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アーティチョークの育て方|北海道で実際に育てた栽培記録と冬越しのコツ

2024年6月3日

アーティチョークは、ヨーロッパやアメリカで定番の野菜・ハーブです。和名を「チョウセンアザミ」といい、アザミに似た大きな花と、つぼみを食べる独特の風味で知られています。

見た目のユニークさと珍しさから、最近では日本でも家庭菜園で育てる人が増えてきました。大株に育つ多年草で、一度根づけば数年にわたって収穫を楽しめるのも魅力です。

この記事では、アーティチョークの基本情報から、種まき・植え付け・水やり・収穫までの育て方、夏越しや冬越しのコツまで詳しく解説します。北海道で実際に栽培した記録も交えてご紹介しますので、寒冷地で育てたい方も参考にしてみてくださいね。

アーティチョークとはどんな植物?基本情報

育て方に入る前に、まずはアーティチョークがどんな植物なのか、基本的な特徴を押さえておきましょう。性質を知っておくと、その後の栽培管理がぐっと分かりやすくなります。

アーティチョークは、キク科チョウセンアザミ属の地中海沿岸地域原産の多年草です。和名は「チョウセンアザミ」ですが、朝鮮原産という意味ではなく、外国から渡来したアザミに似た植物という意味でつけられた名前です。

草丈・横幅ともに1m以上に大きく育つのが特徴で、ギザギザと切れ込みの入ったシルバーグリーンの葉を大きく広げます。開花前のふっくらしたつぼみ(萼の付け根や花托)を食用にし、ゆり根のようなホクホクとした食感と、ソラマメやジャガイモのような風味が持ち味です。収穫せずに育てると、アザミに似た赤紫色の大きな花を咲かせるため、観賞用としても楽しめます。

栽培で押さえておきたい3つのポイント

アーティチョークを上手に育てるには、性質に由来する3つのポイントを最初に知っておくと失敗しにくくなります。

ひとつ目は、移植を嫌うことです。大株になってからの植え替えは根づきにくいため、種から育てる場合は本葉4〜5枚の若いうちに定植します。ふたつ目は、本格的な収穫は植え付けの翌年(2年目)からということ。1年目は株を充実させる期間と考えましょう。三つ目は、夏の高温多湿に弱いことです。生育適温は10〜25℃で、30℃を超えると生育が止まりやすいため、夏越しの工夫が大切になります。

アーティチョーク栽培に適した環境づくり

アーティチョークは、日当たり・水はけ・風通しの良い場所を好みます。大株になるので、地植えなら株間を広くとり、ゆったりとしたスペースを確保しましょう。

生育適温は10〜25℃で高温に弱く、気温が30℃以上になると生育が悪くなります。夏は鉢植えなら風通しの良い半日陰へ移すなど、暑さ対策を意識します。用土づくりと水・肥料やりのポイントは次の項で詳しくお伝えします。

用土づくり

アーティチョークは水はけの良い用土を好みます。市販の野菜用培養土をそのまま使えますが、自分で配合する場合は赤玉土・腐葉土・バーミキュライトを7:2:1の割合で混ぜたものが目安です。

注意したいのは、アーティチョークが酸性土壌を嫌う点です。地植えの場合は植え付けの2〜3週間前に苦土石灰をすき込んで酸度を中和し、あわせて腐葉土や堆肥、化成肥料を混ぜておくとよく育ちます。プランター栽培なら中型(60cm)以上、1株なら大型の植木鉢を使います。露地栽培では、畝幅1m、株間50〜70cmで畝を立てておきましょう。

水やりと肥料の与え方

水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えるのが基本です。ただし過湿を嫌い、水の与えすぎは根腐れの原因になるため、特に梅雨や夏は土の乾き具合を確認してから与えます。地植えで根付いた後は、極端な乾燥が続くとき以外は降雨に任せて問題ありません。

肥料は多めを好みます。植え付け時に緩効性の化成肥料を元肥として混ぜ込み、その後は生育期に追肥します。液体肥料なら2週間に1回、または緩効性肥料を生育期の始め(春)と終わり(秋)に施すとよいでしょう。大株に育てるほどつぼみも大きくなるため、肥料切れに注意します。

