季節の変わり目や、まわりで風邪が流行りはじめたとき、エキナセアのハーブティーは昔から親しまれてきたハーブのひとつです。
エキナセアは北米原産のキク科の植物で、「インディアンのハーブ」とも呼ばれ、古くから先住民の暮らしの中で使われてきました。
私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、エキナセアは寒さに強く、手をかけなくても元気に育ってくれる頼もしいハーブです。夏には鮮やかな花を咲かせ、花壇でも存在感があります。この記事では、自分で育てた経験も交えながら、エキナセアのハーブティーの淹れ方や味わい、乾燥方法、飲む際の注意点までをご紹介します。
エキナセアのハーブティーとは
エキナセアは、キク科ムラサキバレンギク属の多年草で、和名を「ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)」といいます。学名のひとつ Echinacea purpurea に代表されるように、属名は花の中心がトゲトゲしている様子から、ギリシャ語でハリネズミやウニを意味する「echinos」に由来するとされています。
原産地は北アメリカで、現地の先住民が傷の手当てや体調を整える目的で古くから利用してきた歴史があります。そのことから「インディアンのハーブ」とも呼ばれ、現在はハーブティーやチンキ(ハーブをアルコールに漬けた抽出液)など、さまざまな形で親しまれています。
エキナセアは花・葉・茎といった地上部のほか、根も利用されます。伝統的には根の部分が重視されてきましたが、ハーブティーでは地上部もよく使われます。ノンカフェインなので、カフェインを控えたい方にも取り入れやすいハーブです。
エキナセアのハーブティーの味・香り
エキナセアのハーブティーは、クセが少なく、乾いた草木を思わせるような穏やかな風味が特徴です。苦みや酸味はほとんどなく、後味はすっきりとしています。
ほんのり甘く感じられることもあり、「薬草らしい風味」と表現されることもありますが、全体的には飲みやすいハーブティーです。香りが穏やかなぶん、はちみつやレモンを加えたり、他のハーブとブレンドしたりすると、より楽しみやすくなります。
エキナセアのハーブティーの作り方
エキナセアのハーブティーは、ドライハーブにお湯を注いで蒸らすだけで手軽に作れます。市販のドライハーブのほか、自分で育てて乾燥させたものも使えます。
【材料】(1人分)
- エキナセアのドライハーブ ティースプーン1~2杯(約1~2g)
- お湯 150~200ml
【作り方】
- 温めたティーポットまたはマグカップにドライハーブを入れる。
- 沸騰したお湯を注ぐ。
- フタをして5分ほど蒸らす。
- 茶こしで濾してカップに注ぐ。
- お好みではちみつやレモンなどを加える。
蒸らし時間が長すぎると草木のような香りが強く出やすいので、5分前後を目安にするとすっきりと飲めます。すっきりした味わいが好みなら、水出しにするのもおすすめです。
自家製エキナセアの乾燥方法(ドライハーブの作り方)
自宅でエキナセアを育てている場合は、収穫した花や葉、茎を乾燥させてドライハーブを作れます。直射日光に当てると色や香りが損なわれやすいため、風通しのよい日陰で乾燥させるのが基本です。
- 新鮮なエキナセアを収穫する。
- 水洗いして汚れや虫を取り除き、水気をよく拭き取る。
- 紐で束ねて、風通しのよい日陰に吊るす。
- 1週間ほどを目安に、完全に乾燥するまで干す。
- 乾燥したら密閉容器に入れ、湿気と光を避けて冷暗所で保存する。
花・葉・茎のいずれも使えますが、茎は水分が多く乾きにくいため、カビを防ぐためにしっかり乾燥させることが大切です。乾きにくいときは、仕上げに電子レンジで軽く水分を飛ばす方法もあります。
私自身、安平町で育てたエキナセアを日陰干しで乾燥させていますが、じっくり乾かすと香りがよく残る印象があります。自家製ならではの新鮮な風味を楽しめるのも、栽培する楽しみのひとつです。
エキナセアに期待される働き
エキナセアは、北米の先住民の伝統の中で、傷の手当てや風邪が気になる時期のケアに用いられてきた歴史があります。ヨーロッパでも季節の変わり目に親しまれ、ドイツでは専門委員会(コミッションE)でハーブとしての利用が検討されてきました。
含まれる成分としては、多糖類や糖タンパク質、フラボノイドなどが知られています。こうした背景から、エキナセアは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- 季節の変わり目や、まわりで風邪が流行っているとき
- 体調を崩しやすい時期のセルフケアとして
