カレンデュラは、鮮やかなオレンジや黄色の花が美しい、キク科のハーブです。花びらを使ったハーブティーは、淡い黄金色に色づき、見た目にも楽しめる一杯になります。
私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、カレンデュラは比較的寒さに強く、次々と花を咲かせてくれる育てやすいハーブです。鮮やかな花びらを摘んで乾燥させ、お茶やオイルに使う時間は、毎年の楽しみのひとつです。
この記事では、自分で育てた経験も交えながら、カレンデュラのハーブティーの淹れ方や味わい、乾燥・保存方法、料理での使い方、飲む際の注意点までをご紹介します。
カレンデュラのハーブティーとは
カレンデュラは、キク科キンセンカ属の植物で、学名を Calendula officinalis といいます。和名は「キンセンカ(金盞花)」「トウキンセンカ」で、花の形が黄金色の盞(さかずき)に似ていることに由来するとされています。原産は地中海沿岸とされ、日本へは古い時代に中国を経て伝わりました。
「カレンデュラ」という名前は、ラテン語で「月の初めの日」を意味する Kalendae に由来するといわれ、カレンダーと同じ語源とされています。開花期が長く、日が昇ると花を開き夕方に閉じる性質から、「時を知らせる花」とも呼ばれてきました。別名は「ポットマリーゴールド」で、この「ポット(pot)」は食用を意味します。
ハーブティーに使うのは、鮮やかな色をした花びらの部分です。古くからヨーロッパで親しまれ、ハーブティーのほか、スキンケア用のオイルやクリームの原料としても利用されてきました。
カレンデュラと観賞用マリーゴールドの違い
カレンデュラを使う際にいちばん注意したいのが、観賞用のマリーゴールドとは別の植物だという点です。
カレンデュラ(ポットマリーゴールド/学名 Calendula officinalis)は、食用・ハーブとして利用される植物です。一方、園芸店で「マリーゴールド」として多く売られているのは、フレンチマリーゴールドやアフリカンマリーゴールドと呼ばれる別属の品種で、主に観賞用です。同じキク科で花の形が似ているため混同されがちですが、観賞用のマリーゴールドはハーブティーには使いません。
ハーブティーや料理に使う場合は、食用のカレンデュラ(キンセンカ)であること、品種名と「食用」の表示を必ず確認しましょう。市販のドライハーブを買う場合は、有機JASなどの認証がある食用のものを選ぶと安心です。
カレンデュラのハーブティーの味・香り
カレンデュラのハーブティーは、淡い黄色やオレンジ色に色づく、見た目の美しいお茶です。味はクセが少なくあっさりとしていて、ほんのりスパイシーさややわらかな苦味を感じる程度です。
香りは強くなく、ほのかに菊のような、やさしい花の香りがします。味も香りも穏やかなので、単体だと少し物足りなく感じる方もいるかもしれません。その場合は、はちみつを加えたり、他のハーブとブレンドしたりすると、ぐっと楽しみやすくなります。
カレンデュラのハーブティーの作り方
カレンデュラのハーブティーは、花びら(ドライまたはフレッシュ)にお湯を注いで蒸らすだけで手軽に作れます。色や成分をしっかり引き出すため、やや長めに蒸らすのがポイントです。
【材料】(1杯分)
- カレンデュラの花びら……ドライなら大さじ1(小さじ山盛り1〜2杯)/フレッシュなら10〜15g
- 熱湯……150〜200ml
【淹れ方の手順】
- ティーポットを温め、カレンデュラの花びらを入れる。
- 沸かしたての熱湯を注ぐ。
- フタをして10分ほどじっくり蒸らす。
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ。お好みではちみつを加える。
カレンデュラは色や成分が出るまで少し時間がかかるため、10分前後を目安に蒸らすと、きれいな黄金色のお茶になります。自家製のフレッシュな花びらを使う場合は、摘みたてを水洗いし、虫や汚れを落としてから使いましょう。
花びらの乾燥・保存方法
自宅で育てたカレンデュラは、花びらを乾燥させておくと長く楽しめます。香りや色を保つため、直射日光を避けた陰干しが基本です。
- よく咲いた花を収穫し、花びらを摘み取る(または花ごと使う)。
- 汚れや虫を取り除き、水洗いした場合は水気をよく切る。
- ザルや乾燥用のネットに重ならないように広げ、風通しのよい日陰で乾燥させる。
- 花びらを触ってカサカサと音がするくらい、しっかり乾燥させる。
- 乾燥剤とともに密閉容器に入れ、冷暗所で保存する。
しっかり乾燥させれば、1年ほどを目安に保存できます。乾燥が不十分だとカビの原因になるため、完全に乾かすことが大切です。急ぐときは、電子レンジで様子を見ながら短時間ずつ加熱して仕上げる方法もあります。私自身、安平町で育てたカレンデュラを陰干しで乾燥させ、瓶詰めにして一年を通して楽しんでいます。
おすすめの飲み方・ブレンド
