ワイルドストロベリーと聞くと、甘酸っぱい小さな果実を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はその葉もハーブティーとして楽しめます。
葉のハーブティーは、果実のようなフルーティーさではなく、番茶を思わせる素朴で飲みやすい味わいが特徴です。私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、ワイルドストロベリーは繁殖力が強く、寒冷地でも元気に広がってくれる育てやすいハーブです。実も葉も楽しめるので、栽培のしがいがあります。
この記事では、自分で育てた経験も交えながら、ワイルドストロベリーのハーブティーの淹れ方や味わい、葉の乾燥・保存方法、飲む際の注意点までをご紹介します。乾燥のさせ方には大切な注意点があるので、あわせてお伝えします。
ワイルドストロベリーのハーブティーとは
ワイルドストロベリーは、バラ科オランダイチゴ属の多年草で、学名を Fragaria vesca といいます。一般的な栽培イチゴ(オランダイチゴ)よりも実が小さい野生種で、ヨーロッパなどに広く分布しています。
日本へは明治頃に入り、北海道で野生化したことから、和名で「エゾヘビイチゴ」と呼ばれます。なお、関東などで見られる「ヘビイチゴ」とは別の種類の植物です。
ハーブティーに使うのは、主に葉の部分です。葉を乾燥させて淹れるのが基本で、ここに乾燥させた果実を少し加えると、香りが豊かになり飲みやすくなります。繁殖力が強く育てやすいため、グランドカバーとしても親しまれ、「幸運を呼ぶ」「願いが叶う」といった言い伝えのある縁起のよいハーブとしても知られています。
ワイルドストロベリーのハーブティーの味・香り
ワイルドストロベリーのハーブティーは、名前から想像するようなイチゴの甘酸っぱさはほとんどありません。葉が原料のため、かすかに香ばしさのあるグリーンな香りと、番茶やとうもろこし茶を思わせる素朴な味わいが特徴です。
クセが少なく、ホッと落ち着く飲みやすさがあります。少し青っぽさを感じることもありますが、はちみつやレモンを加えたり、乾燥させた果実を少し加えたりすると、香りが立って飲みやすくなります。クセがないので、他のハーブとブレンドするベースとしても扱いやすいハーブです。
ワイルドストロベリーのハーブティーの作り方
ワイルドストロベリーのハーブティーは、乾燥させた葉にお湯を注いで蒸らすだけで手軽に作れます。
【材料】(1杯分)
- ワイルドストロベリーの乾燥葉……ティースプーン2杯ほど(大さじ1程度)
- 熱湯……150〜200ml
- お好みで乾燥させた果実……少々(香りづけに)
【淹れ方の手順】
- ティーポットを温め、乾燥葉(とお好みで果実)を入れる。
- 沸かしたての熱湯を注ぐ。
- フタをして5分ほど蒸らす。
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ。お好みではちみつやレモンを加える。
本来は葉だけで淹れるハーブティーですが、乾燥させた果実をほんの少し加えると、ほのかにベリーらしい香りが立ち、より楽しみやすくなります。
葉の乾燥・保存方法
自宅で育てたワイルドストロベリーは、葉を乾燥させておくと長く楽しめます。収穫は、新芽が出る春から初夏にかけて、若い葉を選ぶのがおすすめです。香りを保つため、直射日光を避けた風通しのよい場所で乾燥させます。
- 葉を収穫し、水洗いして汚れや虫を落とす。
- 水気をよく切る。
- ザルやネットに重ならないように広げ、風通しのよい日陰でカラカラになるまで乾燥させる(数日〜1週間ほどが目安)。
- 完全に乾いたら、乾燥剤とともに密閉容器に入れ、冷暗所で保存する。
急ぐときは、電子レンジで様子を見ながら短時間ずつ加熱する方法もあります。しっかり乾燥させれば、1年ほどを目安に保存できます。
なお、ワイルドストロベリーの葉には、乾燥のさせ方に特に大切な注意点があります。次の「飲む際の注意点」で詳しくお伝えします。私自身、安平町で育てたワイルドストロベリーの葉を日陰でしっかり乾かしてから使っています。
おすすめのハーブブレンド
ワイルドストロベリーはクセが少ないため、他のハーブとブレンドしやすいハーブです。香りや味の相性を楽しみながら、好みの組み合わせを見つけてみてください。
| ブレンド例 | 特徴 |
| ローズヒップ | 同じバラ科の果実で、酸味と赤い彩りが加わり、フルーティーな味わいになります。 |
| ジャーマンカモミール | りんごのような甘い香りが加わり、やさしくまろやかな味わいに。くつろぎたい時間に。 |
| ミント | 清涼感のある香りが加わり、すっきりと爽やかな飲み口になります。 |
| 紅茶 | 紅茶と合わせると、香りや味に深みが出ます。ハーブティーが苦手な方にも飲みやすくなります。 |
