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センテッドゼラニウムの育て方|挿し木のコツ・剪定・夏越しまで解説

2024年5月28日

センテッドゼラニウムは、葉に芳香をもつゼラニウムの仲間で、バラやレモン、ミント、シナモンなど、品種によってさまざまな香りを楽しめるハーブです。花よりも香りのよい葉を楽しむ植物で、「ハーブゼラニウム」「ニオイゼラニウム」とも呼ばれます。

葉をこすると爽やかな香りが立ち、料理やお菓子の香りづけ、ポプリ、ドライフラワーなど、暮らしのなかでさまざまに活用できます。丈夫で生長が早く、寒さと多湿にさえ気をつければ育てやすいのも魅力です。

この記事では、センテッドゼラニウムの育て方を、環境づくりから日々の管理、剪定、最大のポイントである夏越し・冬越し、そして挿し木での増やし方まで、初心者にもわかりやすく解説します。

センテッドゼラニウムの基本情報と特徴

育て方の前に、まずはセンテッドゼラニウムがどんな植物なのか、基本情報を押さえておきましょう。

科名・属名 フウロソウ科ペラルゴニウム属
和名 ニオイテンジクアオイ
別名 ハーブゼラニウム、ニオイゼラニウム
分類 半耐寒性の多年草
原産地 南アフリカ
開花期 主に春〜初夏(一部四季咲き)
耐寒性 やや弱い(品種による)
耐暑性 高温多湿が苦手

センテッドゼラニウムは、フウロソウ科ペラルゴニウム属のうち、葉に芳香をもつグループの総称です。特定の一品種を指すのではなく、ローズゼラニウムをはじめ、レモン、アップル、ミント、シナモンなど、さまざまな香りの品種が含まれます。

花は小さく繊細で、白・ピンク・赤などの色を咲かせますが、観賞の主役はあくまで香りのよい葉です。葉の形も、切れ込みのあるもの、丸いもの、カエデのような形など多種多様で、カラーリーフやクラフト素材としても親しまれています。なお、香りの強い品種は「蚊が嫌がる香りがある」とされ、虫よけハーブとして親しまれてきましたが、鉢を置くだけで明確な虫よけ効果が得られるわけではない点は知っておくとよいでしょう。

センテッドゼラニウム栽培に適した環境と土づくり

センテッドゼラニウムを上手に育てるには、日当たり・風通しと、水はけの良い土が重要です。順に見ていきましょう。

日当たり・置き場所

センテッドゼラニウムは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。日照が不足すると、茎葉が間のびして弱々しくなり、花つきも悪くなります。

ただし、高温多湿と長雨が苦手です。真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になることがあり、梅雨や長雨に当たると蒸れて弱ってしまいます。季節に応じて置き場所を移動できるため、地植えよりも鉢植えのほうが管理しやすくおすすめです。なお、アップルゼラニウムやレモンゼラニウムなど、半日陰でも比較的よく育つ品種もあります。

用土の選び方

センテッドゼラニウムは、水はけがよく、適度に栄養のある土を好みます。多湿が苦手なので、水はけの良さを最優先しましょう。

鉢植えの場合は、市販の草花用・ハーブ用培養土が手軽です。自分で配合する場合は、赤玉土(小〜中粒)7・腐葉土3の割合が定番です。なお、ゼラニウムは弱酸性〜中性の土を好むので、酸性に傾いた土を使う場合のみ、苦土石灰を少量混ぜて中和します。地植えの場合は、腐葉土や堆肥を混ぜ込み、過湿を防ぐために土をやや高く盛って植えると安心です。

センテッドゼラニウムの植え付けと種まき

センテッドゼラニウムは苗から育てるのが一般的ですが、種からも育てられます。それぞれの方法を見ていきましょう。

苗の植え付け・地植え

植え付けの適期は、気候の穏やかな春(4〜5月)または秋(9〜10月)です。真夏と真冬は避けます。

鉢植えの場合、購入したポット苗はまず5号程度の鉢に植え付けます。地植えにする場合は、比較的耐寒性のあるローズゼラニウムなどが向き、関東以西なら戸外で育てられます。日当たりと風通しの良い場所を選び、水はけを良くするために土を盛って高植えにし、根元が深く埋まらないように植え付けて、たっぷり水を与えます。生長が早く横にも張るので、株間は余裕をもってとりましょう。

種まき

種から育てる場合、発芽適温は20〜25℃なので、種まきは4〜5月または9月ごろが目安です。

育苗ポットやセルトレイに水はけの良い種まき用土を入れ、種が重ならないように1粒ずつまいて、種が隠れる程度に薄く土をかけます。水やりをして明るい場所で管理すると、2週間ほどで発芽します。本葉が4枚ほどで間引き、6枚ほどになったら5号鉢などに鉢上げします。

