フィーバーフューは、白い小さな花が愛らしい、キク科のハーブです。ヨーロッパでは古くから「庭の常備薬」として親しまれ、ハーブティーとしても飲まれてきました。
私は北海道勇払郡安平町でさまざまなハーブを育てていますが、フィーバーフューは丈夫で育てやすく、カモミールにも似た可憐な花を咲かせてくれます。花壇に植えると虫除けにもなり、見た目にも楽しいハーブです。
この記事では、自分で育てた経験も交えながら、フィーバーフューのハーブティーの淹れ方や味わい、ブレンド、飲む際の注意点までをご紹介します。
フィーバーフューのハーブティーとは
フィーバーフューは、キク科ヨモギギク属の多年草で、和名を「ナツシロギク(夏白菊)」といいます。学名は Tanacetum parthenium で、原産はユーラシア大陸(バルカン半島やコーカサス地方周辺)とされています。
「フィーバーフュー」という名前は、ラテン語で「熱を下げるもの」を意味する febrifugia に由来するといわれ、古くは解熱や痛みのケアに用いられてきた歴史があります。古代ギリシャのパルテノン神殿から転落した人を救ったという伝承が残るほど、ハーブの世界では古くからよく知られた存在です。
近代では、1978年にイギリスでフィーバーフューにまつわる新聞記事が話題となったことをきっかけに研究が進み、1980年代には医学誌で頭痛に関する報告がなされたこともあって、広く知られるようになりました。そうした背景から「奇跡のアスピリン」と呼ばれることもあります。夏にはカモミールに似た白い花を咲かせ、ガーデニング用としても人気のハーブです。
フィーバーフューのハーブティーの味・香り
フィーバーフューのハーブティーは、緑茶のような爽やかでグリーンな香りが特徴です。味には少し苦味があり、薬草らしい風味を感じる方もいます。
この苦味は、フィーバーフューの特徴成分であるパルテノライドなどのセスキテルペンラクトン類によるものとされています。苦味が気になる場合は、次のような工夫で飲みやすくなります。
- はちみつやレモンで甘みや酸味を加える
- カモミールやペパーミントなど、他のハーブとブレンドする
- 蒸らす時間を短めにする
苦味が強めのハーブなので、最初はブレンドやはちみつから試すと、無理なく楽しめます。
フィーバーフューのハーブティーの作り方
フィーバーフューのハーブティーは、ドライハーブにお湯を注いで蒸らすだけで手軽に作れます。生葉でも淹れられますが、苦味やクセが出やすいため、乾燥させて使うのが一般的です。
【材料】(1杯分)
- フィーバーフューのドライハーブ……ティースプーン1杯ほど
- 熱湯……150〜200ml
【淹れ方の手順】
- ティーポットにドライハーブを入れる。
- 沸かしたての熱湯を注ぐ。
- フタをして3〜5分ほど蒸らす。
- 茶こしでこしながらカップに注ぐ。お好みではちみつやレモンを加える。
長く蒸らすほど苦味が強くなりやすいので、蒸らし時間は好みに合わせて調整してください。分量はあくまで目安です。自分の体調や好みに合わせて、量や時間を加減しましょう。
自家製ドライハーブの作り方(乾燥方法)
自宅でフィーバーフューを育てている場合は、収穫した花や葉を乾燥させてドライハーブを作れます。
- フィーバーフューの花や葉を収穫し、汚れを取り除く。
- 水洗いした場合は、水気をよく切る。
- ザルなどに重ならないように広げるか、茎ごと束ねて、風通しのよい日陰に干す。
- パリパリになるまで完全に乾燥させる。
- 乾燥剤とともに密閉容器に入れ、冷暗所で保存する。
香りや色を保つため、直射日光を避けて乾燥させるのがポイントです。私自身、安平町で育てたフィーバーフューを日陰干しで乾燥させていますが、しっかり乾かすと保存もきき、自家製ならではの風味を楽しめます。
おすすめのハーブブレンド
フィーバーフューは苦味が強めなので、他のハーブとブレンドすると、香りや味のバランスが取りやすく飲みやすくなります。味や香りの相性を楽しみながら、好みの組み合わせを見つけてみてください。
| ブレンド例 | 特徴 |
| フィーバーフュー+カモミール | 同じキク科で相性がよく、りんごのような甘い香りが加わって、やさしくまろやかな味わいになります。くつろぎたい時間におすすめです。 |
| フィーバーフュー+ペパーミント | ミントの清涼感が加わり、苦味がやわらいですっきりとした味わいに。気分をリフレッシュしたいときに向いています。 |
