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スイートマジョラムの育て方|種まき・冬越し・剪定のコツを初心者向けに解説

2024年5月24日

スイートマジョラム(Origanum majorana)は、オレガノの仲間で、甘くスパイシーな香りがするシソ科のハーブです。

料理の風味付けやハーブティーに利用できるだけでなく、花言葉が「常に幸福」という素敵な植物なので、自宅で育ててみたいという方も多いでしょう。

丈夫で初心者にも育てやすい性質がありますが、高温多湿に弱いことと、冬越し(耐寒性)に少し注意が必要です。また、種まきのほか挿し木や株分けで増やせるので、少しずつ数を増やしながら楽しめるのも魅力です。

この記事では、スイートマジョラムの育て方や栽培方法を詳しく解説します。種まきや冬越し、鉢植えでの栽培方法などについて、ぜひ参考にしてみてくださいね。

スイートマジョラムの基本情報

まずは、スイートマジョラムがどんなハーブなのか、基本データを確認しておきましょう。

植物名 スイートマジョラム
学名 Origanum majorana
和名・別名 マヨラナ、マジョラム、ノッテッドマジョラム
英名 Sweet marjoram、Knotted marjoram
科名・属名 シソ科 ハナハッカ属(オレガノ属)
分類 半耐寒性の多年草(寒冷地では一年草扱い)
原産地 地中海地方(キプロス・トルコなど東地中海沿岸)
草丈 20~50cm程度
開花時期 初夏~夏(おおむね6~8月頃)
花色 白、淡いピンク
耐寒性・耐暑性 耐寒性:やや弱い/耐暑性:あるが多湿に弱い

スイートマジョラムはオレガノ(Origanum vulgare)と同じハナハッカ属の近縁種です。葉には細かい産毛があり、生でも乾燥させても利用できます。

スイートマジョラムとオレガノの違い

スイートマジョラムは「マジョラム」、オレガノは「ワイルドマジョラム」とも呼ばれ、同じ属の近縁種のため混同されがちです。苗を選ぶときは、香りの違いに注意しましょう。

スイートマジョラム オレガノ(ワイルドマジョラム)
学名 Origanum majorana Origanum vulgare
香り 甘くまろやかで繊細 よりシャープで力強い
耐寒性 やや弱い 比較的強い

苗を購入する際は、「ワイルドマジョラム」表記はオレガノなので、「マジョラム」または「スイートマジョラム」の札がついたものを選ぶと安心です。

スイートマジョラム栽培に適した環境づくり

スイートマジョラムは地中海地方が原産で、日当たりがよく水はけのよい、ややアルカリ性の土壌を好みます。高温多湿や寒さに弱いので、風通しをよくして蒸れや霜を避けることが大切です。

用土づくり

庭植えの場合、土壌が酸性に傾いているときは、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰をまいて中和しておきます。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土やハーブ用培養土を使うか、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4でブレンドし、苦土石灰を少量加えた土がおすすめです。

水・肥料の与え方

乾燥気味に管理するのが基本です。庭植えの場合は、根付けばほとんど降雨だけで十分で、乾燥が続いたときにたっぷり与える程度で構いません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷり水やりをします。鉢皿に水が溜まったままにしないよう注意しましょう。

肥料は多く必要としません。与えすぎると香りが弱まったり、徒長して株が倒れやすくなったりします。植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施し、切り戻しや収穫の後に液体肥料か緩効性化成肥料を少なめに追肥する程度で十分です。

種まきの時期と方法

スイートマジョラムの種まきは、春(3月~4月)か秋(9月頃)に行います。霜が降りる可能性がある時期は、育苗箱や平鉢を使って室内で発芽させるとよいでしょう。

最大のポイントは、スイートマジョラムが好光性種子であることです。発芽に光を必要とするため、土を厚くかぶせると発芽しにくくなります。覆土はごく薄く(種が隠れるか隠れないか程度)にするのがコツです。

種まきの手順は以下のとおりです。

  1. 育苗箱や平鉢に、水はけのよい土(赤玉土の小粒や、市販の草花用・ハーブ用培養土など)を入れる。
  2. 土を平らにして、重ならないように種をまく(1cm程度の間隔を空けるとよいです)。
  3. 好光性種子なので、覆土はごく薄く。土をかけないか、ふるった土をうっすらかける程度にする。
  4. 霧吹きなどで優しく水を与え、土を湿らせる。
  5. 育苗箱や平鉢にビニールなどをかぶせて保温・保湿する。
  6. 日当たりのよい場所に置く。
  7. 土が乾いたら水やりをし、ビニールが曇ったら空気穴を開けて換気する。
  8. 1~2週間ほどで発芽するので、発芽したらビニールを外して日光に当てる。
  9. 本葉が6~8枚になったら植え替える。

種が小さく流れやすいので、水やりは霧吹きや底面給水でやさしく行うと失敗しにくくなります。

地植えの時期と方法

スイートマジョラムは、春(3月~4月)か秋(9月~10月)に地植えするのが適期です。半耐寒性なので、冬に購入した苗を植え付ける場合は、霜の心配がなくなってからにしましょう。

