水耕栽培とは、土を使わずに水と液体肥料だけで植物を育てる方法です。
ハーブは水耕栽培に向いており、摘みたての香り高い状態で楽しめるのが大きな魅力です。そして、この水耕栽培は100均グッズだけで、しかも合計300円ほどで始められます。
「ハーブを育ててみたいけど、土いじりはちょっと…」という方こそ、ダイソーやセリアで揃う水耕栽培がおすすめです。
この記事では、100均で揃える材料と合計金額から、ダイソー・セリアで買えるもの、苗から最短で始める手順まで、初心者の方が今日から始められるように順を追って解説します。
ハーブの水耕栽培は100均グッズだけで始められる
ハーブの水耕栽培に必要なものは、実はとてもシンプルです。容器・苗(または種)・培地・液体肥料の4つが揃えば始められます。
そして、このうち容器・培地・種はすべて100均で揃います。まずは「何をいくらで買えばいいのか」を一覧で見てみましょう。
100均で揃える材料リストと合計金額【330円~】
苗から始める場合に、最低限必要なものは以下のとおりです。容器まで100均で揃える前提で、合計300円ほどで一式が揃います。
| アイテム | 購入場所 | 価格(税込目安) |
| 栽培容器(ガラス瓶・保存容器など) | ダイソー・セリア | 110円 |
| キッチンスポンジ(培地用) | ダイソー・セリア | 110円 |
| ハーブの種(2袋で100円) | ダイソー・セリア | 110円 |
| 液体肥料 ※ | ダイソーなど | 110円 |
| 合計 | 約330〜440円 | |
※液体肥料は園芸店やホームセンターの水耕栽培用(ハイポニカなど)を使うとより安定して育ちます。まずは100均でそろえたい場合は、ダイソーで販売されている液体肥料・活力剤でも代用できます(店舗・時期によって取り扱いが異なるため、店頭でご確認ください)。
アルミホイル(容器の遮光用)やハサミ・カッターは自宅にあるもので十分です。これらを含めても、初期費用は数百円に収まります。
ダイソー・セリア・キャンドゥで買えるハーブの種
ハーブの種は、ダイソーとセリアで2袋110円ほどで販売されています。キャンドゥは野菜・花の種が中心で、ハーブの種の取り扱いは少なめです(店舗により異なります)。
取り扱いのあるハーブの種には、主に以下のようなものがあります。
【ダイソー】
- バジル
- パセリ
- ローズマリー
- タイム
- ミント
- パクチー
- レモンバーム
【セリア】
- バジルとルッコラのセット
- レモンバームとタイムのセット など
【キャンドゥ】
ハーブの種の取り扱いは少なめ(野菜・花の種が中心)
取り扱い品種は店舗や時期によって変わります。初めての方には、発芽しやすく丈夫なバジル・ミント・レモンバームが育てやすくおすすめです。
苗から最短で始める!ハーブの水耕栽培の手順
「とにかく早く収穫したい」という方は、種からではなく苗から始めるのが一番の近道です。
園芸店やホームセンターのポット苗を使えば、種まきの工程を省いてすぐにスタートできます。
手順は以下のとおりです。
- ハーブの苗をポットから取り出し、根に付いた土を流水でやさしく洗い落とす(根を切らないよう注意)
- キッチンスポンジを容器の口に合わせて切り、中央に十字の切り込みを入れる
- 切り込みに苗の茎の根元を挟み込み、スポンジの下から根が出るようにする
- 容器に液体肥料を薄めた水を入れる(希釈倍率は製品の表示に従う)
- スポンジごと苗を容器にセットし、根の半分だけが水に浸かるように水位を調整する
- 直射日光を避けた明るい窓辺などに置く
ポイントは2つです。1つは土を完全に落とすこと。水の中に土が残ると、雑菌が繁殖して根腐れの原因になります。