クセが少ないので、香りの強いハーブを飲みやすくする「ブレンドのベース」としても活躍します。
ワイルドストロベリーに期待される働き
ワイルドストロベリーの葉は、ヨーロッパで古くから民間のハーブとして親しまれ、暮らしの中で取り入れられてきた歴史があります。葉には、タンニンやビタミンC、ミネラル、ペクチンなどの成分が含まれていることが知られています。
こうした背景から、ワイルドストロベリーのハーブティーは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- 食べ過ぎたときや、お腹の調子を整えたいとき
- ほっとひと息つきたいリラックスタイムに
- 肌の調子が気になるときの、内側からのケアの一つとして
ただし、ワイルドストロベリーの葉については研究があまり進んでおらず、これらは伝統的に語られてきた使われ方であり、特定の症状への効果を保証するものではありません。ワイルドストロベリーのハーブティーは「香りやひとときを楽しむ嗜好品」として取り入れ、体調に不安があるときは自己判断せず、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
ワイルドストロベリーのハーブティーを飲む際の注意点
ワイルドストロベリーのハーブティーには、安心して楽しむために知っておきたい注意点があります。特に、葉の乾燥に関する点は大切なので、最初にお伝えします。
葉は完全に乾燥させてから使う(最重要)
ワイルドストロベリーの葉は、しおれていく(半乾きの)過程で毒性を生じると言われています。そのため、自分で育てたり摘んだりした葉を使う場合は、しおれかけの中途半端な状態のものは避け、完全にカラカラになるまでしっかり乾燥させることが大切です。生乾きのまま使ったり保存したりしないよう注意してください。市販の乾燥葉を使う場合は、適切に乾燥・管理されたものを選びましょう。
バラ科アレルギーのある方
ワイルドストロベリーはバラ科の植物です。バラ科の植物にアレルギーがある方は、かゆみや発疹などのアレルギー反応が出る可能性があるため、使用を避けるか、心配な場合は事前に医師に相談してください。
妊娠中・授乳中の方、お子さま
妊娠中・授乳中の方や小さなお子さまへの安全性は、十分に確認されているとはいえません。これらの場合は、念のため事前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
肝臓・消化器に不安のある方、お薬を服用中の方
慢性的な肝臓の疾患や消化器系の疾患がある方は、使用を控えるのが無難とされています。お薬を服用中の方も、心配な場合は事前に相談しましょう。
ハーブの安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。体調や体質に合わないと感じた場合は、飲用を中止してください。
市販のワイルドストロベリーティーの選び方
ワイルドストロベリーティーは、ハーブ専門店や輸入食品店、通販などで購入できます。市販品を選ぶときは、次の点を確認すると安心です。
- 原料が「葉」であること:ハーブティーとして飲むのは主に葉の部分です。葉が使われているかを確認しましょう。
- 産地や栽培方法:欧州産などの産地や、有機栽培・無添加かどうかも、選ぶ際の目安になります。
- ブレンドか単体か:紅茶やほかのハーブとブレンドされた製品もあります。飲みやすさを重視するならブレンド、素朴な味を楽しみたいなら単体を選ぶとよいでしょう。
自分で育てた葉を使えば、より新鮮な風味を楽しめます。栽培から楽しみたい方は、ぜひ自家製にも挑戦してみてください。
まとめ:ワイルドストロベリーのハーブティーの作り方
ワイルドストロベリーのハーブティーは、乾燥させた葉に熱湯を注いで5分ほど蒸らすだけで手軽に作れます。番茶のような素朴で飲みやすい味わいが特徴で、乾燥させた果実を少し加えたり、ローズヒップやカモミールとブレンドしたりすると、より楽しめます。
注意したいのは、葉はしおれていく過程で毒性を生じると言われているため、自家製の葉は中途半端な半乾きを避け、完全に乾燥させてから使うことです。バラ科アレルギーのある方や妊娠中・授乳中の方、肝臓・消化器に不安のある方は、無理をせず、心配な場合は事前に相談してください。
私自身、安平町で育てたワイルドストロベリーの葉を乾燥させて楽しんでいますが、自分で育てた葉で淹れる素朴な一杯はやはり特別なものです。注意点を踏まえながら、ワイルドストロベリーのハーブティーを暮らしに取り入れてみてくださいね。
なお、ワイルドストロベリーの育て方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。