よもぎ茶は古くから親しまれてきた和ハーブのお茶ですが、時には「肝臓に悪い」と言われることもあります。
よもぎ茶が気になっていても、肝臓に悪影響を及ぼすのか心配という方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、よもぎ茶を適量飲む分には、肝臓に悪影響を与えるという根拠は乏しく、過度に心配する必要はないとされています。ただし「肝臓に悪い」と言われるのにはいくつかの理由があり、注意したほうがよい人もいます。この記事では、よもぎ茶が肝臓に悪いと言われる理由や、本当の効果、安全な飲み方についてお伝えしていきます。
結論:よもぎ茶は肝臓に悪い?
結論からお伝えすると、よもぎ茶を適量飲む分には、肝臓に悪影響を与えるという明確な根拠は乏しく、過度に心配する必要はないとされています。
よもぎは漢方で「艾葉(がいよう)」と呼ばれる生薬としても古くから用いられてきました。よもぎ茶に含まれるコリンという成分は、脂質の代謝や胆汁の生成に関わるとされており、こうした背景から「肝臓の働きをサポートする」とイメージされることもあります。
一方で、「よもぎ茶は肝臓に悪い」と言われるのにはいくつかの理由があり、人によっては注意が必要なケースもあります。次の章で、その理由を一つずつ見ていきましょう。
よもぎ茶が「肝臓に悪い」と言われる理由
よもぎ茶が肝臓に悪いと言われる背景には、いくつかの理由があります。多くは「適量を守らない場合」や「特定の体質・体調の人の場合」に関するものです。
飲み過ぎ・過剰摂取による負担
これはよもぎ茶に限った話ではありませんが、どんな飲食物でも過剰に摂取すれば体に負担となります。
よもぎ茶には食物繊維が豊富に含まれているため、飲み過ぎると消化不良や下痢を引き起こすことがあります。こうした体調不良の経験が「よもぎ茶は体に悪い・肝臓に悪い」というイメージにつながった可能性があります。
ツヨンなどの精油成分の摂りすぎ
よもぎには、独特の香りのもとになるツヨン(α-ツヨン)という精油成分が含まれています。
ツヨンは適量であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると神経に影響を与える可能性があるとされています。濃く煮出しすぎたり、1日に何杯も飲み続けたりすることは避け、適量を守ることが大切です。
肝機能に不安がある人の鉄分の蓄積
肝機能障害がある肝臓には鉄が蓄積しやすく、過剰になった鉄が肝臓の細胞にダメージを与え、重症化リスクを高める可能性が指摘されています。実際に、C型肝炎などでは鉄制限の食事がすすめられることがあります。
よもぎは比較的鉄分を多く含む食品ですが、他の食品に比べて突出して多いわけではないため、健康な人が適量を飲む分には恐れすぎる必要はありません。ただし、肝疾患のある人は飲み過ぎに注意しましょう。
参考:「鉄制限の食事とC型肝炎」慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
原料の保管状態とカビ毒
よもぎに限らず乾燥させた植物全般にいえることですが、原料の乾燥や保管の状態が悪いと、カビが発生し、カビ毒が生じる可能性があります。
自分で採取・乾燥させる場合は、しっかり乾燥させて湿気を避けて保存することが大切です。不安な場合は、品質管理された市販の製品を選ぶと安心です。
東洋医学の「肝」と臓器の「肝臓」の混同
東洋医学(漢方)でいう「肝」は、自律神経や血の巡りなどを含む幅広い概念で、現代医学でいう臓器の「肝臓」とは必ずしも一致しません。
この「肝」に関する漢方の考え方が、臓器としての「肝臓」の話と混同されて伝わり、「よもぎ茶は肝臓に良い/悪い」という情報が独り歩きした可能性も考えられます。
よもぎ茶を飲む際に注意が必要な人
