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レモングラスの育て方|冬越しのコツから収穫・増えすぎ対策まで解説

2024年6月12日

レモングラスは、レモンによく似たさわやかな香りを持つハーブです。タイ料理やハーブティーに使われるほか、虫除けやアロマとしても親しまれており、自宅で育てれば摘みたての香りを存分に楽しめます。

ただ、レモングラスは熱帯生まれの植物なので、日本で育てるうえでは「冬を越せるか」が最大のポイントになります。逆に夏の暑さには非常に強く、生育もおう盛なので、暖かい季節はぐんぐん大きく育ってくれます。

この記事では、苗の植え付けから日々の管理、収穫、そして一番つまずきやすい冬越しの方法まで、レモングラスの育て方を順を追って解説します。「増えすぎる」「植えてはいけない」と言われる理由についても、事実に沿って整理していきます。

レモングラスとは?|基本データ

レモングラスは、イネ科オガルカヤ属に分類される多年草のハーブです。学名は Cymbopogon citratus といい、南インドやスリランカなど東南アジアを原産とします。ススキを思わせる細長い葉が特徴で、生育すると草丈は1mを超え、大株になります。

名前のとおりレモンに似た香りを持ちますが、植物としてはレモンとは無関係です。香りのもとになる成分はシトラールで、この爽やかな香りが料理やお茶、精油として世界中で利用されています。

熱帯原産だけあって暑さには非常に強い一方、寒さには弱く、日本の屋外で冬を越せるのは暖地に限られます。この性質を理解しておくことが、栽培成功の第一歩です。

栽培カレンダー

レモングラスの一年の流れを表にまとめました。地域や気候によって前後しますので、お住まいの環境に合わせて調整してください。

作業・時期 目安
種まき 4月〜6月(発芽適温20〜25℃)
苗の植え付け 遅霜の心配がなくなる初夏(5月〜)
収穫 7月〜10月頃
切り戻し・冬越し準備 初秋〜冬前

レモングラス栽培の特徴|育てる前に知っておきたいこと

レモングラスを上手に育てるには、まずこのハーブの基本的な性質を押さえておくことが大切です。次の4点を頭に入れておくと、管理の判断に迷いません。

日光が大好き

レモングラスは日当たりを好む植物です。半日陰や遮光はかえって生育を弱らせます。よく日が当たり、風通しの良い場所に置くことで、香りも株の勢いもしっかり育ちます。

暑さに強く、寒さに弱い

真夏の高温はむしろ得意分野で、日本の暑い夏にもよく耐えます。問題は冬で、気温が5℃を下回ると生育が止まり、霜に当たると枯れてしまいます。冬越しが栽培最大の課題です。

生育がおう盛で大株になる

適した環境では、初夏に植えた小さな苗が秋には大きな株に育ちます。地植えでは特によく茂るため、植える場所のスペースに余裕を持たせる必要があります。

苗から育てるのが手軽

種からも育てられますが、種は小さく軽くて発芽率も高くないため、初心者には苗からのスタートがおすすめです。苗なら根の張りも早く、管理も格段に楽になります。

苗の選び方と植え付け

失敗を避けたいなら、市販の苗から育てるのが確実です。

苗の選び方

レモングラスの苗は、春ごろからハーブ苗として園芸店や通販に出回ります。葉の色が良く、生き生きとして勢いのある株を選びましょう。

植え付けの時期

レモングラスは寒さに弱いため、遅霜の心配がなくなった初夏に植え付けるのが基本です。5月から初夏までの気候が安定した時期に植え、夏の間にしっかり大きく育てておくと、その後の冬越しの成功率も高まります。秋に購入した苗は、その年は鉢植えで育て、地植えにするなら翌年以降にしましょう。

鉢植えの場合

レモングラスは大きく育つため、7〜10号鉢や深さ30cmほどのプランターなど、大きめの容器を選びます。市販のハーブ用培養土を使い、鉢底に鉢底石を敷いて水はけを良くしておきます。日なたを好むので、よく日が当たる場所に置いてください。複数株を植えるときは株間を30cmほどとります。

