机に向かっているのに、テストの点数が上がらない。そんなお子さんの様子に、もどかしさを感じていませんか。
勉強の量が足りないのか。やり方が合っていないのか。
塾にも通わせているのに、なぜなんだろう。
そう思うのは、お子さんの頑張りが報われてほしいからこそです。上がらない理由は、勉強の量とは別のところにあることが多いのです。
この記事では、次の3つをお伝えします。
- 中学生の成績が上がらない本当の理由
- 点数を上げるにはどこから手をつけるか
- 成績が上がるまでに親にできること
書いているのは、かつて個別指導塾の教室長として800人以上の子どもたちを指導し、家では2人の子どもの父親でもある志藤 学です。
結論:上がらないのは勉強の量より「土台」と「気持ち」の問題
先に結論からお伝えします。
成績が上がらない中学生の多くは、今習っている内容を理解するための土台、つまり前に習ったことがしっかり身についていません。そして、点数が取れないことが続くうちに、どうせやっても無理、という気持ちが勉強の手を止めてしまいます。
だから、次の3つから始めてみてください。
- 土台を確かめて分かるところまで戻る
- 点数が上がりやすいところから手をつける
- 点数より先に気持ちが変わるのを待つ
この3つがなぜ大切なのかを、成績が上がらない理由からお話しします。
中学生の成績が上がらない本当の理由
成績が上がらない理由は、多くの場合、前に習った内容が身についていないことにあります。点数が取れない経験が続くと、やっても無理だと感じる気持ちも育ってしまいます。
今の内容を支える知識が定着していない
教室長だったころ、勉強しているのに成績が上がらない中学生とこれまでに習った内容を一つずつ確かめていきました。すると、多くの場合、今の内容を理解するのに必要な知識が定着していませんでした。
前の内容があやふやなまま、今の内容を上に重ねてもなかなか身につきません。勉強の量を増やしても成績が上がらないのは、そのためであることが多いのです。
どこまで戻ればいいのかは、こちらの記事で考え方を説明しています。
中学の勉強についていけない子はどこまで戻る?小学校の復習と進め方
小学校ではできていた子が中学でつまずくことも
小学生のころは、テストで点数が取れていた。それが、学年が進んで内容が難しくなるにつれて、急に点数が取れなくなる。教室ではそうした子に何度も出会いました。
一方で、はじめは点数が伸び悩んでいたのに、ある時期を境に伸びていく子もいました。
今の点数は、その子の力のすべてではありません。
「どうせやっても無理」が勉強の手を止める
分からないまま点数が取れない経験を重ねると、子どもは少しずつ、自分には無理なんだ、と思うようになります。
そう思い始めると、勉強しても意味がないと感じて机に向かう手が止まります。手が止まれば、また点数は取れません。その繰り返しの中で、気持ちはさらに沈んでいきます。
成績が上がらない奥には、この気持ちが隠れていることが少なくありません。
点数を上げるにはどこから手をつけるか
点数を上げたいときは、国語の漢字や理科・社会など、点数に表れやすいところから始めます。数学と英語は前の学年まで戻り、長い目で取り組みます。
まずは点数が上がりやすいところから
教室長だったころ、テストの点数を上げたいと相談を受けたときは、まず点数が上がりやすいところから手をつけていました。
たとえば、国語の漢字や理科・社会です。前の学年の内容がそれほど影響しないので、今から取り組んだぶんが点数に表れやすいところです。
小さくても点数が上がると子どもの中に、やればできるかもしれない、という手ごたえが生まれます。
数学と英語は前の学年までさかのぼって長い目で
一方、数学と英語は、前の学年で習ったことの上に今の内容が積み重なっています。土台が抜けていると、今の範囲だけをいくら勉強してもなかなか点数につながりません。
どこまで戻ればいいかは、これまでの知識がどれくらい身についているかによって一人ひとり違います。学年によっても変わります。だからこそ、焦って今の範囲を詰め込むより、前の学年までさかのぼって長い目で見ていくことが大切です。
成績が上がるまでに親にできること
成績が上がるまでのあいだ、家庭では勉強を教えるより伸びたところに声をかけ、勉強の時間を見守ってください。点数より先に、子どもの気持ちが動き出します。
点数より先に気持ちが動き出す
教室長だったころ、分かるところまで戻って取り組んだ中学生には、徐々にこんな変化が見えてきました。
- 自信がついてきているのが見て取れるようになる
- 自分から勉強するようになる
- 前向きな言葉が出るようになる
教室に入ってくるなり、すぐにテストの結果を見せてくれるようになった子もいました。
点数が伸びてきたのは、それよりあとでした。
「いつ上がるか」は家でできることとセットで考える
いつになったら、成績が上がるのか。面談でそう気にされる親御さんは多くいました。
そのとき私は、正直にお伝えしていました。塾に行っただけで、成績が上がるわけではないこと。今の勉強をとりあえず詰め込んでも、上がるわけではないこと。
そのうえで、見通しは家でしてほしいことと一緒にお話ししていました。
塾と家庭で役割を分ける
面談では、子どものやる気を高めるために、塾の側と家庭の側で役割を分けることを提案していました。
- 塾の側:勉強のやり方を教える。勉強するよう促す。
- 家庭の側:成長を見て声をかける。勉強の時間を見守る。
家庭は、勉強を教える役ではありません。子どもの気持ちを支える役です。
塾に通っていない場合も、考え方は同じです。勉強のやり方を教わったり、勉強するよう促されたりする場は、学校の先生などに頼り、家庭では成長を見て声をかけ、勉強の時間を見守ってください。
点数ではなく前よりできたことに声をかける
点数だけで判断すると、親も子も苦しくなります。以前のその子と比べて、伸びたところを見つけて声をかけてみてください。
「漢字、前より書けるようになったね」
「ここまでは分かるようになったんだね」
家での関わり方は、4つに分けてこちらの記事で紹介しています。
「勉強しなさい」と言わないとどうなる?代わりの声かけと関わり方
よくある疑問
塾との関係や通知表、下がった成績のことにお答えします。
Q. 塾に通っているのに成績が上がらないのはなぜですか?
塾に通うだけで、成績が上がるわけではありません。今の内容を支える土台が定着していないと、塾で今の範囲を教わっても積み上がりにくいからです。塾の側と家庭の側で役割を分けて、土台から見直してみてください。
Q. 塾に行かせたほうがいいですか?
塾が力になるのは、つまずいた場所がはっきりしているときです。行かせるかどうかを決める前に、今どこまで分かっているのかを見てみてください。
通わせることにしても、塾に任せきりにはせず、家では前よりできたところに気づいて伝える役を続けてみてください。
Q. テストの点数のほかに通知表で気にしておくことはありますか?
通知表の成績には、テストの点数だけでなく、授業への取り組みや提出物も入ります。こうした毎日の基本は、テストの点数よりも早く整えやすいところです。
点数が上がりやすいところから手をつけるのと同じように、まずは手をつけやすいところから整えてみてください。
Q. 一度下がった成績はもう戻らないのでしょうか?
戻るとお約束することはできません。ただ、教室でははじめは伸び悩んでいたのに、ある時期を境に伸びていった子もいました。
土台を確かめ、点数が上がりやすいところから始めることが立て直すための手がかりになります。
まとめ
- 成績が上がらない奥には、定着していない土台とどうせ無理という気持ちがある
- 点数は上がりやすいところから。数学と英語は、前の学年までさかのぼって長い目で
- 先に変わるのは気持ち。家庭は、成長を見て声をかけ、勉強の時間を見守る
まずは漢字や理科・社会のように点数が上がりやすいところから、お子さんと始めてみてください。
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