センテッドゼラニウムの日常管理(水やり・肥料)

植え付けが終わったら、日々の水やりと肥料の管理に移ります。乾燥を好む性質を理解しておきましょう。

水やり

センテッドゼラニウムは乾燥気味の管理を好みます。水のやりすぎは根を傷め、根腐れの原因になるため注意が必要です。

鉢植えの場合は、土の表面がよく乾いてから、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えます。受け皿にたまった水は捨てましょう。地植えの場合は、根づいた後はほとんど水やりは不要です。葉に水がかかると蒸れや病気の原因になるので、株元に与えるようにします。特に冬は生育が緩やかになるため、水やりを控えめにします。

肥料の与え方

植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。その後の追肥は、生育期である春から初夏と秋に、液体肥料か緩効性化成肥料を与えます。

センテッドゼラニウムは肥料切れすると花つきや生育が悪くなることがありますが、与えすぎると茎葉ばかり茂って軟弱になり、香りも薄れがちです。控えめを心がけ、真夏と真冬の生育が停滞する時期は施肥を控えましょう。

センテッドゼラニウムの剪定・切り戻し

センテッドゼラニウムは生長が早く、放っておくと枝が混み合って蒸れやすくなります。剪定で風通しを保つことが、健康に育てるコツです。

最も大切なのが、梅雨前の切り戻しです。開花がひと段落する6月中旬〜7月初旬ごろに、草丈の半分ほどの位置で切り戻します。こうして風通しを良くしておくことが、後述する夏越しの成功につながります。その後、初秋までに新芽が伸びるので、9月下旬〜10月中旬に全体の3分の1ほど軽く切り戻して整えます。数年たって古い枝が木質化してきたら、その都度剪定して若い枝の更新を促しましょう。

花が咲いたら、咲き終わった花がらはこまめに摘み取ります。花がらを残すと栄養が無駄になり、蒸れの原因にもなります。

【最重要】センテッドゼラニウムの夏越し

南アフリカ原産のセンテッドゼラニウムにとって、高温多湿の日本の夏は最も苦手な季節です。夏越しを乗り切れるかどうかが、長く育てられるかの分かれ目になります。

夏越しのポイントは、風通しの確保と過湿を避けることです。前述のとおり、梅雨入り前に切り戻して株を風通しよくしておきます。真夏は、午後から日陰になる場所や半日陰の涼しい場所に移し、強い直射日光と西日を避けます。鉢植えなら移動できるので有利です。

水やりは、土がよく乾いてからにとどめ、長雨の時期は雨の当たらない軒下などに移動させます。葉に水が残ると蒸れて傷むため、株元に与えるのが基本です。生育が停滞する夏は、肥料も控えます。これらを徹底することで、夏の蒸れによる枯れこみを防げます。

センテッドゼラニウムの冬越し

センテッドゼラニウムは半耐寒性で、寒さにはやや弱く、品種にもよりますがおおむね3℃以上を保てる環境が望ましいとされます。気温が下がる地域では、冬越しの対策が必要です。

鉢植えの場合は、室内の日当たりの良い窓辺に取り込みます。ただし暖房の風が直接当たる場所は乾燥や温度差で株が弱るため避け、室内でも風通しを保ちましょう。地植えで関東以西などの温暖地の場合は、寒冷紗や不織布で霜よけをするか、掘り上げて鉢に移し軒下などへ移動させます。冬は生育が止まるので、水やりは控えめにし、肥料は与えません。

センテッドゼラニウムの増やし方(挿し木)

センテッドゼラニウムは挿し木で簡単に増やせます。ただし、多肉質の茎をもつため、一般的なハーブとは少し異なるコツがあります。

挿し木の時期とコツ

挿し木の適期は、真夏と真冬を避けた4〜6月または9〜11月です。

最大のコツは、挿し穂をすぐ水につけず、切り口を半日〜1日ほど乾かしてから挿すことです。センテッドゼラニウムは茎が多肉質で水分を多く含むため、切り口が湿ったまま挿すと腐りやすくなります。多くのハーブで行う「水揚げ」をせず、むしろ乾かすのがゼラニウム類のポイントです。同じ理由で、用土も水はけの良い清潔なものを使い、過湿を避けます。

挿し木の手順

挿し木は、次の手順で行います。

  1. その年に伸びた元気な茎を、3節ほど(数〜10cm程度)の長さで切り取る。
  2. 土に挿す部分の下葉を取り除き、葉を2〜3枚残す。花やつぼみがあれば取り除く。
  3. 切り口を半日〜1日ほど明るい日陰で乾かす。
  4. 赤玉土(小粒)やバーミキュライトなど、肥料分のない清潔な用土に挿す。
  5. 風通しの良い明るい日陰で、過湿にならないよう土が適度に湿る程度に管理する。

