「番茶は夜でも飲める?」「妊娠中や子どもにも大丈夫?」と、番茶のカフェイン量が気になっている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、番茶のカフェイン量は浸出液100mlあたり約10mgで、これは煎茶のおよそ半分にあたります。日本茶の中でも控えめなため、カフェインを抑えたいシーンでも選ばれやすいお茶です。
この記事では、日本食品標準成分表をもとにした番茶のカフェイン量と、よく比較されるほうじ茶・煎茶との違い、さらに番茶を選ぶ際のポイントや、カフェインを抑える淹れ方までわかりやすく解説します。
番茶のカフェイン量は100mlあたり約10mg
番茶のカフェイン量は、文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、浸出液100mlあたり約10mgとされています。これは煎茶(約20mg)の約半分、コーヒー(約60mg)の約6分の1にあたる量です。
一般的な湯のみ1杯の容量は60〜100ml程度なので、番茶1杯あたりおよそ6〜10mgのカフェインを摂取する計算になります。日本茶の中でも控えめな部類であり、カフェインが気になる方や、夜にお茶を楽しみたい方にも向いているといわれています。
ただし、カフェイン量は茶葉の種類・摘採時期・淹れ方(湯温や抽出時間)によって変動します。あくまで目安としてとらえておくとよいでしょう。
そもそも番茶とは?カフェインが少ない理由
番茶とは、日本茶の主流からやや外れた、日常使いのお茶を指す総称です。一般的な煎茶が若い新芽を使うのに対し、番茶は遅い時期に摘まれた硬い葉や茎、あるいは煎茶の製造過程で選り分けられた大きな葉などを原料とします。
番茶のカフェインが少ないのは、この原料の違いによるものです。お茶のカフェインは初夏の若い芽に多く含まれ、収穫時期が遅く葉が成熟するほど少なくなる性質があります。そのため、成熟した葉や茎を使う番茶は、自然とカフェインが控えめになるのです。
なお「番茶」という呼び名には、新芽を使う高級茶に対する「番外のお茶」という意味のほか、「日常の・実用の」を表す「番」から来たとする説、遅摘みの「晩茶」が転じたとする説などがあります。
番茶とほうじ茶・煎茶のカフェイン量を比較
番茶のカフェイン量が少ないことは、他のお茶と並べてみるとよりはっきりわかります。日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに、主なお茶やコーヒーのカフェイン量を一覧にまとめました。
| 種類 | カフェイン量(浸出液100mlあたり) | 浸出方法の目安 |
| 玉露 | 約160mg | 茶10g、60℃ 60ml、2.5分 |
| コーヒー | 約60mg | 粉末10g、熱湯150ml |
| 紅茶 | 約30mg | 茶5g、熱湯360ml、1.5〜4分 |
| 煎茶 | 約20mg | 茶10g、90℃ 430ml、1分 |
| ほうじ茶 | 約20mg | 茶15g、90℃ 650ml、0.5分 |
| ウーロン茶 | 約20mg | 茶15g、90℃ 650ml、0.5分 |
| 番茶 | 約10mg | 茶15g、90℃ 650ml、0.5分 |
| 玄米茶 | 約10mg | 茶15g、90℃ 650ml、0.5分 |
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
こうして比べると、番茶は玄米茶と並んで、日本茶の中でもカフェイン量が少ない部類であることがわかります。一方で、後述するように番茶にもカフェインは含まれているため、「まったく含まない」わけではない点には注意が必要です。
番茶とほうじ茶の違い(カフェイン・製法・味)
番茶とほうじ茶は混同されがちですが、製法・味・カフェイン量に違いがあります。両者の違いを整理すると次のとおりです。
| 番茶 | ほうじ茶 | |
| 原料 | 遅い時期に摘んだ硬い葉や茎など | 番茶や煎茶などを焙煎したもの |
| 製法 | 蒸して乾燥させて仕上げる(焙煎しない) | 強火で焙煎して香ばしさを引き出す |
| 見た目 | 緑色 | 茶色 |
| 味・香り | さっぱりした味わい | 香ばしい香りとすっきりした後味 |
| カフェイン量 | 約10mg/100ml | 約20mg/100ml |
大きな違いは、ほうじ茶が茶葉を焙煎しているのに対し、番茶は焙煎しない点です。そのためほうじ茶は香ばしく茶色をしているのに対し、番茶は緑色をしています。実は、ほうじ茶の原料には番茶も使われることがあり、両者は無関係ではありません。
カフェイン量だけで見ると、成分表の数値では番茶(約10mg)のほうがほうじ茶(約20mg)より少なくなっています。「ほうじ茶はカフェインが少ない」というイメージが広まっていますが、使う茶葉や焙煎度合いによって変わるため、必ずしもほうじ茶のほうが少ないとは限らない点に注意しましょう。
番茶と煎茶の違い(カフェイン・摘採時期)
番茶と煎茶は、どちらも同じ茶の木から作られる緑茶ですが、使う茶葉の摘採時期と部位が異なります。
煎茶は若い新芽を蒸して揉んで仕上げるため、うま味が凝縮されています。一方の番茶は、新芽が育った後の硬い葉や茎を使うため、すっきりとした飲み口になります。
この原料の違いが、そのままカフェイン量の差につながっています。カフェインは若い芽に多く含まれるため、若芽を使う煎茶は約20mg、成熟した葉を使う番茶は約10mgと、番茶は煎茶のおよそ半分のカフェイン量になっています。「夜でもお茶を飲みたい」「カフェインを控えたい」という場面では、煎茶よりも番茶のほうが向いているといえるでしょう。
番茶は夜・妊娠中・赤ちゃんでも飲める?