種まきの時期と方法

アーティチョークの発芽適温は15〜20℃で、種まきの適期は春の3月下旬〜4月下旬です。秋まきもできますが、苗が小さいうちに冬を迎えると枯れやすいため、初心者には春まきがおすすめです。種まき前に種を一晩水に浸しておくと発芽がそろいやすくなります。

種まきには直まきとポットまきがあります。移植を嫌う性質を踏まえると、ポットで育てて早めに定植するか、直まきにするのが安心です。

ポットまきの場合は、3〜4号のポリポットに種まき用培養土を入れてたっぷり水をかけ、1か所に2〜3粒まきます。10mmほど覆土して指で軽く押さえ、種と用土を密着させます。乾燥させないように明るい日陰で管理すると、10日〜2週間ほどで発芽します。発芽後は間引いて1本にし、本葉が4〜5枚になったら、根鉢を崩さないよう早めに定植します。直まきの場合は深さ5〜10mmでまき、本葉が出たら順次間引いていきます。

地植えの時期と方法

アーティチョークは大株になるため、基本的には地植えが向いています。地植え(定植)の適期は4月上旬〜5月上旬で、種から育てた苗や園芸店で購入した苗を植え付けます。

地植えの手順は以下のとおりです。

  • 日当たりと水はけの良い場所に、畝幅1m、畝高10〜15cmの平畝を作る。
  • 植え付けの2〜3週間前に苦土石灰をすき込み、堆肥や化成肥料を混ぜて耕しておく。
  • 株間を50〜70cmあけて苗を植え付ける。
  • 根鉢を崩さないように注意し、土を軽く押さえる。
  • たっぷりと水を与える。

前述のとおり移植を嫌うので、苗が大きくなりすぎる前に植え付けるのがコツです。鉢やプランターで育てる方法は次の項でお伝えします。

鉢植え・プランターで育てる方法

アーティチョークは地植えが適していますが、鉢植えやプランターでも育てられます。寒冷地では、冬に取り込めるよう鉢植えにするのも一つの方法です。

根がよく張り大株になるため、できるだけ大きな容器(直径30cm以上・深さ40cm以上、目安として10号鉢以上)を選びます。鉢植え・プランターで育てる際のポイントは次のとおりです。

  • 水はけの良い土を使い、鉢底石を敷く。
  • 土が乾きやすいので、表土が乾いたらたっぷり水やりをする。
  • 水の与えすぎは根腐れの原因になるため、過湿を避ける。
  • 液体肥料を10日〜2週間に1回程度与える。
  • 日当たりと風通しの良い場所に置き、夏は半日陰に移す。

鉢植えは株が大きく育ちにくい面もありますが、移動できる利点があり、寒冷地での冬越しや夏の暑さ対策がしやすくなります。

夏越しのポイント

アーティチョークは夏の高温多湿が苦手で、暖地では夏に葉を落として枯れたような状態になることがあります。これは多くの場合、株が枯死したのではなく休眠に入ったサインです。

夏越しのコツは、風通しを良くして蒸れを防ぐことです。鉢植えなら風通しの良い半日陰へ移し、地植えなら込み合った葉を整理して株元の通気を確保します。梅雨や秋の長雨で雨に当たり続けると傷みやすいため、可能なら雨よけがあると安心です。夏に地上部が枯れても、涼しくなる秋(10月頃)には新芽が出てくることが多いので、慌てて株を抜かず様子を見ましょう。

植え替えの考え方と時期

アーティチョークは多年草で、同じ場所で数年間収穫できます。基本的には移植を嫌うため、頻繁な植え替えはせず、最初の場所選びを大切にするのが原則です。

ただし、何年も育てて株が老化してきた場合や、鉢栽培で根詰まりした場合には、株の更新を兼ねて植え替え・株分けを行います。適期は春か秋で、株が弱っている真夏や厳冬期は避けます。具体的な手順は株分けの方法をご参照ください。