よもぎ茶は基本的に安全なお茶ですが、次のような方は注意が必要です。当てはまる場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談すると安心です。
肝機能に不安がある・肝疾患のある人
前述のとおり、肝疾患のある人は鉄の蓄積に注意が必要です。自己判断で多飲せず、医師に相談しながら取り入れましょう。
妊娠中の人
よもぎに含まれるツヨンには子宮を収縮させる作用があるとされ、過剰に摂取すると流産・早産につながる恐れがあるといわれています。よもぎ餅など食事で一般的な量をとる分には問題ないとされますが、妊娠中は摂取量に注意しましょう。
キク科アレルギーのある人
よもぎはキク科の植物です。キク科の植物にアレルギーがある人は、アレルギー反応を起こす可能性があるため、飲用を避けるか少量から試すようにしましょう。
腎機能が低下している人
よもぎにはカリウムが多く含まれています。腎機能が低下している人はカリウムの摂取に注意が必要な場合があるため、医師に相談してから取り入れましょう。
薬を服用している人
持病があり薬を服用している方は、飲み合わせが気になる場合があります。自己判断せず、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。
よもぎ茶の肝臓・健康への効果
よもぎ茶には、肝臓を含めた体に役立つとされる成分が含まれています。いずれも「〜とされる」レベルのもので、医薬品のような効果を保証するものではありません。
コリンによる脂質代謝のサポート
コリンは、肝臓での脂質の代謝や、脂質の消化吸収を助ける胆汁の生成に関わる成分とされています。
ただし、よもぎ茶に含まれるコリンの量は多くありません。コリンを意識して摂りたい場合は、卵黄・レバー・大豆製品など、他の食品からも取り入れるとよいでしょう。
クロロフィル・β-カロテンなどの抗酸化作用
よもぎには、クロロフィル(葉緑素)やβ-カロテンといった抗酸化作用をもつとされる成分が含まれています。これらは体の酸化ストレスをやわらげるのに役立つといわれています。
豊富な栄養素
よもぎには、食物繊維、ビタミン類、鉄などのミネラルがバランスよく含まれています。こうした栄養素から、よもぎは「ハーブの女王」と呼ばれることもあるほど親しまれてきました。
よもぎ茶の安全な飲み方
よもぎ茶を安心して楽しむために、次のような飲み方を心がけましょう。
- 乾燥したよもぎの葉1〜2g程度に、熱湯200mlを注ぎ、3〜5分ほど蒸らす
- 1日1〜2杯程度を目安にする
- 濃く煮出しすぎない
- 体調に異変を感じたら飲用を中止し、医師に相談する
よもぎ茶はノンカフェインなので、就寝前のリラックスタイムにも取り入れやすいお茶です。たくさん飲んだからといって効果が高まるわけではないので、適量を守って楽しみましょう。
よもぎ茶のそのほかの注意点
よもぎ茶は肝臓を始めとした体に役立つとされるお茶ですが、飲む量や、飲んではいけないとされる人、よもぎと間違えやすい毒草とその見分け方など、ほかにも知っておきたい注意点があります。
特に、自分でよもぎを採取する場合は、トリカブトなどの毒草と見間違えないよう注意が必要です。詳しくはこちらのページでお伝えしていますので、よもぎ茶を安心して飲むための参考にしてください。
まとめ:よもぎ茶は適量なら過度に心配しなくてよい
よもぎ茶は「肝臓に悪い」と言われることがありますが、その多くは「飲み過ぎた場合」や「特定の体質・体調の人の場合」に関するものです。
健康な人が適量を飲む分には、肝臓に悪影響を与えるという明確な根拠は乏しく、過度に心配する必要はないとされています。むしろ、栄養素や抗酸化作用をもつ成分が含まれる、親しみやすいお茶です。
ただし、肝疾患のある人や妊娠中の人、キク科アレルギーのある人などは注意が必要です。飲み過ぎを避け、正しい飲み方で、不安なときは医師に相談しながら、よもぎ茶を安全に楽しんでくださいね。