広告 ハーブの知識

グランドカバーにおすすめのハーブ10選|踏みつけに強い種類・虫除け・日陰向けまで目的別に紹介

2024年5月28日

庭の雑草取りは、ガーデニングの中でもっとも報われない作業のひとつです。抜いても抜いても生えてくる雑草への対策として有効なのが、地面を植物で覆ってしまう「グランドカバー」という方法です。

なかでもハーブは、地面を覆って雑草を抑えるだけでなく、香りや花も楽しめて、種類によっては料理やハーブティーにも使える一石二鳥、三鳥の存在です。

ただし、ハーブなら何でもグランドカバーに使えるわけではありません。上に伸びるタイプや、踏まれると弱るタイプを選んでしまうと失敗します。

この記事では、グランドカバーに本当に向いているハーブを「踏みつけに強い」「虫除け効果が期待できる」「日陰でも育つ」「寒冷地でも冬越しできる」という目的別に紹介します。筆者は北海道在住なので、寒冷地での冬越しについては実体験も交えてお伝えします。

ハーブがグランドカバーに向いている理由と選び方

ハーブがグランドカバーに向いている理由は、大きく3つあります。

  • 繁殖力が強く、地面を密に覆う:地面に日光が届かなくなるため、雑草が発芽しにくい環境を作れます。
  • 丈夫で手がかからない:もともと野草に近い植物なので、一度根付けば水やりや肥料がほとんど不要な種類が多くあります。
  • 香り・花・実用性のおまけ付き:歩くたびに香りが立ち、種類によっては虫が嫌う香り成分を持つものもあります。

一方で、グランドカバー用のハーブを選ぶときに外せない条件があります。それは「草丈が低く、横に這って(ほふくして)広がる性質であること」です。

同じハーブでも、立ち上がって伸びるタイプはグランドカバーには向きません。たとえばタイムなら、立性のコモンタイムではなく、ほふく性の「クリーピングタイム」を選ぶ、ミントなら横に密に広がる「ペニーロイヤルミント」を選ぶ、といった品種レベルでの選択が成功のカギになります。

【芝生代わりに】踏みつけに強いグランドカバーハーブ

人が歩く通路や、子どもが遊ぶスペースに植えるなら、踏みつけへの強さが最優先条件です。芝生の代わりとして使える代表的な2種を紹介します。

クリーピングタイム

  • 科名:シソ科 / 常緑多年草(小低木)
  • 草丈:約5〜10cm
  • 日照:日なた〜半日陰
  • 耐寒性:非常に強い(寒冷地OK)

グランドカバーハーブの定番中の定番です。地面を這うように広がり、踏まれてもダメージが少なく、踏むたびにスッとした清涼感のある香りが立ちます。

初夏にはピンク〜薄紫の小さな花が一面に咲き、満開時は「花のじゅうたん」と呼びたくなる美しさです。常緑性なので、冬でも地面が寂しくなりにくいのも長所です。

乾燥には強い反面、日本の梅雨時の蒸れにはやや弱いので、株が混み合ってきたら梅雨前に軽く刈り込んで風通しを良くしてあげると長持ちします。

ローマンカモミール

  • 科名:キク科 / 多年草
  • 草丈:約10〜30cm
  • 日照:日なた〜半日陰
  • 耐寒性:強い

カモミールには一年草のジャーマン種と多年草のローマン種がありますが、グランドカバーに使うのは草丈の低いローマンカモミールです。

葉に触れたり踏んだりすると、リンゴに似た甘い香りが広がるのが最大の魅力。ヨーロッパでは古くから「カモミールの芝生(カモミールローン)」として親しまれてきた歴史があります。花を咲かせず葉が密に茂る芝生専用品種「トレネーグ」も流通しています。

