クリーピングタイムはグランドカバーとして人気の植物ですが、時々「クリーピングタイムは植えてはいけない」と言われることがあります。
この記事では、これからクリーピングタイムを植えようか検討している方向けに、後悔しないためのクリーピングタイムのデメリットや植えてはいけないと言われる理由についてご紹介します。

後悔しないための育て方と併せて参考にしてみてください。
クリーピングタイムとは?
クリーピングタイムはシソ科イブキジャコウソウ属の匍匐性常緑多年草です。
ヨーロッパ原産で、草丈5〜10cmと低く、地面を這うように広がる特性があります。春から初夏(4〜6月)にかけてピンク、白、薄紫の小さな花を咲かせ、カーペット状に広がる姿が魅力です。
一般的なタイム(コモンタイム)は料理用ハーブとして使われるのに対し、クリーピングタイムは主に観賞用として人気があります。グランドカバーとして植えると雑草抑制効果があり、花壇の縁取りにも最適です。
管理面では、水はけの良い場所を好み、乾燥に強い反面、蒸れに弱い特徴があります。
踏んでも問題なく生育し、踏むと爽やかな香りを放つことから、庭の通路脇などにも適しています。年に1〜2回の刈り込みで十分なメンテナンスが可能なため、忙しい方にもおすすめの丈夫な植物です。
クリーピングタイムのデメリットと植えてはいけない理由
クリーピングタイムは植えてはいけないと言われることがありますが、その原因として挙げられるデメリットを4つご紹介します。
- 繁殖力が強い
- ハチが集まりやすい
- 木質化すると見た目が悪くなる
- 維持管理に手間がかかる
それぞれの理由について次に詳しくお伝えしていきます。
繁殖力が強い
クリーピングタイムは、地面を這うように広がるほふく性の植物です。 他の植物の根や茎を覆ってしまい、日光や水分、栄養を奪い枯らせてしまうこともあります。
また、根がどんどんと広がっていくため、隣近所の敷地にまで繁殖してトラブルの原因になる可能性も否定できません。
ハチが集まりやすい
クリーピングタイムは、花が咲くと花蜜を多く分泌するので、ミツバチやマルハナバチなどのハチが集まります。
ハチは花粉を運んで受粉を助ける役割を果たしますが、同時に花の美しさや香りを楽しむこともできる一方で、ハチに刺されると痛みや腫れ、アレルギー反応などの症状が出ることがあります。
特にハチアレルギーの人は重篤なショック症状を起こす可能性があるので注意が必要です。
木質化すると見た目が悪くなる
クリーピングタイムは、多年草として長く生きる植物ですが、その代償として枝が硬くなって木のようになる現象が起こります。これを木質化と呼びます。
木質化した枝は、緑色から茶色に変色して葉が少なくなります。また、新しい芽が出にくくなり、成長が停滞します。
木質化は、タイムの自然な生態であり健康の証拠でもありますが、見た目はあまり美しいとは言えません。
新芽が出やすい春から初夏に、新芽のもとが残るように剪定することで見た目の悪化は防げます。剪定後は、殺菌剤を散布して、病気の予防をしましょう。
維持管理に手間がかかる
クリーピングタイムは、繁殖力の強さや木質化する性質から、定期的に剪定や根止めを行う必要があります。
また、水はけの悪い土壌や湿気の多い環境では根腐れや病気の発生に注意する必要があります。さらに、品種によっては木質化や花の品質の低下を防ぐために、切り戻しや植え替えを行う必要があります。
これらの維持管理は、クリーピングタイムの美しさや香りを長く楽しむためには欠かせませんが、手間がかかると感じる方も多いでしょう。
以上が、クリーピングタイムを植えてはいけないという理由として挙げられることが多い4つのデメリットです。
個人的には植えてはいけないと言うほど大きなデメリットとは感じませんがいかがでしょうか。これからクリーピングタイムを育ててみたいと感じる方は、クリーピングタイムの育て方についても参考にしてみてくださいね。
グランドカバーにして失敗したという口コミ
クリーピングタイムをグランドカバーにして失敗したという口コミは、以下のようなものがあります。
- 庭の他の植物を覆ってしまい枯らせてしまった
- クリーピングタイムの間から雑草が生えて、雑草対策にはならなかった
- 暑さに弱く、夏場に枯れてしまった
- ハチが集まってしまい、刺された
Xに投稿されているポストの中では特に失敗したという口コミは挙げられていませんでしたが、以下のような口コミが見つかりました。
クリーピングタイム
雑草に見えるけど雑草じゃない😅
グランドカバーです💕#クリーピングタイム、#グランドカバー、#雑草じゃない、#教会のお花、#ガーデニング、#ナチュラルガーデン、#プチプラ園芸 pic.twitter.com/WCYsxu7IKE— Hi!tsuji (@LWRz7vtqc5NULSi) June 28, 2023
クリーピングタイムの繁殖力は強いですが、負けじと雑草もその間から繁殖してきます。
雑草だけを抜くのはなかなか大変ですし、抜いてもまた生えてくる可能性はかなり高いです。
植えた覚えがないのだが、「クリーピングタイム」ってのが、たのグランドカバー系を駆逐しつつある。 pic.twitter.com/xTCx4Hn8yW
— 廣瀬慶二 / Hirose,Cage (@faunaplusdesign) April 21, 2022
他のグランドカバーを駆逐するほどの繁殖力があるので、植える場所には注意が必要です。
「植えた覚えがない」という点もクリーピングタイムの繁殖力の強さを感じさせますね。もしかすると近隣で植えられていたクリーピングタイムが根を張ってきたのかもしれません。
クリーピングタイムを植えて後悔しない育て方
ここまでは、クリーピングのデメリットや植えて後悔する理由と、グランドカバーとして用いた場合のメリットなどをご紹介しました。
多少のデメリットはあっても、やはり魅力的なハーブなので自宅の庭で育てたいという方もきっと多いことでしょう。
ここでは、クリーピングタイムを植えて後悔しないための育て方についてのポイントをご紹介します。
【後悔しないクリーピングタイムの育て方のポイント】
- 定期的な剪定や間引きで繁殖をコントロールする。
- 水はけの良い土壌を選び、過湿を避ける。
- 木質化を防ぐために、適切な時期に更新剪定を行う。
- 寿命を考慮し、数年ごとに植え替えを検討する。
- 虫除け目的で植える場合は、他のハーブとの併用を考える。
なお、クリーピングタイムの適切な育て方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。
ナメクジやカメムシなどの害虫忌避効果はある?
クリーピングタイムには一部の害虫を忌避する効果がありますが、それほど強くはありません。
クリーピングタイムの葉にはティモールという成分が含まれており、これが爽やかな香りを放ちます。 この香りは、人間にとっては心地よいものですが、害虫にとっては好まない香りであると言われています。
しかし、この効果は、ナメクジやカメムシなどの害虫にはあまり効果がないという報告もあります。また、クリーピングタイムは、アブラムシやハダニなどの小さな害虫にも被害を受けることがあります。(口コミを見ていると、クリーピングタイムの根元にナメクジがいたという話もあったほどです)

まとめ:クリーピングタイムを植えてはいけないと言われるデメリット
この記事では、クリーピングタイムの植えてはいけない理由とデメリットについてお伝えしました。
繁殖力が強く、他の植物の生育を阻害したり、雑草化したりする可能性があります。また、管理に手間がかかることもあります。
クリーピングタイムは、グランドカバーとして魅力的な植物ですが、植える場所や目的によっては、後悔することもあるかもしれないので、植える前に参考にしてみてください。