もう1つは根を全部水に浸けないこと。根は水中から酸素を取り込めないため、根の半分は空気に触れさせておく必要があります。
水は1週間に1度を目安に、減った分を足し、2週間に1度はすべて新しい養液に交換しましょう。
100均グッズだけで種まきから始める方法
苗ではなく種から育てたい方向けに、100均グッズだけで種まきをする方法も紹介します。新鮮な発芽の様子を観察できるのが、種から育てる楽しさです。
必要なものは以下のとおりです。
- ハーブの種(ダイソー・セリア)
- イチゴパックなどの透明容器(自宅にあるもの)
- キッチンスポンジ(ダイソー・セリア)
- 水(自宅)
- ハサミ(自宅)
種とスポンジだけ買えば、あとは自宅にあるもので始められます。
種まきの準備
- イチゴパックの底に穴を空ける
- スポンジをカットして、イチゴパックにぴったり入るようにする
- スポンジに水を含ませて、しっとりさせる
- スポンジに十字の切れ込みを入れ、種が入るくらいの隙間を作る
種まきの手順
準備ができたら、以下の手順で種をまきます。
- スポンジの切れ込みに、種を1粒ずつ入れる
- 種が重ならないように注意する
- 受け皿に水を溜めておく
- 水を入れた受け皿の上に、イチゴパックを置く
- 明るく風通しの良い場所に置く(直射日光は避ける)
- 毎日水を取り替える
- 発芽したら、日光が当たる場所に移す
- 本葉が2〜3枚になったら、水耕栽培用の容器に植え替える
種まきも100均グッズだけで十分に可能です。発芽までは乾燥させないことが何より大切なので、水切れに注意しましょう。
水耕栽培に使うスポンジの選び方
スポンジは100均のキッチンスポンジで代用できますが、選び方にコツがあります。
- ウレタン製のものを選ぶ(切り込みを入れやすく、空気を通す)
- ネット付きのものは、ネットを外して中のウレタン部分だけを使う
- メラミンスポンジは使わない
メラミンスポンジ(白い四角い研磨スポンジ)は密度が高く空気を通しにくいため、発芽しづらく種まき用には向きません。
ネット付きのものは、ネットが発芽を妨げたりカビの原因になったりするので、中身のウレタンだけを使いましょう。
100均グッズで作る!おしゃれな水耕栽培の自作容器
水耕栽培の容器は、専用品を買わなくても100均グッズで代用できます。代用する場合は、以下の条件を満たす容器を選ぶと失敗しにくくなります。
| 条件 | 理由 |
| 水位が調整しやすい | 水位が高すぎると根腐れしやすく、低すぎると乾燥しやすいため、調整しやすい形が望ましい。 |
| 遮光できる(透明なら覆う) | 光が当たると藻が発生し、養分を奪って水質を悪化させる。透明な容器はアルミホイルや布で覆うとよい。 |
| 洗いやすい | 水や養液を定期的に交換する際、洗いやすい容器だと雑菌やカビの発生を防げる。 |
おしゃれに楽しみたい方には、以下の100均アイテムがおすすめです。
ガラス製の保存容器
ガラス製の保存容器は、水位が調整しやすく洗いやすい優秀な容器です。100均でも形やサイズが豊富で、好みのデザインを選ぶ楽しさがあります。
ただし透明度が高いので、藻の発生を防ぐために外側をアルミホイルや布で覆っておくと安心です。
ホーロー風フタ付き容器
セリアで人気のホーロー風フタ付き容器は、水位調整がしやすく、洗いやすく、不透明で遮光性も高いという、水耕栽培にうってつけの容器です。フタに穴を開けて植物を固定でき、持ち手付きで移動も楽です。
ペットボトルで手作りする方法
家にあるペットボトルでも、水耕栽培容器を手作りできます。安価でサイズも選べるのがメリットです。
- ペットボトルの上から1/3ほどのところをカッターで切り取る
- 飲み口を逆さにして、底側に被せる
- ペットボトルの周りにアルミホイルを巻く(遮光のため)