なお、高温多湿の蒸れが苦手なので、温暖な地域では夏越しに少し注意が必要です。逆に寒さには強く、冷涼な地域では育てやすいハーブです。

【虫除け効果も期待】香りの強いグランドカバーハーブ

ハーブの香り成分の中には、蚊などの虫が嫌うとされるものがあります。「植えるだけで蚊が完全にいなくなる」というほどの効果はありませんが、葉に触れたときに香りが立つ場所(通路脇やテラス周りなど)に植えると、心地よい香りと防虫の補助効果の両方が期待できます。

ペニーロイヤルミント

  • 科名:シソ科 / 多年草
  • 草丈:約10〜30cm
  • 日照:日なた〜半日陰
  • 耐寒性:強い

数あるミントの中でも、グランドカバー用として選ばれるのがペニーロイヤルミントです。スペアミントやアップルミントのように立ち上がらず、横へ横へと密に広がっていく性質があるためです。

強いミントの香りには、アリやノミを遠ざける効果があるとされ、古くから防虫ハーブとして利用されてきました。犬小屋の周りやテラスの縁取りに植えられることもあります。

ただし2つ重要な注意点があります。1つ目は、ペニーロイヤルミントは他のミントと違い食用には向かないこと(プレゴンという成分を多く含むため、口に入れる用途には使わないでください)。2つ目は、ミント共通の性質として地下茎で猛烈に広がるため、植える範囲を仕切りで区切る「根止め」が必須であることです。詳しくは後述の注意点の章で解説します。

ラベンダー(※踏まない場所の縁取り向け)

  • 科名:シソ科 / 常緑低木
  • 草丈:約30〜80cm
  • 日照:日なた
  • 耐寒性:系統による(イングリッシュ系は寒冷地向き、ストエカス系は暖地向き)

ラベンダーの香りは虫が嫌うとされる代表的なもので、ポプリや防虫サシェの原料としてもおなじみです。

ただし正確に言うと、ラベンダーは草ではなく「低木」で、草丈もあるため、地面に張り付くタイプのグランドカバーではありません。踏まれることにも強くないので、人が歩く場所には不向きです。

向いているのは、花壇や通路の「縁取り」、玄関アプローチの両脇など、踏まれない場所での面的な植栽です。低めに列植すれば、雑草を抑えつつ、初夏には香りの良い花の帯を楽しめます。北海道・富良野のラベンダー畑が示すとおりイングリッシュラベンダーは寒さに非常に強い一方、高温多湿には弱いので、温暖な地域では蒸れに強い系統(ラバンディン系など)を選ぶと失敗が減ります。

【日陰・湿気に強い】グランドカバーハーブ

建物の北側や塀沿いなど、日当たりの悪い場所は雑草対策にいちばん困るゾーンです。日陰や湿り気に耐えるハーブを選びましょう。

ミント類(スペアミント・アップルミントなど)

ミントは半日陰や湿り気のある土でもよく育つ、日陰ゾーンの強い味方です。やや湿った土壌をむしろ好むため、ジメジメして他の植物が育ちにくい場所でも緑を保ってくれます。

繰り返しになりますが、地下茎の拡散力が非常に強いため、根止めなしの地植えは厳禁です。管理できる範囲に限定して植えれば、葉はミントティーや料理にも使えて実用性は抜群です。

グレコマ(カキドオシ)

  • 科名:シソ科 / 多年草
  • 草丈:約5〜15cm(つるは長く伸びる)
  • 日照:半日陰〜日陰
  • 耐寒性:強い

カキドオシは日本にも自生するシソ科のハーブで、斑入り葉の園芸品種が「グレコマ」の名前で流通しています。つる状の茎が地面を這い、節から根を下ろしながらどんどん広がるため、日陰のグランドカバーとして優秀です。丸い葉に触れるとシソ科らしい爽やかな香りがします。繁殖力が強いので、広がりすぎたら適宜整理しましょう。

