湿を嫌うため、水のやりすぎは根腐れの原因になります。

地植えで根づいた成株は、基本的に降雨だけで足り、特別な水やりはほとんど必要ありません。植え付け直後の根づくまでの期間や、真夏に極端な乾燥が続くときだけ、土の表面が乾いてから水を与えれば十分です。水やりの際は、蒸れを防ぐために葉や花に直接水がかからないよう株元に与えましょう。

なお鉢植えの場合は土が乾きやすいため、土の表面が乾いたらたっぷり与える管理が必要です。地植えと鉢植えで水やりの考え方が異なる点に注意してください。

相性のよい植物と組み合わせる

ラベンダーは、生育環境の似た植物と組み合わせると管理がしやすくなります。特に同じ地中海原産のハーブは、乾燥を好み水やりの頻度も近いため一緒に育てやすい組み合わせです。

ラベンダーと相性のよい植物には次のようなものがあります。

  • ローズマリー
  • タイム
  • セージ
  • オレガノ

これらはいずれも乾燥した環境を好むため、水やりや土の管理をまとめやすいのが利点です。ただし、それぞれが十分に育つよう、30cm以上の間隔をあけて植えましょう。

適切な時期に剪定する

剪定は、株の風通しをよくして蒸れを防ぎ、木質化を遅らせるために欠かせない作業です。

特に重要なのが、梅雨入り前の切り戻しです。花が終わったタイミングで全体を1/2〜2/3ほどに刈り込んでおくと、株が蒸れにくくなり、日本の夏を乗り切りやすくなります。春先には枯れ枝や混み合った枝を整理する軽い剪定を行うとよいでしょう。

なお、ラベンダーをほったらかしで育てたい方はこちらのページをご参照ください。

夏越し・冬越しに備える

ラベンダーの地植えでは、苦手な夏と、品種によって注意が必要な冬の管理がポイントになります。

夏越しでは、前述の梅雨前の剪定で風通しを確保し、株が蒸れないようにすることが最も重要です。地面の照り返しが強い場所では、株元に腐葉土やバークチップを敷いて地温の上昇をやわらげるのも効果的です。

冬越しは品種によって対応が分かれます。耐寒性の高いイングリッシュ系は寒冷地でも戸外でほぼ問題なく越冬できますが、寒さにやや弱いフレンチ系は、寒冷地では株元を腐葉土やワラで覆う防寒対策をしておくと安心です。

ラベンダーの病害虫対策と予防法

丈夫なラベンダーですが、環境によっては病害虫が発生することもあります。美しい状態を保つために、基本的な対策を知っておきましょう。

ラベンダーによく見られる病害虫と対策

ラベンダーで見られる代表的な病害虫と対策は次のとおりです。まずはよく観察し、種類と被害状況を把握することが適切な対処の第一歩です。

アブラムシ 新芽や花芽に群がって汁を吸う害虫。見つけたら早めに取り除くか、薬剤を散布して対処します。
カイガラムシ 茎や葉に付着して養分を吸う害虫。殻に覆われていて薬剤が効きにくいため、ブラシなどで物理的に取り除くのが効果的です。
ハダニ 乾燥した環境で発生しやすく、繁殖すると葉色が悪くなり株が弱ります。葉に水を吹きかける「葉水」で予防できますが、株元の過湿には注意しましょう。

ラベンダーの病害虫の予防法

病害虫の予防には、ラベンダーが健康に育つ環境を整えることが何より重要です。

十分な日当たりと風通しを確保し、株が蒸れないように剪定で整えておきましょう。日頃からこまめに観察し、害虫を見つけたら早めに対処することで、被害を最小限に抑えられます。特に、虫の活動が活発になる暖かい季節を迎える前に、株まわりを整理しておくと安心です。

ラベンダーの地植えに関するよくある質問

ラベンダーを地植えするとどうなりますか?

品種選び・土づくり・剪定のポイントを押さえれば、地植えでも毎年花を楽しめます。一方で、水はけの悪い場所や風通しの悪い場所に植えると、蒸れや根腐れで枯れやすくなります。地植えは一度植えると移植しにくいため、最初の場所選びと土づくりが特に重要です。

ラベンダーは植えっぱなしでも大丈夫ですか?

完全な放任はおすすめできません。剪定をせずに放置すると木質化が進み、蒸れて枯れやすくなります。特に梅雨前の切り戻しは欠かせません。逆に、年に数回の剪定さえ行えば、手間をかけすぎなくても長く育てられます。

初心者は地植えと鉢植えのどちらがよいですか?

気候に合った品種を選べば地植えでも育てられますが、梅雨や夏の蒸れが心配な地域では、季節に応じて場所を移動できる鉢植えのほうが管理しやすい場合があります。まず鉢植えで性質に慣れてから地植えに挑戦するのもよい方法です。

まとめ:ラベンダーの地植えの注意点と植えてはいけない理由

ラベンダーは地中海沿岸原産の美しい香りを持つハーブですが、日本で地植えする際にはいくつか注意点があります。

「植えてはいけない」と言われる主な理由は、移植に弱いこと、木質化しやすいこと、高温多湿に弱いこと、そして他の植物に影響することがあると言われることの4つです。いずれも、品種選びと土づくり、剪定で対策できます。

地植えを成功させるポイントは、地域の気候に合った品種を選ぶこと、水はけのよい土に高植えすること、日当たりと風通しのよい場所に植えること、そして梅雨前の剪定で蒸れを防ぐことです。水やりは地植えの成株なら基本的に不要で、過湿を避けることが根腐れ防止の最大のコツです。

これらの注意点を押さえれば、初心者でも地植えで毎年美しい花と芳醇な香りを楽しめます。ぜひお庭でラベンダー栽培に挑戦してみてください。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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