アーティチョークの花が咲く時期と花言葉

アーティチョークは、開花前のつぼみを収穫して食べますが、収穫せずに育てると花を楽しむこともできます。

花の時期は6月〜8月頃で、紫色の大きなアザミのような花を咲かせます。高く伸びた茎の先に直径15cm前後の頭花をつける姿は雄大で、観賞用や切り花としても人気があります。

アーティチョークの花言葉は、「警告」「独立独歩」「孤独」「厳格」などです。これらは、大きな葉や株にトゲがあり、触れると痛いことに由来すると言われています。

花が終わったらすべきこと

観賞用に花を咲かせた後や、収穫期が終わった後は、株を次のシーズンに向けて整えます。やっておきたいことは次のとおりです。

  • 花がしぼんだら、株元から出ている子株を残して、枯れた茎を根元近くまで切り戻す。
  • 収穫・開花が終わった株は、秋以降の休眠と冬越しに備える。
  • 春になったら追肥をして、新しい生育に備える。

茎を思い切って切り戻しておくと、翌年に新しい茎が多く出て収穫が増えやすくなります。冬越しの方法は次の項でお伝えします。

耐寒性と冬越しの方法

アーティチョークは比較的寒さに強いとされますが、強い霜や凍結には弱く、寒冷地では冬越し対策が欠かせません。ここでは耐寒性と冬越しの方法を紹介します。

耐寒性

アーティチョークの耐寒温度は、一般的に-1〜-2℃程度とされます。品種や株の充実度によって多少前後しますが、強い霜が降りたり地面が凍結したりする環境では、防寒なしでの越冬は難しくなります。

特に、凍結と解凍が繰り返される寒冷地では根が傷みやすく、枯死につながることがあります。気温が0℃を下回る地域では、念のため冬越し対策をしておくと安心です。

冬越しの方法

冬越しの方法は、地植えと鉢植えで異なります。お住まいの地域の寒さに合わせて対策しましょう。

地植えの場合

11月〜12月頃までに、株元にワラや落ち葉、腐葉土などを敷き詰めてマルチングします。根元に土を寄せておくと、土の凍結防止にもなります。

寒さが厳しい地域では、その上から不織布などをかけて固定し、株を凍害から守ります。春になって暖かくなったら、覆いを取り除きます。

鉢植えやプランターの場合

11月〜12月頃までに、鉢やプランターを室内や軒下、温室などに移動します。鉢植えは根が冷えやすいため、寒冷地では室内に取り込むのが安心です。

冬の間は水やりを控えめにし、日当たりの良い場所で管理します。春になって気温が上がったら、徐々に屋外に戻していきます。

アーティチョークの株分け時期と方法

アーティチョークは株分けでも増やせます。株分けは株の更新を兼ねて、春か秋に行います。株分けの手順は以下のとおりです。

  • 新しい植え付け場所を耕し、苦土石灰や堆肥を混ぜて土づくりをしておく(鉢植えなら新しい用土を用意する)。
  • 根や茎を傷めないように注意して株を掘り起こす。
  • 根と芽(子株)がついている部分を残すように、2〜3株に分ける。
  • 株間を80cm〜1m程度あけて植え付ける。
  • 植え付け後はたっぷりと水やりをする。

株元から伸びた子株を切り取って増やすこともできます。トゲに注意しながら作業しましょう。

収穫の時期と方法

アーティチョークの収穫時期は5月〜7月頃です。鱗のような萼(総苞片)が重なったつぼみがつき始めたら、花が咲く前に収穫します。本格的な収穫ができるのは、植え付けの翌年(2年目)以降です。

収穫の際は、つぼみの下の茎を3〜5cmほど残してハサミで切り取ります。つぼみが少しふくらみ、開きかけるくらいが収穫の適期です。収穫が遅れると花が咲いてしまい食感が悪くなるので、タイミングに注意しましょう。茎や葉にトゲがあるので、手袋をすると安全です。

可食部は、萼(ガク)の付け根のやわらかい部分と、「ハート」と呼ばれる花托の芯の部分です。アーティチョークは可食部が少なく、全体の1〜2割ほどしか食べられないため、下処理で外側の固い部分を取り除いて加熱調理します。収穫量の目安は、1年目で4〜5個、2年目以降は1株から10個程度です。

