レモンタイムは、その名のとおりレモンを思わせる爽やかな香りを持つタイムの仲間です。ふつうのタイム(コモンタイム)よりも香りが軽やかで、ハーブティーにすると、すっきりと飲みやすい一杯になります。
私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、レモンタイムは寒さに強く、寒冷地でも育てやすい頼もしいハーブのひとつです。葉に触れるたびにふわっと広がる柑橘の香りは、収穫のときの楽しみでもあります。
この記事では、自分で育てた経験も交えながら、レモンタイムのハーブティーの淹れ方(フレッシュ・ドライ別)や味わい、乾燥・保存方法、飲む際の注意点までをご紹介します。
レモンタイムのハーブティーとは(味・香りの特徴)
レモンタイムは、シソ科イブキジャコウソウ属の常緑低木で、タイムの仲間に分類されるハーブです。学名は Thymus × citriodorus と表記され、「×」は交雑種であることを示しています。コモンタイム(Thymus vulgaris)などタイム類の交雑によって生まれた系統と考えられています。
原産はタイム類が分布する地中海沿岸地域とされ、暑さにも寒さにも比較的強く、初夏には薄紫色の小さな花を咲かせます。葉に触れるとレモンのような爽やかな香りが立つのが、コモンタイムとの大きな違いです。
ハーブティーにすると、レモンを思わせる柑橘系の香りが楽しめますが、果実のレモンのような強い酸味はほとんどありません。かすかにスパイシーな風味があり、タイム類のなかでは苦みが少なく飲みやすいのが特徴です。クセが少ないので、ひと息つきたいときのお茶として親しまれています。
レモンタイムのハーブティーの作り方【フレッシュ(生葉)】
レモンタイムを育てている方なら、摘みたての生葉で淹れるフレッシュハーブティーがおすすめです。乾燥葉にはない、みずみずしい柑橘の香りを楽しめます。
【材料】(1杯分)
- レモンタイムの生葉(枝)……ティースプーン山盛り2〜3杯ほど(枝つきなら2〜3本程度)
- 熱湯……150〜200ml
【淹れ方の手順】
- ティーポットとカップを熱湯で温めておく。
- レモンタイムをやさしく水洗いし、水気を切る。
- 枝ごとポットに入れる(手のひらで軽くたたくと香りが立ちやすくなります)。
- 沸かしたての熱湯を注ぎ、フタをして3〜5分ほど蒸らす。
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ。お好みではちみつやレモン汁を加える。
やわらかい茎にも香りがあるので、枝ごと使ってかまいません。蒸らし時間が長すぎるとタイム特有の風味が強く出やすいので、3〜5分を目安にすると爽やかに仕上がります。
レモンタイムのハーブティーの作り方【ドライ(乾燥葉)】
市販のドライハーブや、自分で乾燥させた葉を使う場合の淹れ方です。乾燥葉は香りが安定していて、一年を通して手軽に楽しめます。
【材料】(1杯分)
- レモンタイムのドライハーブ……ティースプーン山盛り1杯ほど
- 熱湯……150〜200ml
【淹れ方の手順】
- ティーポットとカップを熱湯で温めておく。
- ドライハーブをポットに入れる。
- 沸かしたての熱湯を注ぎ、フタをして3〜5分ほど蒸らす。
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ。お好みではちみつやレモン汁を加える。
フレッシュとドライでは、使う量の目安が少し変わります。フレッシュ(生葉)は山盛り2〜3杯、ドライ(乾燥葉)は山盛り1杯ほどが目安です。摘みたてが手に入るならフレッシュを、手軽さや保存性を重視するならドライを選ぶとよいでしょう。
乾燥方法と保存方法
収穫したレモンタイムは、乾燥させておくと長く楽しめます。香りを保つため、直射日光を避けた風通しのよい場所で乾かすのが基本です。
- レモンタイムを水洗いして水気を切る。
- 茎ごと数本を束ねる。
- 風通しのよい日陰に吊るす。
- 2週間ほどを目安に、完全に乾燥させる。
- 触ってパリパリと音がするくらいになったら、葉を茎から外す。
乾燥した葉は、密閉容器に入れ、直射日光と湿気を避けて保存します。私自身、安平町で育てたレモンタイムをこの方法で乾燥させていますが、じっくり乾かすと香りがよく残り、自家製ならではの新鮮な風味を楽しめます。
おすすめの飲み方・ブレンド
レモンタイムのハーブティーはそのままでも美味しいですが、ちょっとした工夫やブレンドでさらに楽しめます。
- はちみつ・レモン汁を加える:甘みや酸味が加わり、より飲みやすくなります。