地植えの場合

地植えは酸性土壌を嫌うので、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰と堆肥をすき込んで土づくりをしておきます。草丈が1m以上に育つため、株間は60cmほど広めにとって、混み合わないようにします。

種から育てる方法

種から挑戦する場合は、4月〜6月が適期です。発芽には20〜25℃ほどの暖かさが必要になります。

  • 種は小さく軽くて流れやすいので、直まきよりも育苗ポットにまくのがおすすめ。
  • 培養土を入れたポットを湿らせ、種をまく。発芽率が高くないので、やや多めにまいておくと安心。
  • 乾燥させないように管理すると、おおむね7〜10日ほどで発芽する。
  • 本葉が出て勢いの良い芽を残し、込み合った芽は間引く。苗が10cmほどに育ったら、大きな鉢や地面へ植え替える。

発芽したばかりの株はデリケートなので、強い日差しや風から守りながら、ゆっくり育てていきましょう。

日々の管理(水やり・肥料)

植え付けが終われば、その後の管理はそれほど手がかかりません。ポイントは、地植えと鉢植えで水やりの考え方を分けることです。

置き場所

よく日が当たり、風通しの良い場所が最適です。日照不足は生育の鈍りや香りの低下につながります。

水やり

地植えの場合、根づいてからは基本的に水やりは不要で、自然の雨にまかせて構いません。晴天が続いて土がひどく乾くときだけ補えば十分です。一方、鉢植えは土が乾きやすいので、表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり与えます。いずれも真夏は朝夕の涼しい時間帯に水やりするのがおすすめです。

肥料

レモングラスは葉を茂らせるため、窒素分を含む肥料を好みます。地植えなら植え付け時に堆肥を入れておけば十分育ちますが、鉢植えは肥料が流れやすいので、成長期に緩効性肥料や液体肥料を定期的に補います。液体肥料を使う場合は、月1回ほどを目安にします。与えすぎは根を傷める原因になるので、適量を守りましょう。

病害虫

強い香りのおかげで、目立った病害虫の被害はほとんどありません。まれにハダニがつくことがある程度なので、風通しを良く保ち、日頃から株を観察して早めに対処すれば十分です。

収穫の方法と時期

株が十分に茂ってきたら、いよいよ収穫です。

収穫の目安

茎が太くなり、葉が30cm以上に伸びて株がしっかり茂ってきたら収穫適期です。時期としては7月〜10月頃が目安になります。

収穫の仕方

使いたい分だけ、株元から10cmほど残してハサミでカットします。茎を根元から完全に刈り取らず上部を収穫するようにすれば、また新しい茎が伸びて繰り返し収穫できます。

ひとつ注意したいのが、葉の両ふちが鋭く、手を切りやすいことです。慣れるまでは素手でちぎらず、ハサミを使うと安全です。なお、株元近くの少しふくらんで柔らかい部分は香りが高く、刻んだりすりおろしたりして薬味のように使えます。

収穫後の保存

収穫した葉はそのままだと乾燥してしまうので、フレッシュで使いたいときは使う分だけその都度収穫するのがおすすめです。多く採れたときは、2〜3cmに刻んで乾燥させればドライハーブとして、また冷凍でも長く保存できます。

レモングラスの冬越し【最重要】

日本でレモングラスを育てるうえで、最大の山場が冬越しです。熱帯原産のため、関東以北など寒さの厳しい地域では、何もしないと冬に枯れてしまいます。

鉢植えの冬越し

鉢植えなら、冬の間は室内の明るく暖かい場所に取り込むのが最も確実です。気温が5℃以上に保てる環境が望ましく、窓際などできるだけ日の当たる場所に置きます。

地植えの冬越し

地植えの場合は、初秋に地際から10cmほどの高さに切り戻し、株元をわらや腐葉土、黒マルチなどで覆って寒さから守ります。東京などの平野部では地植えのまま越冬できることもありますが、寒冷地では難しいため、鉢上げして室内に取り込むほうが安全です。

