キャットニップは猫を惹きつけるハーブとして有名ですが、葉を乾燥させてハーブティーとしても楽しめる、人にとっても親しみやすいハーブです。
ミントを思わせるさわやかな香りで、古くからリラックスしたいときや風邪気味のときのお茶として親しまれてきました。
私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、キャットニップは寒さに強く、寒冷地でも元気に育ってくれる頼もしいハーブのひとつです。この記事では、自分で育てた経験も交えながら、キャットニップのハーブティーの味わいや作り方、乾燥方法、飲む際の注意点までをご紹介します。
キャットニップのハーブティーとは
キャットニップは、シソ科イヌハッカ属(ネペタ属)の多年草で、学名を Nepeta cataria といいます。和名は「イヌハッカ」、地域によっては「チクマハッカ」とも呼ばれます。原産地はヨーロッパから西アジアにかけてとされ、古代ローマの時代から薬用ハーブとして用いられてきた長い歴史があります。
「キャットニップ(猫が噛む草)」という名前のとおり、猫が好む香りを持つことで知られますが、その葉はハーブティーやサラダ、肉料理の香りづけなど、人の暮らしの中でも幅広く使われてきました。ヨーロッパでは、紅茶が広まる前の日常茶として飲まれていた時代もあったと言われています。
寒さに強く育てやすいハーブで、私の畑がある安平町のような寒冷地でも、冬を越して翌春にまた芽吹いてくれます。庭やプランターで育てて、収穫した葉を自家製のハーブティーにできるのも魅力です。
キャットニップのハーブティーの味・香り
キャットニップのハーブティーは、ミントをやさしくしたような、さわやかでほのかな清涼感のある香りが特徴です。ペパーミントほど刺激は強くなく、クセが少ないため、緑茶のような飲みやすさを感じる方も多いハーブです。
味わいにはわずかに苦みもありますが、強い主張はないので、はちみつやレモンを加えるとぐっとまろやかになり、飲みやすくなります。クセが少ない分、他のハーブともなじみやすく、ブレンドのベースとしても扱いやすいのが嬉しいところです。
キャットニップのハーブティーの作り方
キャットニップのハーブティーは、生の葉でも乾燥させた葉でも作ることができます。生の葉は収穫したらなるべく早めに使い、すぐ使わない場合は冷蔵庫で保存しましょう。乾燥した葉は、密閉容器に入れて冷暗所で保存します。
淹れる前に葉を軽く手で揉んでおくと、香りが立ちやすくなり、より風味を楽しめます。基本的な作り方は以下のとおりです。
【生の葉で作る場合】
キャットニップの生の葉を大さじ3杯ほどポットに入れ、200mlの熱湯を注ぎ、5分ほど蒸らしてからいただきます。
【乾燥した葉で作る場合】
乾燥させた葉を大さじ1杯ほど、軽く手で揉んでからティーポットに入れます。200mlの熱湯を注ぎ、3分ほど蒸らしてからいただきます。
ミント系のさわやかな香りとともに、ほのかな苦みも感じられます。苦みが気になる場合は、はちみつやレモンを加えると飲みやすくなります。
おすすめのハーブティーブレンド
キャットニップはクセが少ないため、他のハーブとブレンドしやすいハーブです。香りや味わいの相性を楽しみながら、自分好みの組み合わせを見つけてみてください。
| ブレンド例 | 特徴 |
| カモミール | 穏やかな風味同士で相性がよく、やさしい味わいに。就寝前のくつろぎの時間におすすめの組み合わせです。はちみつを加えても美味しくいただけます。 |
| ペパーミント | ミント系同士で香りがよくなじみ、より清涼感のあるすっきりとした味わいになります。気分をリフレッシュしたいときに。 |
| レモングラス | レモンのような爽やかな香りが加わり、後味がすっきりとします。食後の一杯にも向いています。 |
| エキナセア | 寒い季節に親しまれてきたハーブとの組み合わせ。はちみつを加えると、より飲みやすくなります。 |
| しょうが | 体を温めたいときに親しまれてきた組み合わせ。ピリッとした風味がアクセントになります。 |
レモンやはちみつを加えると、どのブレンドもより飲みやすくなります。紅茶と合わせてオリジナルのブレンドティーを楽しむのもおすすめです。
キャットニップに期待される働き
キャットニップは、古代ローマの時代から薬用ハーブとして利用されてきた歴史があり、現在もハーブティーとして親しまれています。葉に含まれる主な成分には、猫を惹きつけることで知られるネペタラクトンのほか、チモール、カルバクロール、タンニン、ビタミンCなどが挙げられます。
| 成分 | 伝統的に語られてきた働き |
| ネペタラクトン | キャットニップを特徴づける精油成分。落ち着いた気分へと導くハーブとして、また虫が嫌う香りとしても知られてきました。 |
| チモール・カルバクロール | さわやかな香りのもととなる成分で、清涼感のある風味に寄与しているとされます。 |
| タンニン・ビタミンC | 多くの植物に含まれる成分で、ハーブの風味や性質に関わるとされています。 |