カレンデュラは味も香りも穏やかなので、他のハーブとブレンドすると、香りや彩りに広がりが出て楽しめます。
| ブレンド・アレンジ例 | 特徴 |
| はちみつ | やさしい甘みが加わり、まろやかで飲みやすくなります。 |
| カモミール | 同じキク科で相性がよく、りんごのような甘い香りが加わってやさしい味わいに。 |
| ローズヒップ | 赤い色と酸味が加わり、彩りも華やかでフルーティーな味わいになります。 |
| レモングラス・ペパーミント | 爽やかな香りが加わり、すっきりとした飲み口に。気分をリフレッシュしたいときに。 |
| しょうが・シナモン | 体を温めたいときに親しまれる組み合わせ。香りに深みが出ます。 |
カレンデュラは色がきれいに出るので、ブレンドすると見た目も華やかになります。お好みの組み合わせを楽しんでみてください。
カレンデュラは料理にも使える(エディブルフラワー)
カレンデュラの花びらは、古くからエディブルフラワー(食用花)として親しまれてきました。鮮やかなオレンジ色を活かして、料理の彩りに使えるのも魅力です。
- サラダのトッピング:花びらを散らすと、彩りが華やかになります。
- 料理の色づけ:スープやリゾット、お菓子などの色づけに。サフランの代わりに使われることもあり、「貧者のサフラン」と呼ばれることもあります。
- ドレッシングやジャム:花びらを混ぜて、彩りと風味を添えます。
お茶に使うほか、余った花びらを料理に取り入れると、最後まで楽しめます。
カレンデュラに期待される働き
カレンデュラは、古代エジプトやギリシャの時代から薬用ハーブとして親しまれ、ヨーロッパでは特に肌や粘膜のケアに用いられてきた歴史があります。花びらには、オレンジ色のもとになるカロテノイドや、フラボノイドなどの成分が含まれています。
こうした背景から、カレンデュラのハーブティーは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- 季節の変わり目や、喉がイガイガするときのセルフケアとして
- 肌の調子が気になるときに、内側からのケアの一つとして
- ほっとひと息つきたいリラックスタイムに
ただし、これらはあくまで伝統的に親しまれてきた使われ方であり、特定の症状への効果を保証するものではありません。カレンデュラのハーブティーは「香りや彩り、ひとときを楽しむ嗜好品」として取り入れ、体調に不安があるときは自己判断せず、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
南房総とカレンデュラ
日本では、カレンデュラ(キンセンカ)は仏花としてのイメージが知られていますが、食用ハーブとしても注目されています。
なかでも千葉県の南房総市は、カレンデュラ(キンセンカ)の生産量日本一を誇る産地として知られています。白浜地区などを中心に栽培され、近年は無農薬で育てた食用の花びらを使ったハーブティーやドレッシング、スキンケア用品などの商品づくりにも力が入れられています。これらの商品は、道の駅「ローズマリー公園」「白浜野島崎」などで購入できるほか、ふるさと納税の返礼品にもなっています。早春には鮮やかなオレンジ色の花畑が広がり、花摘みを楽しめるスポットとしても親しまれています。
カレンデュラのハーブティーを飲む際の注意点
カレンデュラは比較的安心して使えるハーブとされていますが、いくつか気をつけたい点があります。
まず、カレンデュラはキク科の植物です。ブタクサやキクなど、キク科の植物にアレルギーがある方は、まれにアレルギー反応が出ることがあるため注意が必要です。初めて飲む場合は少量から試すと安心です。
また、妊娠中・授乳中の使用については、問題が確認されているわけではないものの、安全性が十分に確立されているとはいえません。カレンデュラは伝統的に月経との関わりで語られてきた経緯もあるため、妊娠中・授乳中の方は、念のため事前に医師や薬剤師に相談すると安心です。お薬を服用中の方も、心配な場合は相談しましょう。
ハーブの安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。体調や体質に合わないと感じた場合は、飲用を中止してください。
まとめ:カレンデュラのハーブティーの作り方
カレンデュラのハーブティーは、花びらに熱湯を注いで10分ほどじっくり蒸らすだけで、きれいな黄金色のお茶ができあがります。味や香りは穏やかなので、はちみつやカモミール、ローズヒップなどとブレンドすると楽しみやすくなります。
ハーブティーに使うのは食用のカレンデュラ(キンセンカ)で、観賞用のマリーゴールドとは別の植物である点に注意しましょう。キク科アレルギーのある方や妊娠中・授乳中の方は、無理をせず、心配な場合は事前に相談してください。
私自身、安平町で育てたカレンデュラを乾燥させて、お茶や料理に楽しんでいますが、自分で育てた花で淹れる彩り豊かな一杯はやはり特別なものです。ぜひ、太陽のように明るいカレンデュラのハーブティーを暮らしに取り入れてみてくださいね。