冬の水やりと、生死の判断

冬はレモングラスの生育が止まるため、水やりは控えめにして乾燥気味に保ちます。地上部が枯れたように見えても、株元が生きていれば春に再び芽吹きます。葉が出てくるのは気温が安定して高くなってからなので、冬越しに成功したかどうかの判断は6月頃まで待つのが賢明です。春になったらマルチングを外し、肥料を再開しましょう。

レモングラスの増やし方(株分け)

株が大きく育ったら、株分けで増やすことができます。生育がおう盛で植え替え後の回復も早いため、株分けの適期は春から初夏です。

大株になったレモングラスは根がしっかり締まって固く、手で分けるのは難しいので、まず葉を株元10cmほどで刈り込んでから掘り上げ、切れ味の良いハサミやスコップで株を切り分けます。それぞれに健康な根と葉が付くように分けるのがポイントです。分けた株をポットや新しい場所に植え付け、たっぷり水を与えれば完了です。古くなった株を若返らせたいときにも有効な方法です。

「レモングラスが増えすぎる」を防ぐには

レモングラスは草勢が強く、地植えにすると大株に育って想像以上に場所を取ることがあります。広がりすぎを防ぐには、次の工夫が有効です。

  • 定期的に収穫・刈り込みをする:こまめに収穫して茂りすぎを抑える。
  • 鉢ごと植える:鉢やプランターに植えたまま庭に置く方法なら、根の広がりを物理的に抑えられる。
  • 植える場所を計画する:最初から広めのスペースを確保し、周囲の植物と間隔をあけて植える。

レモングラスは日本ではめったに花を咲かせず、こぼれ種でやみくもに広がるタイプではありません。地下で大株化していくイメージなので、株のサイズを管理すれば十分コントロールできます。

レモングラスは植えてはいけない?

レモングラスは「植えてはいけない」と言われることがあります。これは主に、生育がおう盛で大株になり場所を取ること、そして寒さに弱く植えっぱなしでは冬を越せないことが理由です。

ただ、どちらも鉢植えにして冬は室内に取り込んだり、こまめに刈り込んだりすれば対処できるため、「絶対に植えてはいけない」というわけではありません。理由と対処法、植えるか迷っている方に向けた向き不向きの判断は、レモングラスを植えてはいけないと言われる理由の記事で詳しく解説しています。

レモングラス栽培でよくあるトラブルと対処法

最後に、つまずきやすいポイントと対処法をまとめます。

葉の色が薄い・元気がない

日照不足や肥料切れが原因のことが多いです。よく日の当たる場所に移し、成長期であれば液体肥料を補ってみましょう。

葉先が枯れてくる

鉢植えの水切れや、室内冬越し中の乾燥が原因として考えられます。鉢植えは土の表面が乾いたらしっかり水やりを。ただし冬の休眠期は乾燥気味が基本なので、季節によって水やりの考え方を変えるのがコツです。

冬を越せず枯れてしまった

最も多い失敗が冬越しです。寒冷地では地植えのままにせず、秋までに鉢上げして室内へ。判断は6月頃まで待ち、それでも芽吹かなければ翌年は鉢植えに切り替えると安心です。

レモングラスの活用法

育てたレモングラスは、さまざまな形で楽しめます。定番はハーブティーで、葉を刻んでお湯を注ぐだけで爽やかな香りのお茶になります。レモンバームやミントとブレンドしても好相性です。トムヤムクンなどのタイ料理の香りづけにも欠かせません。

また、強い香りには防虫効果も期待され、虫除けとしても利用されています。レモングラスの虫除けグッズの効果について、こちらで詳しく紹介しています。

まとめ:レモングラスの育て方のポイント

レモングラスは、日当たりと風通しの良い場所を好み、暑い夏にもよく育つ丈夫なハーブです。病害虫にも強く、暖かい季節の管理はそれほど手がかかりません。

育てるうえでの要点を振り返ると、初夏に苗を植えて夏のうちに大きく育てること。日光をたっぷり当て、水やりは地植えと鉢植えで分けて考えること。そして何より、寒さに弱いので冬越しを計画的に行うことです。

冬越しの工夫さえできれば、毎年くり返し収穫を楽しめる頼もしいハーブです。爽やかな香りのある暮らしを、ぜひ自家栽培で味わってみてください。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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