ワイルドストロベリー

  • 科名:バラ科 / 多年草
  • 草丈:約10〜20cm
  • 日照:日なた〜半日陰
  • 耐寒性:非常に強い

小さなイチゴの実がなるハーブとして人気のワイルドストロベリー。ランナー(つる)を伸ばして子株を増やしながら広がっていくため、半日陰のグランドカバーに使えます。白い花、赤い実、緑の葉と見どころが多く、実はジャムやお茶にも利用できます。寒さに非常に強いのも魅力です。

スイートバイオレット(ニオイスミレ)

  • 科名:スミレ科 / 多年草
  • 草丈:約10〜15cm
  • 日照:半日陰(夏の直射日光は苦手)
  • 耐寒性:強い

甘い香りの花を咲かせるスミレの仲間で、香水の原料にもなる香りのハーブです。落葉樹の下のような明るい日陰を好み、こぼれ種やランナーで自然に広がっていきます。早春、まだ庭が寂しい時期に紫の花と香りを楽しめるのが魅力です。

番外編:リッピア(ヒメイワダレソウ)は植えてもいい?

グランドカバーの定番としてよく名前が挙がるのがリッピア(ヒメイワダレソウ)です。クマツヅラ科の多年草で、厳密には「ハーブ」というより緑化植物ですが、踏みつけに強く、密に茂って雑草を強力に抑え、初夏には白い小花が一面に咲くため人気があります。

実際にドッグランのグランドカバーとして使っている方もいます。

ただし、植える前に必ず知っておきたい注意点があります。ヒメイワダレソウは南米原産の外来植物で、その繁殖力の強さから環境省の「生態系被害防止外来種リスト」で重点対策外来種に指定されています。特定外来生物のように栽培が禁止されているわけではありませんが、庭の外(周囲の空き地や水路、畦など)へ逸出させないよう、縁をしっかり区切って管理することが前提になります。

また、暖地では常緑を保つこともありますが、寒冷地では冬に地上部が枯れます。冬の間も緑を保ちたい場合や、管理に自信がない場合は、在来種のイワダレソウや、ここまで紹介したクリーピングタイムなどを選ぶほうが安心です。

耐寒性が強く北海道でも冬越しできるグランドカバーハーブは?

筆者は北海道在住ですが、本州の園芸記事でおすすめされているグランドカバーが、寒冷地ではあっさり枯れてしまうことは珍しくありません。北海道クラスの寒さでも冬越しできる、耐寒性の強いハーブを挙げます。

  1. クリーピングタイム:耐寒性は抜群で、雪の下でも根が生きて春に再生します。草丈が低く雪の重みにも強いため、寒冷地のグランドカバーとして最有力候補です。雨上がりや雪解け後にタイムの広がった場所を歩くと、爽やかな香りが立ちのぼります。
  2. ミント類:寒さには非常に強く、冬に地上部が枯れても地下茎が生き残り、春にまた芽吹きます(それだけに根止めは忘れずに)。
  3. オレガノ:シソ科の多年草で耐寒性が強く、寒冷地でも宿根して毎年茂ります。料理用ハーブとしても定番です。
  4. ワイルドストロベリー:もともと冷涼な気候を好む植物で、寒冷地との相性は良好です。
  5. ユキノシタ:常緑性で日陰と湿気に強く、寒さにもよく耐える和のグランドカバーです。北側の通路沿いなど、他の植物が育ちにくい場所で活躍します。

逆に、ローズマリーやストエカス系ラベンダーなど地中海原産の低木ハーブは、北海道の露地での冬越しは難しいことが多いので、寒冷地では鉢植えにして冬は取り込むのが無難です。