発根までの目安は2〜3週間です。根が出たか気になっても、最低2〜3週間はいじらずに待ちましょう。新しい葉が出るなど根づいた様子が見えたら、日当たりの良い場所へ移して育てます。

センテッドゼラニウムの葉の収穫と楽しみ方

センテッドゼラニウムは、香りのよい葉を収穫してさまざまに楽しめます。春から秋にかけて随時収穫でき、茎の基部から数cm上で茎ごと切り取ります。

収穫した葉は、料理やお菓子の香りづけ、ポプリ、入浴剤、ドライフラワーなどに利用できます。葉を乾燥させると緑色が黄色っぽく変色するので、料理で葉の緑を生かしたい場合は生のまま使いましょう。開花期は葉の香りがやや弱まるため、香りを重視するなら花を摘んでから収穫するのがおすすめです。ローズゼラニウムなどの香りは、アロマのエッセンシャルオイルとしても利用されています。

センテッドゼラニウムの主な品種

センテッドゼラニウムには、香りの異なるさまざまな品種があります。代表的なものを紹介します。

品種 香り 特徴
ローズゼラニウム バラ 最も代表的な品種。アロマオイルや香りづけに利用される。
レモンゼラニウム レモン 波状の葉。爽やかな柑橘の香り。
アップルゼラニウム リンゴ 丸い葉。半日陰でも比較的よく育つ。
ミント系ゼラニウム ミント 柔らかな繊毛のあるビロード状の葉。清涼感のある香り。
ストロベリーゼラニウム ストロベリー 咲き進むと濃くなるピンクの花も楽しめる。

このほかにもシナモンやナツメグなどのスパイス系、チョコレート系など、多彩な香りの品種があります。好みの香りで選ぶのも、センテッドゼラニウムの楽しみ方の一つです。

センテッドゼラニウムの病害虫

センテッドゼラニウムは比較的丈夫ですが、高温多湿や風通しの悪さから病害虫が出ることがあります。

注意したい病気は、灰色かび病です。低温多湿や風通しの悪さで発生し、花や葉が腐ってカビが生えます。予防には、水を与えすぎないこと、風通しを良くすることが大切で、発生した部分は早めに取り除きます。害虫では、アブラムシやコナジラミ、ヨトウムシなどがつくことがあります。風通しを良くして株を健康に保ち、見つけたら早めに駆除しましょう。いずれも「蒸れ」が引き金になりやすいので、剪定と水やりの管理が予防の基本になります。

センテッドゼラニウムの育て方に関するQ&A

最後に、センテッドゼラニウムの育て方でよくある疑問にお答えします。

葉が枯れる原因は?

最も多いのは水のやりすぎによる根腐れです。土が乾いてから水やりをし、受け皿の水は捨てましょう。このほか、風通しの悪さによる蒸れ、日照不足、夏の葉焼け、根詰まり、冬の寒さなども原因になります。置き場所と水やりを見直すことが基本です。

苗の販売時期は?

苗は春と秋に出回ることが多く、ハーブを扱う園芸店や通信販売で購入できます。品種によっては入手しにくいものもあるので、好みの香りの品種は早めに探すとよいでしょう。料理やクラフトに使う場合は、無農薬で育てられた苗を選ぶと安心です。

半日陰でも育ちますか?

日当たりの良い場所が基本ですが、アップルゼラニウムやレモンゼラニウムなど、半日陰でも比較的育つ品種もあります。半日陰で育てる場合は、風通しをよく保ち、徒長しないよう肥料を与えすぎないことがポイントです。

まとめ:センテッドゼラニウムの育て方のポイント

センテッドゼラニウムは、多彩な香りの葉を楽しめるフウロソウ科のハーブです。最後に、育て方の要点をおさらいしましょう。

センテッドゼラニウムは日当たりと風通しの良い場所を好み、乾燥気味に管理します。水のやりすぎと高温多湿が苦手なので、水は土が乾いてから株元に与え、過湿を避けることが大切です。最大のポイントは夏越しで、梅雨前に切り戻して風通しを良くし、真夏は涼しい半日陰で管理しましょう。寒さにもやや弱いので、冬は室内に取り込むか霜よけをします。

増やすときは挿し木が手軽ですが、切り口を乾かしてから挿すのがゼラニウムならではのコツです。香りのよい葉は料理やポプリ、ドライフラワーに活用できます。お好みの香りの品種を選んで、ぜひ育ててみてくださいね。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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