地植えの手順は次のとおりです。

  1. 日当たりと風通しの良い場所を選ぶ。
  2. 植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施す。
  3. 穴を掘り、苗を植える。
  4. 複数の株を植える場合は、株間を30cmほど空ける。
  5. 手で軽く土を押さえて固める。
  6. たっぷりと水やりをする。

根付いた後は、乾燥した晴天が続くときに限って水やりをする程度で十分です。

鉢植え・プランターで育てる方法

スイートマジョラムは、地植えだけでなく鉢植えやプランターでも育てられます。寒さに弱いため、冬に室内へ取り込むことを考えると、鉢植えはむしろ管理しやすい方法です。

植え付け時期は地植えと同じく、春(3月~4月)か秋(9月~10月)が適期です。ポイントを表にまとめました。

ポイント 補足
鉢・プランター選び 水はけのよい素材を選びます。サイズは6~7号鉢に1株が目安です。
用土 水はけのよい、ややアルカリ性の土を好みます。市販の草花用・ハーブ用培養土を使うほか、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4でブレンドし、苦土石灰を少量加えた土でもよいでしょう。
植え付け 鉢底に鉢底石を約2cm敷き、培養土を鉢の8分目まで入れて平らにならします。根鉢を崩さないように苗を植え付け、最後にたっぷり水を与えます。
管理 乾燥気味に管理するのが基本です。土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをします。

植え替えの時期と方法

スイートマジョラムの植え替えは、以下を目安に行います。

  • 鉢植えの場合:鉢が根でいっぱいになったら(おおむね年1回)
  • 地植えの場合:周りの植物が茂って日当たりや風通しが悪くなったら

適期は5月か9~10月で、冬越しに備えて10月までに済ませておくと安心です。基本的な手順は植え付け時と同じですが、鉢やプランターは一回り大きなものにし、新しい用土を使う点に注意しましょう。

スイートマジョラムの花が咲く時期と香り・花言葉

スイートマジョラムは、初夏から夏(おおむね6~8月頃)にかけて、白い小さな花を咲かせます。花序は苞が連なった球状で、コブのような独特の形をしています。

この花序の形から、英名は「結び目のあるマジョラム」を意味するノッテッドマジョラム(knotted marjoram)とも呼ばれます。

花言葉には「常に幸福」「恥じらい」「赤面」があります。これらは、古代ギリシャ・ローマ時代に、新婚の二人の幸福を願ってスイートマジョラムの花冠を作った風習に由来するとされ、花冠を付けた花嫁の姿が「恥じらい」「赤面」を表すと考えられています。

葉にも甘くスパイシーな香りがあり、乾燥させても香りが残るため、料理や香りを楽しむ用途に利用されます。特に料理では、肉や野菜などさまざまな食材と相性がよく、風味を引き立ててくれます。なお、葉の香りを重視して育てる場合は、花を咲かせる前に収穫すると、より香りのよい葉が得られます。

室内での育て方

スイートマジョラムは半耐寒性で、寒さにやや弱いハーブです。霜が降りるような冬は、鉢植えにして室内の窓辺で育てるとよいでしょう。

基本的な育て方は鉢・プランターでの育て方と同じですが、室内では日照不足になりやすいので、できるだけ日当たりのよい窓辺に置きます。冬でも新鮮な葉を収穫できますが、暖かい窓辺では徒長して倒れやすくなるので、こまめに収穫しながら管理しましょう。

害虫ではハダニがつくことがあります。鉢植えでは乾燥する時期に発生しやすいので、定期的に葉裏をチェックしましょう。ハダニは水に弱いため、葉裏に霧吹きで水をかける(葉水を行う)と予防・対処に効果的です。食用にするハーブなので、薬剤を使う場合は食用に適用のあるものを選び、使用方法を守って使いましょう。

剪定(摘心・切り戻し)の方法と目的・時期

スイートマジョラムは、枝葉が混み合うと蒸れや風通しの悪化を招くため、収穫を兼ねた剪定をこまめに行うのが健康に育てるコツです。よく茂った株を半分から3分の1ほど切り戻すことで、開花・結実による消耗を防ぐ効果も得られます。

摘心・切り戻しのポイントは次のとおりです。

ポイント
摘心 草丈が15cmほどに育ったら、枝先を摘み取ります。これによって左右にわき芽が伸び、株張りがよくなって収穫量も増えます。
切り戻し 梅雨入り前に、収穫を兼ねて枝を切り戻し、風通しをよくします。混み合った部分を中心に枝数を半分ほどに減らすことで、高温多湿による蒸れや枯れを防ぎます。

摘心や切り戻しは、健康的な生長と香り高い収穫のために重要な作業です。適切なタイミングと方法で行いましょう。

収穫の時期と方法

スイートマジョラムは、葉や茎、開花前の蕾を収穫して料理やアロマに利用できるハーブです。収穫時期と方法は次のとおりです。

説明
収穫時期 葉や茎は生育期を通して収穫できますが、開花直前が最も香りが高まる時期とされています。乾燥保存用には開花直前に収穫するのがおすすめです。
収穫方法 茎の長さの半分ほどの位置で切って収穫します。大株になれば、株元5cmほど残して収穫できます。まだ子株のうちは、茎を残して葉や開花前の蕾だけを優しくしごき取るように収穫するのがおすすめです。