グランドカバーハーブのスペック早見表

ハーブ名 草丈 常緑性 踏みつけ 日照 耐寒性
クリーピングタイム 5〜10cm 常緑 日なた〜半日陰
ローマンカモミール 10〜30cm 常緑(暖地) 日なた〜半日陰
ペニーロイヤルミント 10〜30cm 冬は枯れ込む 日なた〜半日陰
ラベンダー 30〜80cm 常緑 × 日なた 系統による
ミント類 30〜60cm 冬は枯れ込む 日なた〜日陰
グレコマ 5〜15cm 半常緑 半日陰〜日陰
ワイルドストロベリー 10〜20cm 常緑 日なた〜半日陰
スイートバイオレット 10〜15cm 半常緑 半日陰
オレガノ 30〜60cm 冬は枯れ込む 日なた
リッピア(参考) 5〜10cm 暖地のみ常緑 日なた △(寒冷地は地上部枯れ)

※生育環境により差があります。◎=強い/○=比較的強い/△=やや弱い・条件次第/×=弱い

植える前に知っておきたい注意点

グランドカバーに向くハーブは「繁殖力が強い」植物です。これはメリットであると同時に、管理を誤ると「増えすぎて困る」原因にもなります。

ミント類は「根止め」をしてから植える

ミントは地下茎を四方に伸ばして広がり、気づいたときには花壇全体を占領し、他の植物を駆逐してしまうことがあります。地植えする場合は、植える範囲の周囲に板やプラスチック製の仕切り(根止め)を深さ20〜30cmほど埋め込み、地下茎の侵入を物理的に防ぎましょう。手軽な方法としては、底を抜いた大きめの鉢ごと地面に埋めるやり方もあります。

リッピアは庭の外に逸出させない

前述のとおり、リッピア(ヒメイワダレソウ)は重点対策外来種です。植える場合は縁石やレンガなどで範囲を区切り、刈り取った茎を庭の外に放置しない(節から発根します)など、周囲の環境に広げない管理を徹底してください。

「増えすぎるハーブ」は植える場所をよく考える

今回紹介したハーブの多くは、一度定着すると簡単には取り除けません。「とりあえず空いている場所に」ではなく、5年後もそのハーブに覆われていてよい場所かどうかを考えてから植えるのが、後悔しないコツです。繁殖力の強い植物を庭に植える際の注意点は、別記事の「植えてはいけない」シリーズでも詳しく解説しています。

グランドカバーハーブを長持ちさせる管理のコツ

「植えっぱなしでOK」が魅力のグランドカバーハーブですが、最低限のポイントを押さえるとぐっと長持ちします。

  • 植え付け直後だけは水やりを:根付くまでの数週間は、土が乾いたらたっぷり水を与えます。根付いた後は基本的に降雨任せで大丈夫です。
  • 梅雨前の刈り込みで蒸れを防ぐ:タイムやカモミールなど地中海系のハーブは多湿が苦手です。梅雨入り前に混み合った部分を刈り込み、風通しを確保しましょう。刈った枝は乾燥させてポプリやハーブティーに活用できます。
  • 肥料はほぼ不要:ハーブはやせ地でも育つ植物が多く、肥料を与えすぎるとかえって香りが弱くなったり、徒長して蒸れやすくなったりします。
  • 数年に一度の更新:株が古くなって中心部が枯れ込んできたら、挿し木や株分けで若い株に更新すると、きれいな状態を保てます。

まとめ:目的に合わせてグランドカバーハーブを選ぼう

グランドカバーに向くハーブ選びのポイントを整理します。

  • 人が歩く場所には、踏みつけに強いクリーピングタイムローマンカモミール
  • 虫除け効果も狙うならペニーロイヤルミント(食用不可・根止め必須)や、縁取りにラベンダー
  • 日陰や湿った場所にはミント類・グレコマ・ワイルドストロベリー・スイートバイオレット
  • 北海道などの寒冷地ではクリーピングタイム・ミント・オレガノ・ワイルドストロベリー・ユキノシタ
  • 繁殖力の強さは諸刃の剣。根止めや範囲の区切りをしてから植えるのが鉄則

条件に合うハーブを選べば、雑草取りの手間が減るだけでなく、歩くたびに香りが立つ気持ちのよい庭になります。まずは小さな範囲から試して、お庭との相性を確かめてみてください。



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  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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