種の取り方

アーティチョークは種を採取して翌年にまくこともできます。種取りの手順は以下のとおりです。

  • 大きくて健康なつぼみを種取り用に選び、収穫せずにそのまま育てる。
  • 花を咲かせ、咲き終わって花がしぼむまで待つ。
  • 花がしぼんだら、種が熟したサイン。花の中にある黒く小さい扁平な種を取り出す。
  • 取り出した種を水洗いし、日陰でよく乾燥させる。
  • 乾燥させたら、冷暗所で保管する。

種は数年は発芽力を保つとされますが、できるだけ新しい種を翌春の種まきに使うと安心です。

北海道でのアーティチョーク栽培記録

ここでは、北海道で実際にアーティチョークを栽培した記録をご紹介します。寒冷地ならではの時期の考え方の参考にしてみてください。

北海道では春の訪れが遅いため、種まきは本州より遅らせ、4月〜5月頃に行いました。気温が十分に上がってから定植したいので、地植え(定植)は6月〜7月頃に実施しました。

鉢植えとプランターでも試しましたが、我が家では地植えの方が株がのびのびと育ち、生育が良好でした。水やりと肥料はこまめに行い、冬越しはしっかり防寒する(または鉢を室内に取り込む)ことを徹底しました。その結果、植え付けの翌年に無事に花芽を収穫することができました。寒冷地でも、夏の管理と冬越しのポイントを押さえれば、十分に栽培を楽しめるという実感を得ています。

アーティチョークの育て方に関するQ&A

ここでは、アーティチョークの育て方でよくある疑問にお答えします。

  • 枯れる原因は?
  • コンパニオンプランツは?

それぞれ詳しく回答していきます。

枯れる原因は?

アーティチョークが枯れる主な原因と対策は次のとおりです。原因を知っておくと、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

考えられる主な原因は、水やりの不足や過剰(特に夏の過湿による根腐れ)、肥料の不足や過剰、夏の高温多湿、冬の凍結・霜による凍害、病害虫の被害などです。

対策としては、土が乾いたら水を与えて過湿を避けること、生育期に元肥と追肥を適切に施すこと、夏は風通しを良くして蒸れを防ぐこと、冬は株元をマルチングして凍結を防ぐこと、葉が茂りすぎたら整理して病害虫を予防することが挙げられます。なお、夏に地上部が枯れても休眠の場合があるので、すぐに諦めず秋の新芽を待ちましょう。

コンパニオンプランツは?

コンパニオンプランツとは、一緒に植えると相性が良いとされる植物のことです。アーティチョークと相性が良いとされるものを表にまとめました。

バジル 生育環境が近く、花が咲くとミツバチや蝶などの送粉者を呼び込みます。
エンドウ アーティチョークより低く育ち、根粒菌によって空気中の窒素を土壌に固定・供給します。
ヒマワリ アーティチョークより高く育ち、花が咲くと送粉者を誘引します。
タラゴン 生育環境が近く、ハーブとして一緒に育てやすい組み合わせです。
キャベツ科 生育環境が近い一方、カルシウムを多く必要とするため、肥料管理に配慮します。

まとめ:アーティチョーク栽培のポイント

この記事では、アーティチョークの育て方と、北海道での栽培記録をお伝えしました。最後に大切なポイントを振り返っておきましょう。

アーティチョークは水はけの良い土を好み、酸性土壌を嫌うため、植え付け前に苦土石灰で土の酸度を中和しておくことが大切です。移植を嫌うので苗は早めに定植し、本格的な収穫は植え付けの翌年(2年目)からと考えましょう。

夏の高温多湿に弱いため、風通しを良くして夏越しさせること、そして寒冷地では株元のマルチングや鉢の取り込みでしっかり冬越しさせることが、長く収穫を楽しむコツです。大株に育つ存在感のある野菜なので、スペースを確保できる方は、ぜひ栽培に挑戦してみてくださいね。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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