伝統的には、キャットニップのハーブティーは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- リラックスしたいとき、気分を落ち着けたいとき
- 寝つきが気になるとき
- 風邪気味で体を温めたいとき
- 食べ過ぎて胃が重いと感じるとき
ただし、これらはあくまで伝統的に語られてきた使われ方であり、特定の症状への効果を保証するものではありません。キャットニップのハーブティーは「香りやひとときを楽しむ嗜好品」として取り入れ、体調に不安があるときは自己判断せず、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
キャットニップの乾燥方法
自宅でキャットニップを育てている場合は、収穫した葉を乾燥させておくと長く楽しめます。主な乾燥方法は以下のとおりです。
| 乾燥方法 | 補足 |
| 陰干し | 茎を束ねて、風通しのよい日陰に逆さまに吊るして乾燥させます。湿気の多い場所は避けましょう。1週間ほどが目安です。 |
| オーブン乾燥 | 茎を切ってオーブントレイに広げて乾燥させます。オーブンは100℃以下の低温に設定し、扉を少し開けておきます。1時間ほどが目安です。 |
| ドライヤー乾燥 | 茎を切って新聞紙などに広げ、ドライヤーを弱風に設定して葉や花に当てます。30分ほどが目安です。 |
私自身は、安平町で育てたキャットニップを陰干しで乾燥させていますが、風通しのよい場所でじっくり乾かすと香りがよく残る印象があります。乾燥させたら葉や花を茎からはがし、密閉容器に入れて冷暗所で保存しましょう。残った茎は、猫のおもちゃに活用するのもおすすめです。
ハーブティー以外の楽しみ方
キャットニップは、ハーブティーだけでなく料理にも活用できるハーブです。クセの少ないミント系の香りを活かして、さまざまな使い方が楽しめます。
- サラダ:やわらかい若い葉を、サラダに少量加えて香りを楽しみます。
- 天ぷら:葉に衣をつけて揚げると、しその天ぷらのような感覚で香りを味わえます。
- 肉料理の香りづけ:乾燥させた葉を、肉を焼くときに振りかけて風味づけに使います。
育てたキャットニップが余ったときは、お茶だけでなく食卓でも活用してみてください。香りのアクセントとして、いつもの料理に変化を加えてくれます。
ハーブティーにも猫は寄ってくる?
キャットニップのハーブティーにも、猫が興味を示すことがあります。葉をお湯で淹れると、猫を惹きつける成分であるネペタラクトンがお湯に溶け出すためです。
ただし、すべての猫が反応するわけではありません。キャットニップへの反応は遺伝による個体差が大きく、まったく反応しない猫もいます。また、性的に成熟していない子猫はほとんど反応しないとも言われています。お茶の濃さや温度、周囲の匂いなどによっても、猫の興味の示し方は変わってきます。
淹れたてのハーブティーに猫が近づいてくることもあるので、猫と暮らしている方は、置き場所に少し気を配ると安心です。
飲む際の注意点・禁忌
キャットニップは一般的に親しまれているハーブですが、飲む際にはいくつか気をつけたい点があります。
| 妊娠中・授乳中の方 | 通経作用(月経を促す作用)があるとされるため、妊娠を希望している方・妊娠中・授乳中の方は飲用を避けるのが無難とされています。 |
| 大量摂取は避ける | 鎮静作用があるとされるため、一度に大量に飲むのは避けましょう。飲んだ直後の車の運転なども控えるのが無難です。 |
| 体調に不安のある方・高齢の方 | 体質や体調によって感じ方には個人差があります。心配な場合は少量から試し、不安があれば医師に相談しましょう。 |
| 手術の予定がある方 | 鎮静作用が麻酔に影響する可能性が指摘されることがあるため、手術を控えている場合は事前に医師に相談しましょう。 |
キャットニップは摂取量によっては注意が必要なハーブとされています。安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。体調や体質に合わないと感じた場合は、飲用を中止してください。
まとめ:キャットニップのハーブティーの作り方
キャットニップのハーブティーは、乾燥させた葉に熱湯を注いで数分蒸らすだけで手軽に作れます。淹れる前に葉を軽く揉んでおくと香りが立ち、より風味を楽しめます。
ミントをやさしくしたようなさわやかな香りで、クセが少なく飲みやすいのが魅力です。はちみつやレモンを加えたり、カモミールやペパーミントなどとブレンドしたりと、楽しみ方も自由自在です。
寒さに強く育てやすいハーブなので、寒冷地にお住まいの方にもおすすめです。私自身、安平町で育てたキャットニップを乾燥させて楽しんでいますが、自分で育てた葉で淹れる一杯はやはり特別なものです。ぜひ自家製のキャットニップで、香り豊かなハーブティーを楽しんでみてくださいね。
なお、キャットニップの育て方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。