番茶はカフェインが控えめなため、夜のリラックスタイムにも取り入れやすいお茶です。ただし、番茶にもカフェインは含まれているため、妊娠中の方や小さなお子さんは量に気をつけるのが安心です。
厚生労働省などが参考にしている海外機関の基準では、1日のカフェイン摂取量の目安は健康な成人で400mg以下、妊娠中の方は200〜300mg以下とされています。番茶1杯あたりのカフェインは約6〜10mg程度なので、常識的な範囲であれば過度に神経質になる必要はないと考えられます。
一方で、赤ちゃんにとっては少量のカフェインでも刺激になる場合があります。お子さんに飲ませる場合は、薄めに淹れる、与える量を控えめにするなどの配慮をするとよいでしょう。妊娠中・授乳中の方やお子さんへの影響が気になる場合は、自己判断せず、かかりつけの医師に相談することをおすすめします。
カフェインが少ない番茶の種類
ひとくちに番茶といっても種類はさまざまで、中にはカフェインがさらに少ないとされるものもあります。カフェインを抑えたい方に向けて、代表的な2種類を紹介します。
三年番茶
三年番茶は、摘んで仕上げた茶葉を三年ほど熟成させ、さらに焙煎して作られる番茶です。「発酵」と説明されることもありますが、緑茶は基本的に発酵させないお茶で、三年番茶も熟成・焙煎によって作られます。
長い熟成・焙煎の工程を経るため、番茶の中でもカフェインが特に少なく、ほとんど含まないともいわれています。まろやかな甘みと香ばしい香りが特徴で、刺激が少ないことから、カフェインを控えたい方に選ばれることの多いお茶です。
秋冬番茶
秋冬番茶は、9月下旬から10月上旬ごろに摘採された、成熟した茶葉を使って作られる番茶です。時間をかけて生長した遅摘みの葉を使うため、番茶の中でもカフェインが少ないとされています。
すっきりとした飲み口で、カテキンを多く含むといわれている点も特徴です。カフェインの抽出は高温ほど進むため、冷水で淹れることでさらにカフェインを抑えやすくなります。
番茶のカフェインを抑える淹れ方
カフェインは湯温が高いほど抽出されやすい性質があります。そのため、淹れ方を工夫することでカフェインをある程度抑えることが可能です。ここでは代表的な3つの淹れ方を紹介します。
水出し(カフェインを抑えたい方向け)
カフェインを抑えたいなら、低温でじっくり抽出する水出しがおすすめです。高温で出やすいカフェインの抽出を抑えながら、まろやかな味わいを楽しめます。
作り方は、ピッチャーに番茶の茶葉10gと水500mlを入れ、冷蔵庫で6時間以上浸すだけです。抽出後は茶葉を濾して完成です。暑い季節の水分補給にも向いており、冷蔵庫で2〜3日ほど保存できます。
急須で淹れる
手軽に楽しみたいときは急須で淹れる方法が基本です。茶葉は1人あたり3〜5gを目安に急須へ入れ、80℃前後のお湯を注いで30秒〜1分ほど蒸らしてから注ぎます。
湯温が高すぎると渋みが出やすくなるため、少し冷ましたお湯を使うのがポイントです。2煎目、3煎目も楽しめますが、その際は蒸らし時間を短めに調整しましょう。
煮出す
香ばしさやコクをしっかり楽しみたいときは煮出す方法もあります。沸騰したお湯に茶葉を入れ、弱火で3〜5分ほど煮出します。成分がしっかり抽出され、濃厚な味わいになります。
煮出しすぎると苦味や渋みが強く出るため注意しましょう。煮出した番茶は時間が経つと風味が落ちやすいので、早めに飲み切るのがおすすめです。
まとめ:番茶のカフェイン量とほうじ茶・煎茶との違い
番茶のカフェイン量について、ポイントを整理します。
- 番茶のカフェイン量は浸出液100mlあたり約10mgで、煎茶(約20mg)の約半分、コーヒー(約60mg)の約6分の1にあたります。
- 成分表の数値では、番茶(約10mg)はほうじ茶(約20mg)よりカフェインが少なめ。ただし使う茶葉や焙煎度合いによって変わります。
- 三年番茶や秋冬番茶は、番茶の中でもさらにカフェインが少ないとされています。水出しで淹れるとカフェインをより抑えやすくなります。
番茶は、カフェインを控えたいときや夜にお茶を楽しみたいときに取り入れやすいお茶です。ほうじ茶や煎茶との違いを知ったうえで、シーンや好みに合わせて選んでみてください。