| フィーバーフュー+オレンジピール | 柑橘の甘く爽やかな香りが加わり、フィーバーフューの苦味を感じにくくしてくれます。華やかな香りを楽しみたいときに。 |
| フィーバーフュー+ルイボス | ルイボスの香ばしくまろやかな風味と合わせると、苦味がやわらいで飲みやすくなります。ノンカフェインでゆっくり楽しめます。 |
ブレンドするときは、ティーポットにフィーバーフューと合わせたいハーブを入れて熱湯を注ぎ、3〜5分ほど蒸らします。フィーバーフューは苦味が強いので、少なめから始めてバランスを調整するとよいでしょう。
フィーバーフューに期待される働き
フィーバーフューは、古代ギリシャの時代から薬用ハーブとして親しまれ、ヨーロッパでは伝統的に頭の痛みや不調のケアに用いられてきた歴史があります。
葉には、特徴成分であるパルテノライド(セスキテルペンラクトン類の一種)が含まれています。この成分については、頭痛に関連する体内の物質に働きかける可能性などが研究されてきましたが、効果については研究によって見解が分かれる部分もあります。
こうした背景から、フィーバーフューのハーブティーは下記のような場面で親しまれてきたと言われています。
- 頭が重く感じるとき、すっきりしたいとき
- 季節の変わり目や、花粉が気になる時期のセルフケアとして
ただし、これらはあくまで伝統的に親しまれてきた使われ方であり、特定の症状への効果を保証するものではありません。フィーバーフューのハーブティーは「ハーブの香りやひとときを楽しむ嗜好品」として取り入れ、頭痛など気になる症状がある場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談してください。
なお、フィーバーフューは伝統的に「痛みが出たときに飲む」よりも、「習慣的に飲み続ける」かたちで親しまれてきたハーブですが、後述のとおり長期間の連続使用には注意が必要です。
フィーバーフューのハーブティーを飲む際の注意点
フィーバーフューは、いくつかの注意点があるハーブです。安心して楽しむために、次の点を知っておきましょう。
妊娠中・授乳中の方
フィーバーフューは、メディカルハーブの安全性評価で「妊娠中に使用しない」とされているハーブです。子宮への影響が指摘されているため、妊娠中の方は使用を避けてください。授乳中の方も、安全性が十分に確認されていないため、控えるのが無難です。
キク科アレルギーのある方
フィーバーフューはキク科の植物です。特徴成分のパルテノライドは、キク科アレルギーの原因のひとつと考えられている成分でもあります。ブタクサやキクなどキク科の植物にアレルギーがある方は、注意が必要です。また、まれに口内の刺激や口内炎、皮膚炎などが起こることがあります。
お薬を服用中の方・手術を予定している方
血液に関わるお薬(抗凝固薬・抗血小板薬など)を服用している方は、念のため事前に医師や薬剤師に相談してください。手術を予定している場合も、医師にフィーバーフューを利用していることを伝えておくと安心です。
長期間の連続使用と、やめるときの注意
フィーバーフューを長期間にわたって利用している方の一部に、使用を急にやめたときに、頭痛・関節や筋肉のこわばり・不安・睡眠の乱れといった不調があらわれることがあり、「ポスト-フィーバーフュー症候群」と呼ばれることがあります。長く続けたあとに使用を中止する場合は、1か月以上かけて少しずつ量を減らしていくのがよいとされています。
ハーブの安全性に関する詳しい情報は、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の安全性・有効性情報」データベースなどの公的な情報源も参考になります。体調や体質に合わないと感じた場合は、飲用を中止してください。
まとめ:フィーバーフューのハーブティーの作り方
フィーバーフューのハーブティーは、ドライハーブにお湯を注いで3〜5分ほど蒸らすだけで手軽に作れます。緑茶のような爽やかな香りと、少しの苦味が特徴で、はちみつやレモン、カモミール・ペパーミント・オレンジピールなどとのブレンドで飲みやすくなります。
古くからヨーロッパで親しまれてきたハーブですが、妊娠中・授乳中の方やキク科アレルギーのある方は使用を避け、長く続けたあとにやめるときは少しずつ減らすなど、いくつかの注意点を押さえて楽しむことが大切です。
私自身、安平町で育てたフィーバーフューを乾燥させて楽しんでいますが、自分で育てた花で淹れる一杯はやはり特別なものです。注意点を踏まえながら、香り豊かなフィーバーフューのハーブティーを暮らしに取り入れてみてくださいね。