ただし、エキナセアの働きについては研究の結果が一貫しておらず、風邪の予防や回復への効果がはっきり確認されているわけではありません。近年では、免疫を一方的に高めるというより、状態を整える方向に働く「免疫調整」の観点で考えるべきだという見方も示されています。
エキナセアのハーブティーは、あくまで「季節の養生として楽しむ嗜好品」として取り入れ、特定の病気の予防や治療を目的に飲むものではない、と捉えておくと安心です。体調に不安があるときは、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。
おすすめのハーブティーブレンド
エキナセアはクセが少ないため、他のハーブとブレンドしやすいハーブです。香りや風味の相性を楽しみながら、好みの組み合わせを見つけてみてください。
| ブレンド例 | 特徴 |
| ペパーミント | ミント系の清涼感が加わり、すっきりと飲みやすくなります。 |
| ローズヒップ・ハイビスカス | 酸味と彩りが加わり、フルーティーで飲みやすい味わいに。ビタミンを含むハーブとして親しまれています。 |
| しょうが | 体を温めたいときに親しまれてきた組み合わせ。寒い季節におすすめです。 |
| エルダーフラワー | 季節の変わり目に親しまれてきたハーブ同士の組み合わせです。 |
はちみつやレモンを加えても飲みやすくなります。レモンなど柑橘の酸味とも相性がよいので、お好みで合わせてみてください。
ハーブティーに使えるエキナセアの品種
エキナセアには9種類ほどがありますが、ハーブとして代表的に利用されるのは次の3種です。
| 品種 | 特徴 |
| エキナセア・パープレア | 紫色の花を咲かせる、最も一般的な品種。ハーブティーの原料として広く使われています。 |
| エキナセア・アングスティフォリア | 細い花弁が特徴の品種。伝統的に利用されてきた歴史があります。 |
| エキナセア・パリダ | 淡い色の花を咲かせる品種で、上記2種に比べると流通は多くありません。 |
なお、エキナセアは観賞用に改良された園芸品種も多く出回っています。ハーブティーなど飲用を目的に育てる場合は、購入前に品種をよく確認しておきましょう。
エキナセアのハーブティーを飲む際の注意点
エキナセアは広く親しまれているハーブですが、いくつか気をつけたい点があります。安心して楽しむために、次の点を押さえておきましょう。
連続して飲み続けない
エキナセアは、長期間にわたって連続して使用するのは避けるのが一般的とされ、連続使用は8週間以内を目安にすることが広く推奨されています。季節の変わり目など、必要な時期に絞って取り入れるのがよいでしょう。1日に飲む量も、2~3杯程度を目安にし、飲みすぎないようにします。
キク科アレルギーのある方
エキナセアはキク科の植物です。ブタクサ、キク、マリーゴールド、ヒナギクなどキク科の植物にアレルギーがある方は、アレルギー反応を起こす可能性があるため注意が必要です。初めて飲む場合は少量から試すと安心です。
自己免疫疾患・免疫に関わるお薬を使っている方
エキナセアは免疫に働きかけるとされるため、関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患のある方、臓器移植を受けた方、免疫抑制剤を服用している方は、使用前に必ず医師に相談してください。これらの場合、使用を避けるべきとされることがあります。
妊娠中・授乳中の方、お薬を服用中の方
妊娠中・授乳中の安全性は十分に確認されていません。また、肝臓に影響しうるお薬との相互作用が指摘されることもあります。妊娠中・授乳中の方や、お薬を服用中の方、肝臓に不安のある方は、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
体調に異変を感じたら中止する
飲んでいて発疹やかゆみ、胃腸の不調など、体調に異変を感じた場合は、飲用を中止してください。ハーブの安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。
まとめ:エキナセアのハーブティーの作り方
エキナセアのハーブティーは、ドライハーブにお湯を注いで5分ほど蒸らすだけで手軽に作れます。クセが少なく草木のような穏やかな風味で、はちみつやレモン、他のハーブと合わせても楽しめます。
「インディアンのハーブ」として古くから親しまれてきたエキナセアですが、連続使用は8週間以内を目安にし、キク科アレルギーや自己免疫疾患のある方、妊娠中・授乳中の方は注意が必要です。季節の変わり目のセルフケアとして、適量を上手に取り入れてみてください。
私自身、安平町で育てたエキナセアを乾燥させて楽しんでいますが、自分で育てた花や葉で淹れる一杯はやはり特別なものです。ぜひ、香り穏やかなエキナセアのハーブティーを暮らしに取り入れてみてくださいね。