- 液体肥料を薄めた水を、底側に2/3〜3/4ほど注ぐ
- フェルトや紐を、飲み口から底に届くくらいまで垂らす(水を吸い上げる芯になる)
- 飲み口に、スポンジやハイドロボールなどの培地と苗をセットする
最後に、水がきちんと芯を伝って培地に届いているか確認しましょう。水は1週間に1度を目安に交換します。
100均のハイドロボールでも水耕栽培できる
スポンジのほかに、ハイドロボール(ハイドロカルチャー)を培地に使う方法もあります。
ハイドロボールとは、粘土を高温で焼いて作った人工の球状資材で、無数の小さな穴(多孔質)が水と空気を保持します。土と違って清潔で虫が寄りにくく、見た目もきれいなのでインテリアとしても楽しめます。
ハイドロボールは園芸店やホームセンターのほか、ダイソーでも購入できます。
ダイソーのハイドロボールは発泡煉石という素材ででき、多孔質で通気性に優れ、高温処理されているため雑菌や悪臭がほとんどありません。
水耕栽培で育てやすいハーブの種類
ハーブの中でも、特に水耕栽培で育てやすい種類があります。初心者の方は、まずこの中から選ぶと失敗しにくいでしょう。
| ハーブ | 特徴 |
| ミント | 爽やかな香りが特徴。お茶やデザートに。水挿しでも簡単に増やせる、特に丈夫な品種。 |
| バジル | 料理に使いやすい定番ハーブ。茎の節から根が出やすく、水挿しでも育てやすい。 |
| レモンバーム | レモンのような香り。ティーやジャムに。水挿しで簡単に増やせる。 |
| クレソン | 辛味と苦味が特徴。サラダやスープに。種から水耕栽培しやすい。 |
| イタリアンパセリ | クセが少なく使いやすい。料理の彩りに。室内でも育てやすい。 |
このほか、タイム・ローズマリー・チャービル・ルッコラ・ディルなども水耕栽培が可能です。
ローズマリーやタイムなどの木質化するハーブは、種からよりも苗や挿し木からのほうが手軽に育てられます。
ハーブを水耕栽培するときの管理のコツ
水耕栽培は土耕に比べて手間が少ないですが、いくつか押さえておきたい管理のポイントがあります。
水の管理(水換えのタイミング)
水は植物の生命線です。汚れたり腐ったりすると、成長を妨げたり根腐れを招いたりします。水換えの頻度の目安は以下のとおりです。
- 液体肥料を使っている場合:1週間に1回(減った分は随時足す)
- 水だけで育てている場合:2〜3日に1回
水が濁ったりぬめったりしたら、目安より早くてもすぐに交換しましょう。特に夏場は水温が上がって雑菌や藻が繁殖しやすいため、こまめな交換が必要です。
水換えの際は、容器をしっかり洗ってから新しい水(養液)を入れ、根を傷つけないよう植物を戻します。常温〜ぬるま湯を使い、冷たすぎる・熱すぎる水は避けましょう。
液体肥料の種類と与え方
水耕栽培では、土から養分を得られないぶん、液体肥料で栄養を補います。肥料は必ず内容を確認して使いましょう。
肥料は原料によって、工場で化学的に作られる化学肥料(無機質肥料)と、動植物由来の有機肥料に大きく分けられます。化成肥料はこの化学肥料に含まれます。また、肥料の形には液体と固体があり、これは原料とは別の分類です。
水耕栽培では、水に溶けやすく植物がすぐ吸収できる水耕栽培用の液体肥料(無機質タイプ)が適しています。有機肥料は水中で腐敗しやすく、雑菌や藻の繁殖を招きやすいため、室内の水耕栽培にはあまり向きません。
代表的な水耕栽培用の液体肥料には、以下のようなものがあります。
| 商品名 | 特徴 |
| ハイポニカ | 水耕栽培用に開発された2液式。A液とB液を混ぜて使い、長期間安定して必要な成分を与えられる。 |
| 微粉ハイポネックス | 水に溶かして使う粉末タイプ。カリウムとカルシウムが豊富で、植物を丈夫にする。 |