収穫したスイートマジョラムは、生のまま使うか、乾燥させて保存できます。スイートマジョラムの使い方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。

夏越しの方法と注意点

スイートマジョラムは高温多湿の環境が苦手なハーブです。夏越しの注意点は次のとおりです。

やること ポイント
切り戻し 梅雨入り前に、収穫を兼ねて枝を切り戻して風通しをよくします。これを行わないと、高温多湿で蒸れて枯れてしまうことがあります。
鉢の移動 鉢植えの場合は、長雨の時期は雨の当たらない軒下などに移動します。真夏は強い直射日光を避けて明るい日陰に置くと、蒸れや乾燥のしすぎを防げます。
水やり 乾燥気味が基本ですが、夏は蒸発が早いので、用土の表面が乾いたら水やりをします。鉢皿に水を溜めたまま放置しないよう注意します。

耐寒性と冬越しの方法

スイートマジョラムは半耐寒性で、寒さにやや弱いハーブです。暖地では戸外での冬越しが可能ですが、その他の地域では室内に取り込むか、一年草として扱います。冬越しの方法は次のとおりです。

栽培方法 ポイント
鉢植えの場合 10月中に鉢上げして、日当たりのよい窓辺に置きます。水やりは乾かし気味にして根腐れに注意します。暖かい窓辺では徒長しやすいので、こまめに収穫しましょう。
庭植えの場合 関東地方以西では、株元をわらなどで覆うマルチングをすれば戸外で冬越しできることもあります。冬は地上部が枯れることもありますが、根が生きていれば春に新芽が動き出します。厳しい寒さには弱いため、寒冷地では一年草として扱うか、室内に取り込みます。

スイートマジョラムの増やし方

スイートマジョラムは、種まき以外にも次の2通りの方法で増やせます。

  • 挿し木で増やす方法
  • 株分けで増やす方法

それぞれの方法と適期をご紹介します。

挿し木で増やす方法と時期

挿し木の適期は5月頃です。手順は次のとおりです。

  1. 枝を5~10cmほどの長さに切る。
  2. 赤玉土(小粒)など挿し木用の土に挿す。
  3. 半日陰に置く。
  4. 根が出るまで土を乾かさないように水やりをする。

株が十分に育ったら、鉢や地面に植え替えます。

株分けで増やす方法と時期

株分けの適期も5月頃です。手順は次のとおりです。

  1. 株にナイフなどで切り込みを入れて分ける。
  2. 切り分けた株を、それぞれ鉢や地面に植え付ける。
  3. 水をたっぷり与えて根付かせる。
  4. 通常どおり管理する。

スイートマジョラムは丈夫なハーブで、多少根が傷んでも根付きやすいため、株分けはそれほど難しくありません。なお、自家採取した種から育てると、元株より香りが弱くなることがあるため、香りを保ちたい場合は挿し木や株分けがおすすめです。

スイートマジョラムのよくある質問

Q. 種が発芽しません。原因は?

スイートマジョラムは好光性種子なので、土を厚くかぶせると光が届かず発芽しにくくなります。覆土はごく薄く、または土をかけずに管理しましょう。種が小さいため、強い水やりで流れてしまっているケースもあります。霧吹きや底面給水でやさしく管理してください。

Q. オレガノとどう違いますか?

同じハナハッカ属の近縁種ですが、スイートマジョラムのほうが香りが甘くまろやかで繊細です。オレガノ(ワイルドマジョラム)はよりシャープで力強い香りを持ち、耐寒性も比較的強い傾向があります。

Q. 梅雨に弱るのを防ぐには?

高温多湿による蒸れが原因です。梅雨入り前に収穫を兼ねて切り戻し、混み合った枝を減らして風通しをよくしておきましょう。鉢植えは長雨の時期に軒下へ移動させると安心です。

Q. 香りのよい葉を収穫するコツは?

開花直前が最も香りが高まる時期とされています。また、葉の香りを重視する場合は花を咲かせないように摘み取り続けると、香りのよい葉を長く収穫できます。

まとめ:スイートマジョラムの育て方のポイント

スイートマジョラムは、日当たりと水はけのよい場所で、乾燥気味に育てるのが基本です。最後に育て方のポイントをおさらいしましょう。

  • 日当たり・風通し・水はけのよい場所で育てる。
  • 種まきは春か秋。好光性種子なので覆土はごく薄くする。
  • 水やりは乾燥気味に、肥料は控えめに。
  • 梅雨入り前の切り戻しで蒸れを防ぐのが夏越しのカギ。
  • 寒さにやや弱いので、霜よけや室内取り込みで冬越しする。
  • 挿し木・株分けは5月頃が適期。香りを保つなら種より挿し木がおすすめ。

香りや風味が豊かなスイートマジョラムは、自宅で育てれば、料理やハーブティーに使ったり、ポプリや花冠にしたりと、楽しみ方がたくさんあります。ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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