- アイスティーにする:濃いめに淹れて氷を入れたグラスに注ぐと、暑い季節にぴったりの爽やかな一杯に。生葉の水出しでも、やさしい味わいが楽しめます。
- 紅茶とブレンドする:紅茶のコクとレモンタイムの爽やかさがよく合います。お好みでミルクや甘みを加えても。
- ほかのハーブと合わせる:ペパーミントやスペアミントを合わせると清涼感が増し、レモングラスを加えると柑橘の香りがより華やかになります。
ブレンドするときは、レモンタイムを主役にして他のハーブを少量から加えると、バランスを取りやすくなります。
レモンタイムに期待される働き
タイム類は、古代から料理や暮らしのなかで親しまれてきたハーブで、清涼感のある香りが特徴です。レモンタイムにはリナロールなどの香り成分が含まれ、爽やかな柑橘の香りのもとになっています。
こうした背景から、レモンタイムのハーブティーは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- 気分をすっきりさせたいとき、ひと息つきたいリラックスタイムに
- 季節の変わり目や、まわりで風邪が気になる時期のセルフケアとして
- 食後に、口の中をさっぱりさせたいときに
ただし、これらはあくまで伝統的に親しまれてきた使われ方であり、特定の症状への効果を保証するものではありません。レモンタイムのハーブティーは「香りやひとときを楽しむ嗜好品」として取り入れ、体調に不安があるときは自己判断せず、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。1日に飲む量は、2〜3杯程度を目安にするとよいでしょう。
レモンタイムとコモンタイム・クリーピングタイムの違い
レモンタイムはタイムの仲間の一種です。タイムには、レモンタイムのほかにもコモンタイムやクリーピングタイムなどさまざまな種類があり、それぞれに特徴や用途が異なります。
| タイムの種類 | 特徴・用途 |
| レモンタイム | コモンタイムなどタイム類の交雑から生まれた系統で、レモンのような爽やかな香りがします。香りが軽やかで、ハーブティーや料理、お菓子の香りづけに向いています。加熱すると香りが弱まりやすいので、料理では仕上げに加えるのがおすすめです。 |
| コモンタイム | 立ち上がるように育つ、最も一般的なタイム。しっかりとした香りとほろ苦さがあり、肉料理やスープ、煮込み料理によく合います。加熱しても香りが持続します。 |
| クリーピングタイム | 地面を這うように広がるほふく性のタイム。香りはコモンタイムより穏やかで、主にグランドカバーなど観賞用として使われます。 |
料理やハーブティーなど食用に育てる場合は、品種名と用途(食用か観賞用か)が明記された苗を選ぶと安心です。
レモンタイムのハーブティーを飲む際の注意点
レモンタイムは食品として広く親しまれているハーブですが、体質や体調によっては注意が必要な場合があります。安心して楽しむために、次の点を知っておきましょう。
妊娠中の方は控えるのが無難
タイム類には通経作用(月経を促す作用)があるとされ、妊娠中、特に妊娠初期は摂取を控えるべきとされています。妊娠中・授乳中の方は、飲用を避けるか、心配な場合は事前に医師に相談してください。
お薬を服用中の方
何らかのお薬を服用している方や、持病で治療中の方は、念のため事前に医師や薬剤師に相談すると安心です。手術を予定している方も、医師に確認しておくとよいでしょう。
アレルギーや体質に注意
体質によっては、まれにアレルギー反応が出ることがあります。初めて飲む場合は少量から試し、かゆみや発疹などの異変を感じた場合は飲用を中止してください。
ハーブの安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。ハーブティーはあくまで日々の暮らしを楽しむためのものであり、不調の治療を目的とするものではない点も覚えておきましょう。
まとめ:レモンタイムのハーブティーの作り方
レモンタイムのハーブティーは、レモンを思わせる爽やかな香りが楽しめる、飲みやすいハーブティーです。
フレッシュ(生葉)なら山盛り2〜3杯、ドライ(乾燥葉)なら山盛り1杯を目安に、熱湯を注いで3〜5分蒸らすだけで手軽に作れます。はちみつやレモンを加えたり、紅茶やミントとブレンドしたり、アイスにしたりと、アレンジも自在です。
ただし、タイム類には通経作用があるとされるため、妊娠中の方は摂取を控えるのが無難です。
私自身、安平町で育てたレモンタイムを生でも乾燥させても楽しんでいますが、自分で育てた葉で淹れる一杯はやはり特別なものです。ぜひ、香り爽やかなレモンタイムのハーブティーを暮らしに取り入れてみてくださいね。