| ベジタブルライフA | 1本で必要な成分を与えられる液体肥料。混ぜる手間がなく、水耕・土耕どちらでも使える。 |
希釈倍率は商品ごとに異なるため、必ず製品の表示に従ってください。
なお、初心者のうちは表示よりやや薄め(例:水耕栽培用なら表示の2倍程度に薄める)から始めると、肥料の濃すぎによる枯れを防げて安心です。
肥料を与えるのは、種からなら発芽後2週間ほど、苗からなら植え付け後1週間ほどを目安にしましょう。
光と温度
ハーブは光合成をするため、光と温度が成長を左右します。直射日光は避け、明るい日陰や窓際で管理しましょう。適した温度は15〜25℃程度です。
夏場は涼しく、冬場は暖かく保つことが大切です。日当たりが悪い場所では、植物育成用のLEDライトを補助に使う方法もあります。
病害虫への対処
水耕栽培は土を使わないぶん害虫や病気が出にくいですが、完全には防げません。
葉や茎の状態を定期的にチェックし、早めに対処しましょう。主な病害虫は以下のとおりです。
| 病害虫 | 症状と対処法 |
| アブラムシ | 葉裏や茎に小さな虫が付く。手で取り除くか、薄めたアルコールスプレーや市販の殺虫剤で駆除する。 |
| ハダニ | 葉裏に細かい網目状のものが付く。葉水(霧吹き)を嫌うため予防になる。発生したら水洗いで落とす。 |
| うどんこ病 | 葉に白い粉をふいたような斑点が出る。風通しを良くして予防し、発生部分は早めに取り除く。 |
| 炭疽病(たんそびょう) | 葉や茎に灰色〜黒褐色の斑点が出て、病斑部が枯れる。カビ(糸状菌)が原因。罹患部を切り取って処分し、殺菌剤で対処する。 |
カビが原因の病気(炭疽病・うどんこ病など)にはアルコールは効果が薄いため、罹患部の除去と殺菌剤での対処が基本です。
アルコールスプレーはアブラムシなどの害虫向けと覚えておきましょう。
ハーブの水耕栽培に関するよくある質問
最後に、ハーブの水耕栽培でよくある疑問にお答えします。
水耕栽培でも根腐れする?
根が常に水に浸かっていても、水耕栽培で根腐れは起こり得ます。主な原因は根の酸素不足です。植物は根から酸素を取り込んで呼吸しているため、根全体が水に浸かると酸素が足りなくなります。
防ぐには、根の半分だけを水に浸け、残り半分は空気に触れさせること、水をこまめに交換して清潔に保つこと、そして葉や茎を適度に剪定して株を育ちすぎないようにすることが効果的です。
水の深さはどれくらい必要?
種類や容器にもよりますが、基本は根の半分が水に浸かる程度が適切です。
水が多すぎると根が酸素不足になり、少なすぎると乾燥して養分を吸えなくなります。
水量を確認しやすいよう透明な容器を使う場合は、藻の発生を防ぐために外側を遮光しておきましょう。
挿し木でも育つ?
多くのハーブは挿し木でも育ちます。特にミント・バジルは茎の節から根が出やすく、水に挿すだけで発根します。ローズマリー・タイム・ゼラニウムなども挿し木が可能です。
挿し木をするときは、健康な茎を選び、水に浸かる部分の葉は取り除き(腐敗防止)、毎日水を替えて清潔に保つのがコツです。
まとめ:ハーブの水耕栽培は100均で気軽に始められる
ハーブの水耕栽培は、容器・種・スポンジ・液体肥料をダイソーやセリアで揃えれば、合計300円ほどで始められます。
苗から始めれば最短で収穫まで楽しめますし、種からじっくり育てる楽しみもあります。容器を工夫すれば、キッチンや窓辺のおしゃれなインテリアにもなります。
ポイントは、土をしっかり落とすこと、根の半分だけを水に浸けること、水と液体肥料をこまめに管理すること。この3つを押さえれば、初心者の方でも失敗しにくくなります。
ぜひ100均グッズで、摘みたての新鮮なハーブのある暮らしを始めてみてくださいね。